SLAPD

Section: Maintenance Commands (8C)
Updated: 2004-01-22
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名前

slapd - スタンドアローン LDAP デーモン  

書式

/usr/local/libexec/slapd [-[4|6]] [-d debug-level] [-f slapd-config-file] [-h URLs] [-n service-name] [-s syslog-level] [-l syslog-local-user] [-r directory] [-u user] [-g group] [-t]  

説明

slapd はスタンドアローンの LDAP デーモンです。このデーモンは、いくつもの ポート(デフォルトは 389)の LDAP コネクションで LDAP 操作を受け付けて応答します。 slapd は通常、OS のブート時に(普通 /etc/rc.local から)起動されます。 通常 slapd を起動すると、フォークを行って起動した tty から自分自身を切り離します。 設定ファイル /usr/local/etc/openldap/slapd.conf に設定があれば、 slapd のプロセスは自分のプロセス ID ( getpid(2) を参照)を .pid ファイルに書き出します。同様に設定があれば、起動時のコマンドライン オプションを .args ファイルに書き出します( slapd.conf(5) を参照)。 オプション -d が与えられていれば、そのデバッグ指定が 0 であっても、 slapd はフォークせず、起動した tty と切り離されません。

slapd は、 slurpd (スタンドアローン LDAP 更新複製デーモン)と協力して、 データベースの複製サービスを提供するように設定できます。 詳しくは slurpd(8) を参照してください。

slapd についてより詳しくは "OpenLDAP 管理者ガイド" を参照してください。  

オプション

-4
IPv4 アドレスだけを受けつけます。
-6
IPv6 アドレスだけを受けつけます。
-d debug-level
デバッグモードを debug-level にします。このオプションを指定すると、そのデバッグ指定が 0 であっても、 slapd はフォークせず、起動した端末から切り離されません。一般的な操作と 状態のメッセージが debug-level の値に応じて出力されます。 debug-level はビットストリングとして扱われます。その各ビットは それぞれ行ったデバッグ情報に対応しています。詳しくは <ldap.h> を参照 してください。 パケットの記録をとるようにしていた場合、記録されるパケットにはバインド時の パスワードも含まれることに注意してください。この記録をログファイルに リダイレクトするなら、ファイルに読取り制限をかけるようにしてください。
-s syslog-level
このオプションは、 syslog(8) 機能にどのレベルのデバッグ情報を記録するかを slapd に示します。
-n service-name
ログ採取などで使われるサービス名を指定します。 デフォルトは argv[0] のベースネーム(basename)、すなわち "slapd" です。
-l syslog-local-user
機能のローカルユーザを指定します。値は LOCAL0, LOCAL1, から LOCAL7 までのどれかにできます。デフォルトは LOCAL4 です。しかし、このオプションは syslog(8) 機能でローカルユーザをサポートしているシステムでのみ許されます。
-f slapd-config-file
slapd の設定ファイルを指定します。デフォルトは /usr/local/etc/openldap/slapd.conf です。
-h URLlist
slapd はデフォルトで ldap:/// (デフォルトの LDAP ポート 389 ですべてのインタフェースを扱う TCP上の LDAP)にて応対します。つまり INADDR_ANY とポート 389 を使ってバインドします。 オプション -h は応対する LDAP (および他のスキームの) URL を指定するために使われます。 たとえば slapd に -h "ldap://127.0.0.1:9009/ ldaps:/// ldapi:///" を与えると、LDAP については 127.0.0.1:9009、 TLS 上の LDAP と IPC (Unix ドメインソケット)上の LDAP については 0.0.0.0:636 でバインドします。ホスト 0.0.0.0 は INADDR_ANY を表します。 このオプションの引数としては、スペースで区切られた URL のリストが求められます。 URL は、LDAP (ldap://), LDAP over TLS (ldaps://), LDAP over IPC (ldapi://) のいずれかのスキームを DN やその他のオプションのパラメータを付けずに 指定します。OS によっては基盤のソケットの利用権を示す実験的な拡張を 加えて指定できます。 LDAP over TLS と LDAP over IPC のサポートは構築時に指定したオプション に依存します。 ホストは、ホスト名で指定しても、IPv4 と IPv6 のアドレスフォーマットで 指定してもかまいません。ポートを指定する場合は数値で指定しなければなりません。 デフォルトの ldap:// のポートは 389 で、デフォルトの ldaps:// のポートは 636 です。 LDAP over IPC のソケット利用権は "x-mod=-rwxrwxrwx", "x-mod=0777", "x-mod=777" のどれかで示します。 ここで "rwx" のところには対応する利用権を与えないために "-" を 指定でき(しかしソケットでは "w" 利用権だけが有効です)、 "7" のところには 8 進数を指定できます。これらの値の規則は chmod(1) にしたがいます。
-r directory
chroot の「牢獄(jail)」ディレクトリを指定します。 slapd はリスナをオープンした後、設定ファイルの読込みや バックエンドの初期化をする前に、このディレクトリに chdir(2) して chroot(2) します。
-u user
指定したユーザ名あるいはユーザ ID で slapd を起動します。 この際、指定したユーザにより initgroups(3) で設定される 補足グループアクセスリストが使われます。 グループ ID は -g オプションで上書きしない限りユーザの GID に変更されます。
-g group
指定したグループ名あるいはグループ ID で slapd を起動します。

非特権ユーザで起動すると passwd バックエンドが暗号化されたパスワードに アクセスできなくなるシステムがあることに注意してください。 またシェルバックエンドは、指定した非特権ユーザで起動することにも 注意してください。

-t
slapd は設定ファイル(-f オプションで何も与えていないときにはデフォルト)を 読み込み、設定ファイルの構文をチェックしますが、リスナもデータベースも オープンしません。
 

使用例

slapd を起動し、フォークして端末から切り離し、デフォルトの設定ファイルに 定義した LDAP データベースのサービスを開始するには 次のようにするだけです。

        /usr/local/libexec/slapd

代替の設定ファイルで slapd を起動し、大量のデバッグ情報を標準エラーに出力するには次のようにします。

        /usr/local/libexec/slapd -f /var/tmp/slapd.conf -d 255

設定ファイルが適正であるかをテストするには次のようにします。

        /usr/local/libexec/slapd -t

 

関連項目

ldap(3), slapd.conf(5), slapd.access(5), slurpd(8)

"OpenLDAP 管理者ガイド" (http://www.OpenLDAP.org/doc/admin/)  

バグ

http://www.openldap.org/its/ を参照。  

謝辞

OpenLDAP は OpenLDAP プロジェクト (http://www.openldap.org/ )が開発/管理しています。 OpenLDAP はミシガン大学の LDAP 3.3 リリースより派生しました。  

和訳

稲地 稔 <inachi@kkd.biglobe.ne.jp>


 

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