これまでに遭遇したトラブルと対策 Home

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1. スティック50%でモーターが回りだし、50%より下げると急ブレーキがかかる 1999.01
2. バッテリー末期(8分30秒頃)、着地と同時にノーコンとなる。外付けBEC。 2000.07追記
3. ローターの回転上昇中に振動し、テールを叩く 2000.07追記
4. テールを叩いて曲がったアルミテールブームの修理 1999.01
5. 機体が時々息継ぎ?(しゃくる)する 1999.01
6. テールローターの利きが悪い? 2000.07追記
7. 離れたとき7時方向で機体がしゃくる 2001.09追記
8. 捻り下げローターと捻り下げ無しローター & 対称ローター 2000.01
9. 機体重量とピニオン 2000.01
10. 02H以外のモーター 2000.01
11. 7セルか8セルか? 2000.01
12. ショートマスト 2000.01
13. シーソーへッドとフラッピングヘッド 2000.07追記
14. ピッチリンゲージは前引きか後ろ引きか? 2000.09


1.スティック50%でモーターが回りだし、50%より下げると急ブレーキがかかる。
急に回り始めて、突然止まるため、ローターがグリップのところで折れてしまって、テールを叩く。

対策
車用アンプでは、ニュートラルとブレーキを使用するが、ヘリではこの領域は使用しない。
A−01の設定を現在の様にすることで解消。(セッティングのページ参照)


2.バッテリー末期(8分30秒頃)、着地と同時にノーコンとなる。この時、A−01がピーピーと鳴っている。

調査
キーエンス社によると、受信機からの信号が途絶えたとき、A−01はピーピーと鳴るようになっているとのこと。
したがって、受信機が停止、すなわちBECが停止しているらしい。

まず、ニッカドバッテリーの終了時の特性ですが、急激に電圧が低下します。
浮く直前のスロットルの位置でローターを回し続けた場合、ニッカド終了間際、電圧は10秒に1V程度の割合で低下していきます。
ちょうど8分を超えて浮かせていた場合、この領域に入るようです。したがって、8分30秒頃の着地寸前では、ニッカドは5V程度まで電圧が下がっているわけです。
これに対し、外付けBECの3052P(5V2A 3端子Reg)は、
    入力 出力
7V以上 5V
6V 4V
5V 3V
という特性でした。BECの出力は3V程度になってしまい、これではノーコンになります。

対策
@.低損失の3端子Regを使用する。
秋月電子で扱っているLM2940CT−5.0(5V1A)の場合
    入力 出力
5V以上 5V
4V 4V
3V 3V
という特性で、2V=20秒程度余裕が出来ます。これならノーコンになる前に、モーターを停止するでしょう。
A-01の内蔵BECでは、ノーコンは確認されてませんから、A-01の内蔵BECは、これに近い特性だと思います。(未確認)

A.ワイドレンジ入力のDC-DCコンバーターを使用する。
イータ電機のOBR‐SC0512(4.5V〜16V入力、5V1A)の場合、実際、入力が4.5V以上有れば安定に5Vを出力していました。
その上、効率74%、12gです。
負荷が、モーター(サーボ)であることと、高周波アンプとの干渉等を心配しましたが、3フライトのテストでは問題無く、8分30秒越えをしてノーコンにはなっていません。

@の方が若干軽量になりますが、Aの効率も魅力です。多セルになるほど有効だと思います。でも@の方が断然安い!!

現在は、AのDC-DCコンバーターを使用しています。300フライトを超えてノートラブルです。(98.11.27)

2000.07追記
NEC製のμPC24A05HFは、入出力間の電圧差が1V以下で、5V2A出力です。


3.ローターの回転上昇中に振動し、テールを叩く。上昇してしまえば振動しない
SR用のピアノ線スキッドは、少しの振動を増長し、あげくの果ては、ローターでテールを叩いてしまう。

対策
スケールボディ用のプラスチック製のブレースに交換するとこの現象は起こらない。
ただし、プラスチック製は結構重たいので、肉抜きをして軽量化したほうが良い。
強度は十分確保できる。

機体の振動については、フライングさんの夢望技術研究所でも解説されています。

2000.07追記
ピアノ線スキッドも少し切って縮めてやれば振動しにくくなります。軽くなって良好です。


4.テールを叩いて曲がったアルミテールブームの修理
セッティング中や、マイナスピッチをつけすぎるたりすると必ずメインローターでテールパイプを叩いてしまいます。
裂けていなければ、曲がったテールパイプは直せます。
Nifty模型フォーラムで教えてもらった方法です。

