自分でも覚えていないほども所有している模型用エンジンですが、今回の製作でほとんどの私のエンジンにマフラーがついたことになります。


 このエンジン、結構昔のモデルで、厚木の某社の資料庫で見つけたものです。排気量は1ccちょっとでしょうか、分解していないのでわかりません。
 まるで自動車用のようなヘッドがみっともないので、小柄の飛行機用ヘッドを作るついでにディーゼル化いたしました。で、小型なので排気音も小さくてマフラーなど不要なのですが、世間体もありますので、今回マフラーを製作いたしました。
 排気口の周辺はCOXというかENYAの小型エンジンみたいな円筒形ですので、通常タイプのマフラーは装着できません。そのままCOXやENYA小型タイプを改造して使用するのが手っ取り早い様子。


 そうと決まれば手っ取り早く・・・・って行かないのが私でして。つまり、EDエンジンで手抜きをやりましたので、そうそう楽をするわけにもいきません。今回は違う形式のマフラーの構造を考えことになります。
 COXタイプのマフラーはシリンダーをゆるめ抜き、そこにマフラーを入れてとも締めするタイプです。ENYAの小型マフラーは2分割の独特な形状のものです。今回は通常つきそうにもない形状のノーマルマフラーを、既存の装着方法を取り入れて改造してみます。
 いちいちシリンダーをゆるめ外すのはアホくさいので、シリンダーを挟み込むタイプに決定するのは1/10秒で済みましたが、問題は2つのパーツをどのようにして正確に穴開けするかっていうことでしょう。
 でも答えは簡単。部品を組み合わせた状態で加工すれば正確ですね。直径φ16.95mmのシリンダーに対し、マフラーの取り付け部穴はφ16.90mmとしておきました。使用していて摩耗し、ちょうど良くなるかガタガタになるか、楽しみです。
 幸いややしまりばめで具合は良い様子。旋盤とフライス盤を用いたわけですが、製作方法は写真をご覧の上、ご想像ください。
 つまり、マフラー固定用ステー部は半円状なのですが、旋盤で円形の状態を旋削し、それを半分に切ってビス穴を明け、マフラーを固定してとも削りにしました。

 まあ、一般的には市販品の改造ですませるべきでしょうね。

 全面排気エンジンの場合、FUJI099Jr用みたいな左右振り分けマフラーが有効ですね、ENYAの小型エンジン用もしかり、排気が無理なく抜けやすいですから。
 しかしそれでは面白くありませんので、今回はチャレンジのつもりでした。固定はビスではなくスプリングの方がシリンダーを締め付けることなく好都合なのでしょうが、自分で製作すればぎりぎりの公差で仕上げられます。逆に言えば腕の見せ所って訳です、コストなんか全く無視できますから。

 だれしも考えることでしょうが、現在市販されているエンジンを、純正マフラーとともに使用すればなんの苦労も要りません。なんたって手間もかからずだれでも使用できますしね。

 私は個性のあるエンジンというか、面白いエンジンが好きです。思い通りに回ってくれるエンジンや、へそ曲がりで始動もしないようなエンジンも、同様に好きになるときがあります。つまり、性能よりも雰囲気で「好きな」エンジンを使用しています。そして、たまたまそのエンジンに付くスピナーナットが無ければ製作し、スロットルが無ければ製作し、マフラーが無かったら製作するだけです。
 市販のキットで気に入らなければ、自作するマニアもたくさんいますね。それと全く同じですから、別に驚くこともないのですが、さすがにエンジンをまるごと造ると変な目で見られますね。
 でも、様々な修行のおかげで模型飛行機の世界はなんとかなっちゃうって分かりましたし、工夫次第でその世界はとーっても広がりました。

 「無理だから諦めよう」も手段ですし「これで間に合わせよう」も解決策の一つですね。

 ・・・・・なんて格好付けているヒマがあったら、とっとと工作室を片づけようーっと。

 

(2007年5月2日)