3. 構想 - 構成の選択

この節では、さまざまな LDAP ディレクトリの構成と、スタンドアローン LDAP サーバ slapd(8) が他の世界とどう関わるのかについて簡単に説明します。

3.1. ローカルディレクトリサービス

この構成では、ローカルドメインだけにディレクトリサービスを提供する slapd を実行します。これはいかなる手段においても他のディレクトリサービスと関わりません。この構成を図3.1に示します。

図3.1:ローカルサービスの構成

試しに使ってみたい場合(このためにクィックスタートガイドを用意しています) やローカルサービスを提供したく他の世界への接続には関心がない場合にはこの構成を使ってください。

3.2. 紹介つきのローカルディレクトリサービス

この構成では、ローカルドメインにディレクトリサービスを提供する slapd を実行しますが、ローカルドメイン外で要求に応えられる 上位のサービスへの紹介(referral)を返すように構成します。この上位のサービスは独自に実行してもよいですし、他から提供されているものでもかまいません。この構成を図3.2に示します。

図3.2:紹介つきのローカルサービス

ローカルサービスとともにグローバルディレクトリも提供したいのであればこの構成を使ってください。

3.3. 複製を行うディレクトリサービス

デーモン slurpd は、マスターの slapd の変更を一つ以上のスレーブの slapd に繁殖させるために使われます。マスター/スレーブ構成の例を図3.3に示します。

図3.3:複製を行うディレクトリサービス

この構成は、単一の slapd では要求される信頼性や可用性を満足できない状況で、先にあげた二つの構成のどちらかと組み合わせて使うとよいでしょう。

3.4. 分散ローカルディレクトリサービス

この構成では、ローカルサービスがより小さなサービスに分割されています。分割されたサービスは個々に複製でき、上位下位 の紹介で結びつけられています。