方法
テールパイプの中を通すことのできる10mm径ぐらいの丈夫な棒と単3乾電池、木槌、板を用意します。
覗いて向こうが見えるくらいまでは手で直します。力を入れすぎて折ってしまったらおしまいです。
次に10mm径ぐらいの丈夫な棒の先を軽く尖らせて、これをテールパイプに通して折れ目を広げて行きます。
折れ目の凸凹が少なくなってきたら、単3乾電池をゆっくり棒で押して通していくとかなり綺麗に広がります。
後は、テールパイプが真っ直ぐになるように補正して終了。
カーボンパイプの方が丈夫ですが、4、5回叩くと折れてしまいます。
セッティング中や、ホバリングができるまでの練習では、アルミパイプの方が経済的です。

折れたパイプの修理方法は、フライングさんの夢望技術研究所にあります。


5.機体が時々息継ぎ?(しゃくる)する
ホバリング中に、テールが急に回ったり、メインローターの回転が下がったりすることが有りました。
よく観察すると、モーターが一瞬止まっている様です。

対策
新品モータは、まず慣らしをします。02Hの場合、坂本さんのHPにあるような方法が良いようです。
私の場合、ブラシの押さえを弱にして5Vをかけ無負荷で4時間慣らしをしました。
ブラシは、溝がほぼ無くなるぐらいになります。
モーターは良好ですが、50フライトすると、ブラシとコミュテーターの削れカスがモーター缶に中に溜まり、悪さをするようです。

モーターを下ろし、ばらして掃除をすると、以後140フライトでブラシが無くなるまで息継ぎは発生しませんでした。

ブラシを交換して、再度慣らしをしましたがちょっと手抜きで2時間で済ましたところ、ブラシはまだ溝が7割程残っていました。
この状態で20フライトしたところ、息継ぎが発生しました。ブラシの周りには、かなり削りカスが散っています。溝が残っている為、当たっている面積が小さく、ブラシが削れやすいようです。

溝が無くなるまで慣らしをして、50フライトぐらいで一度掃除をすると良いような気がします。

ヘリは負荷が大きいため、飛行機よりブラシの削れる度合いが大きいようですから、まめに掃除したほうが良いのかもしれません。


6.テールローターの利きが悪い?
ピニオンの変更(16T→14T)により、メインローターの回転数が下がったため、テールローターの回転が下がり、テールローターのピッチをいっぱいにしてもラダーの利きが悪くなっていました。
ピルエットの速度が遅く、非常に不安でした。
また、テールローターのピッチが付き過ぎて、非常に効率が悪くなってました。

対策
以前にNifty模型フォーラムで教えてもらっていた方法を実行しました。

テールローターを30GP用に交換します。ローター径が大きくなり面積が増えるため、テールローターのピッチが少なくてすみます。
グリップ部が少し厚いのでペーパーで削ります。
ローター長を10mm程切って縮めましたが、垂直安定板より下に出てしまいますので、垂直安定板にアルミの針金を固定し、テールからのランディングで、テールローターを叩かないようにしました。

K&S製のローターを使用しましたが、標準品より材質がしっかりしていてたわみにくく、色もカラフルで良い感じです。
ピッチが少ないせいか、ロスも減ったようです。ラダーをいっぱい切ったときのメインローターのストールも減って、機体の姿勢も崩れにくくなりました。
フライト時間も少し伸びたようです。

ヒロボーのSF テールブレード L=77だと、グリップ部の厚さが同じなので加工の必要がありません。

2000.07追記
JRのボイジャーE用のロングテールローター(No60697)が無加工で使えます。丈夫で少々地面を擦っても傷みません。


7.離れたとき7時方向で機体がしゃくる
上空で右旋回すると機体が7時方向に向いたとき、時々、機体がしゃくる。
アンテナを機体左側に固定している。アンテナが機体の陰に入ってしまう為にノーコンになっている様子。

 対策
とりあえず、アンテナをもう少し機体より前に出すことで、ほとんど起こらなくなりました。

2000.09追記
この現象は、バンド(40MHz)や送受信機(双葉orJR)、モーター、コントローラーに関係なく起こっていました。
アンテナの位置によって、しゃくりが発生する方向が変わることから、何かの電波障害には間違いないと感じていたのですが、テールブームをアースに落とすと、この現象はまったく出なくなりました。
72MHzのバンドでは、よくヘリの機体の発生するノイズで電波障害が起こると聞いていましたが、EPコンセプトでは40MHzに障害が発生するようです。
具体的には、受信機の空きチャンネルのコネクター(黒い線のつながるピン)か、バッテリーコネクターのマイナス側から線を出し、テールブームに繋いでやれば良いです。私は、テールブームサポートの固定ネジに共締めしました。

