手持ちの
「09ディーゼルトリオ」に、
全て消音器がつきました。



完全自作カスタムメイドから市販品の改造まで、ここ半月で4種類かなあ。

まずは「オリバーカブ」!

 有名な割にはあまりよく回らないらしい「オリバータイガー」の小型版です。中国のCSが、イングランドから型ごと版権を購入したそうで、したがってこのエンジンは「CSカブ」なんでしょうね。
 同じイングランドのPAWエンジン同様全面排気のタイプですから、それらを全て覆う形式のマフラーが必要になります。
 COXのそれのような「ヘッド回りを外してとも締めするタイプ」のマフラーでも良かったのですが、排気口の高さは約5mmしかありません。こうなると排気の通路は狭くなりますので、シリンダーフィンの下から1段までを覆うことにしました。
 消音室側のマニホールドはフライス加工品ではありますが、内部の加工などは半分以上ヤスリがけになります。エンジン関連の逃げなどは大きくしすぎるとガタや排気漏れにつながります。結構慎重さが要求されますので、まあ、疲れましたわい。
 膨張室はディーゼルなので小さめ。固定は自作スプリングで行っています。このため、完全な気密は得られませんが、ビス止めを考えると、非常にコンパクトでキュートです。

 この構造形式はENYA10系用マフラーのパクリです。複雑な鋳物形状であったとしても、ていねいなヤスリがけで回避することができますので、お勧めの工法ですね。そうそう、ENYA10のシリンダーって結構細いから、いろいろ応用できそう。だれか、10マフラーで改造、やってみない?

最後は「ED」!

 とどめとして、市販品改造の最簡易版のご紹介です。ご覧の通り、FUJI099Jrの純正マフラーをED1.5ccに装着いたしました。加工部位は、クランクケースの排気口表側だけです。前後をヤスリで0.3mmづつ削り、角を丸めればエンジン側は作業終了。クランクケースのヘッドビス用のふくらみに当たる部分がありますので、マフラーのその位置を0.5mmほどづつ左右ともヤスリがけして作業完了です。加工時間は正味約10分。
 実はこの組み合わせ、加工する寸前に気が付きました。それまでこんなに寸法的に合致していたなんて考えてもみませんでしたし、単に「両排気のEDだから、Jrマフラーが付かないかなあ?」ってのりでした。偶然とは言え、笑いが止まりませんわあ。

 今回のマフラー騒動は、「飛行場確保のために小型ディーゼルエンジンにもマフラーを付けよう」という事柄が発端でした。個人的には小型ディーゼルなんか、ノーマフラーの全開でもグローのマフラー付き中速より静かだと思います。しかし、第三者にすれば騒音の音量ではなく、「なんだ、マフラーもつけていないのか。」になりますので、まあ、説得力のためみたいなものでしょうね。
 一般のマニアであれば、マフラーが付かないタイプだったり、純正マフラーが無いという段階でそのエンジンの使用を断念するでしょう。そのとおり、現行の市販エンジンを使用すれば何の問題もありませんしね。
 しかし、私はもちろん、D−DAYの多くの仲間達はその苦労を楽しみに変えてしまうことができます。偶然、とんでもない「楽」を発見することもありますし、多くの失敗は必ず「糧」になりますからね。

 市販品の改造から自作、手抜き版まで、約1ヶ月のうちに4種類のマフラーを作りました。これらは基本的に金属加工で行っています。今後は排気温度の低いディーゼルエンジンで木製マフラーや樹脂マフラーの可能性を追うことになるかもしれません。この案も、一人のD−DAY仲間の一言がきっかけです。「やらない理由」を捜すのではなく、「できる工夫」を模索する方が楽しいですからね。

(2007年4月5日)

チポラ1ccにもマフラーを作りました。