SLAPPASSWD

Section: Maintenance Commands (8C)
Updated: 2004-01-22
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名前

slappasswd - OpenLDAP パスワードユーティリティ  

書式

/usr/local/sbin/slappasswd [-v] [-u] [-s secret|-T file] [-h hash] [-c salt-format]

 

説明

slappasswd は、 ldapmodify(1) あるいは slapd.conf(5) の rootpw 設定ディレクティブで使える userPassword 値を生成するために使われます。  

オプション

-v
冗長モードにします。
-u
RFC2307 userPassword 値を生成します(デフォルト)。 このコマンドの将来バージョンではデフォルトで別のシンタックスのものを 生成するようになる可能性があります。このオプションは上位互換性の ために提供されます。
-s secret
指定のパスワード secret をハッシュ化します。 これと -T を与えなければ、 ハッシュ化するパスワードを入力するためのプロンプトを出力します。 -s-T は相互に排他的なオプションです。
-T file
指定のファイルの内容をハッシュ化します。 -s-T は相互に排他的なオプションです。
-h scheme
オプション -h を指定する場合、次の RFC2307 スキームのいずれかを 指定できます。 {CRYPT}, {MD5}, {SMD5}, {SSHA}, {SHA}. デフォルトは {SSHA} です。

{SHA}{SSHA} は SHA-1 アルゴリズム(FIPS 160-1)を使います。後者には seed が付きます。

{MD5}{SMD5} は MD5 アルゴリズム(RFC 1321)を使います。後者には seed が付きます。

{CRYPT}crypt(3) を使います。

{CLEARTEXT} は新しいパスワードを userPassword に平文で追加することを示します。

-c crypt-salt-format
{CRYPT} パスワードを生成するときに crypt(3) に渡す salt の形式を指定します。 この文字列は sprintf(3) 形式で指定する必要があり、その中に1個(1個だけ)の %s 置換を含められます。 この変換は [A-Za-z0-9./] の文字から構成されたランダムな文字列で 置き換えられます。たとえば "%.2s" は2文字の salt を提供し、"$1$%.8s" は crypt(3) のいくつかのバージョンにMD5 アルゴリズムを使うことを知らせ、 ランダムな8文字の salt を提供します。 デフォルトは "%s" で、31 文字の salt を提供します。
 

制限

ハッシュ化したパスワードを実際に userPassword に格納することは、 標準(RFC2256)のスキーマ仕様に違反しており、相互運用性の障害に なる可能性があります。ハッシュ化したパスワードを保持する新しい属性 authPassword (RFC 3112)が定義されましたが、 slapd(8) ではまだ実現していません。  

セキュリティ上の注意事項

パスワードをハッシュ化しておいても、プロトコル転送中の パスワードは保護されません。LDAP 簡易認証を使う前に TLS その他の盗聴防止機構を検討すべきです。 ハッシュ化したパスワード値は、それがクリアテキストの パスワードであるかのように保護すべきです。  

関連項目

ldappasswd(1), ldapmodify(1), slapd(8) slapd.conf(5) RFC 2307 RFC 2256 RFC 3112

"OpenLDAP 管理者ガイド" (http://www.OpenLDAP.org/doc/admin/)  

謝辞

OpenLDAP は OpenLDAP プロジェクト (http://www.openldap.org/ )が開発/管理しています。 OpenLDAP はミシガン大学の LDAP 3.3 リリースより派生しました。  

和訳

稲地 稔 <inachi@kkd.biglobe.ne.jp>


 

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セキュリティ上の注意事項
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