2001.09追記
バッテリーのマイナス側からアースをとってみましたが、逆効果でした。受信機のコネクターからアースを取る方が効果的のようです。


8.捻り下げローターと捻り下げ無しローター & 対称ローター
「アサミ」の、JRCのローターには、捻り下げ無しと有りがあります。

考察
捻り下げ無しローターは非常に効率がよいようで、ホバリングや上空旋回では機体が安定して、フライト時間も延びます。
これでループ、ロールも可能ですが、背面時にマイナスピッチをかけると、モーターへの負荷が大きくなるようです。
多少効率は悪くなりますが、上空アクロには、捻り下げ無しの方が良いようです。

−3度程度の捻り下げローターがあると良いと思います。

対称ローターも発売されました。背面ホバをするには非常に有効ですが、翼厚が大きい為モーターに対する負荷が大きいようです。
また、効率も良くないので揚力の発生が少なく、前進速度が得られにくいようです。
ハイパワーのモーターを使用していれば差ほど問題にはなりませんが、02H程度でループ&ロールをするのであれば、準対称ローターを使用した方が良いと思います。


9.機体重量とピニオン
標準のピニオンは16Tですが、「アサミ」に、13T、14T、15Tのピニオンセットが有ります。
どのように選択すれば良いのでしょうか?

考察
負荷が無ければピニオンを13Tから14T、15Tとするにつれてローターの回転数は7%づつ上がっていきます。
メインマストの軸トルクは逆に減っていきますので、負荷とのバランスを取らなければなりません。

7セルでモーターに02H(進角3程度)を使い、JRCの準対称ローターを使用している場合での経験では、
機体重量 ピニオン
1250g以下 16T
1250〜1380g 15T
1380g以上 14T
を目安にすると良いようです。
機体重量は、50gでかなり負荷が変わりますから、なるべく軽い方がモーターにはやさしくなります。
1350g程度の機体では、15Tでコミュはほとんど荒れません。

1300gを越える機体で16Tだと、ハイピッチで回転数が落ちて姿勢が安定しません。

14Tの場合は、7セルではローターの回転が上がりきらないようで注意が必要です。
13Tはハイパワーモーターや8セル以上のバッテリーを使用する場合に使用します。

10.02H以外のモーター
ダイナテック02Hはヘリでは定番といわれています。それでは、最新の車用モーターは使えないのでしょうか?

考察
Niftyの皆さんの好意で、色々なモーターをテストする機会がありました。
最新のモーターにはパワーもあって、精度も良く効率も良いものがあるようです。
これらは十分にヘリに使用可能です。

02Hと同等のパワーなら、14Turnのもの、さらにハイパワーを求めるなら、13Turnになります。
ただし、ダブル巻きが良いようで、クワッドだとすぐコイルを焼いてしまいます。
また、ハイパワーになれば、当然フライト時間も短くなります。

02Hでもアイドルアップで上空をぐりぐりやってるとフライト時間は5分程度になりますから、気持ちよくアクロをやろうと思えば、ハイパワーモーターを選択するのも良いかもしれません。

具体的には、ヨコモのM213TW、ATLAS New α214TWなどは良好でした。他にも、良いモーターはあると思います。
M213TWは、13Tピニオンを使い、7セルでも楽にアクロをこなすことができます。
α214TWは、15Tピニオンで使い、02Hに良く似ていて、すこし穏やかな飛びかたをします。フライト時間も似ています。

02Hは、軽量で冷却性能が良く、効率も良いなど非常にバランスの良いモーターです。
扱いやすく、ループやロール程度のアクロも十分にこなせます。
やはり、定番には違いないですね。

ヨコモのL210〜213も良好のようです。
これら自動車用モーターは、非常にハイパワーですが、寿命が短く、20〜30フライトで突然パワーダウンします。
ブラシ交換で200フライトを超える02Hはやはり凄いですね。
残念ながら02Hは生産終了となったようです。代わりのモーターを探さなければいけません。
次はブラシレスか・・・


11.7セルか8セルか?
バッテリーのセル数は、多くなるほど電圧が上がり、効率やパワーの面で有利になりますが、反面重くなります。EPコンセプトの場合、最適なセル数は、いくらになるのでしょうか?

考察
一般には8セルの方が、余裕を持ってアクロが出来るといわれています。ローター回転数も14%程度上がりますので、実際、非常にパワフルです。確かに、ループやロールも十分にこなせます。
ただ、機体重量が1350g程度だと、7セルでもループは出来てしまいます。この時の比較では、むしろ7セルの方がループしやすいのです。

RC2000は、1セルあたり約60gあります。ヘリの場合、バッテリーを腹に抱いていますから、1セル増えると重心が下がってきます。すなわち、メインローターの支点から離れたところに60g加算されるわけで、回転モーメントが大きくなるわけです。これが運動性、特にループのような演技に大きく影響するようです。
逆に、ホバリングの安定性は良くなります。

軽量な機体が可能なら、なるべく軽くして、7セルにする方が面白いと思います。非常に飛びが軽快です。
スケールボディをつけるなどして1400gを超える場合は、8セルでないとアクロは無理だと思います。


12.ショートマスト
SRになってロングマストになりました。旧型やオリジナルはショートマストでした。ロングの方がいいのでしょうか?

考察
ロングマストでホバリングしていると、エレベーター方向に不自然にゆすれることがあります。これは、機体重量に対してマストの強度が足りないせいだと思います。
これを嫌って、パロディ号はショートマストにしていました。ところが、最近、これが運動性に大きくかかわっていることに気がつきました。

ロングマストだとセルの考察と同じ理由で、重心が下がっているわけです。
7セルで比較的早い時期にループに成功したのは、ショートマストのおかげだったようです。

ただ、ショートマストにも欠点があります。
1.JRCのメインローターを使うとテールローターと干渉する。 <<< 20mmカットで対応。
2.ホバリングのすわりが非常に悪い。反面、運動性が良い。
3.テールパッコンしやすいので、着地に非常に気を使う。
4.ショートマストは売っていないので、ロングマストから切り出さないといけない。
などです。

とにかく、グリグリやりたい方は、ショートマストは効果があります。


13.シーソーへッドとフラッピングヘッド
Z12シーソーヘッドが発売されました。ずっとZ11フラッピングヘッドを使っていて不満は無かったのですが、各部にガタが出てきたのと、パーツが入手できないこともあって、Z12を使ってみることにしました。

考察
重そうなメタルのハブは樹脂製(EH121)に交換して、柔らかすぎるOリングダンパーは、ボイジャーのスペーサーを使ってコンセプト30用ダンパーゴムに替えました。(白石さん考案)

GP時代から、フラッピングしか使ったことがなかったので、シーソーヘッドは初めてです。

舵の効き具合は非常に良く、曖昧さはありません。
謳い文句通り、ループはやりやすいようです。

シーソーヘッドは、一度舵を打つと逆に打つまで止りませんね。
逆に、フラッピングヘッドは打ち続けないと止まってしまいます。

シーソーヘッドは、グリップベアリングに大きな力がかかる為、グリップのガタが出やすいように思います。スラストベアリングを使えばいいのでしょうが、このクラスではどうも・・。

Z12を使うと、-13mmカットマストのZ11よりショートマストでもメインローター面が10mm上がります。また、ヘッドの径が20mm程小さいので、JRCのローターでもカットする必要がありません。

慣れでしょうが、私はフッラピングのほうが飛ばしやすいです。Z11も再販してくれるといいのですが・・。
とりあえず、Z12に慣れるしかないですね。

2000.07追記
墜落してから、ミソスリが止まらなくなりました。ダンパーを変えたり、ノーマルに戻したり、シムを挟んで締めこんでみたりしてみましたが、ダメでした。
色々やっているうちに、ダンパーによってあまりにも不安定なので、Z11に戻しました。
このクラスには板バネ式のフラッピングヘッドが使いやすいですね。

Z11は、スタビのシーソーのリンク部分にガタが出ていましたので、Z12のスタビシーソーを取り付けてみました。
パーツはそのまま使えて、ガタがなくなりました。ベアリングも入ってさらに軽くなるので良いこと尽くめです。
Z11のセンターハブとフラッピングダンパ−を再生産すれば、再販できますねぇ・・京商さん。


14.ピッチリンゲージは前引きか後ろ引きか?
旧型のSRは、板ばね式のプラスチック製のヘッドでした。このヘッドでトラッキングを合わせるのはなかなか難しく、有効な手段として、ピッチのリンゲージを前引きにする方法が取られていました。
これは、前引きにすることによってローターがたわむとピッチが下がって自動的にローターへの負荷下げるデルタスリー効果を狙ったもので、私も、早い時期から前引きにしていました。
最近発売されたZ12ヘッドを使ったときに、ひどいみそすり振動に悩まされ、ほとんどの部品を交換してみましたが、効果がありませんでした。
ところが、高市さんや松本さんの機体ではほとんどみそすり振動は起こらないのです。機体を比べたところ、違いはお2人とも後ろ引きだったのです。その後、松本さんから前引きにしたらみそすり振動が起こったとの報告を頂きました。
早速、後ろ引きに変更してみたところ、Z11ヘッドでも時折起こっていたみそすり振動がまったく出なくなりました。

考察
ヘッドやリンゲージの剛性を上げていった結果、EPコンセプトの大きさではデルタスリー効果がハンチングを起こしているのではないかと考えられます。
したがって、Z12ヘッドを使用する場合は後ろ引きにした方が無難だと思います。


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