VECO19作ってます!!
 「作ってます」って言ったって、中身だけですけどね。つまり、クランクシャフトとクランクケースだけ入手したので、残りのパーツを作りましょうってことになったのですが、これがやっかい。
 パーツの複製なら寸法で悩むことはありませんが、無い部品をはじめから製作するのですから、結局様々な寸法取りから設計までをやるはめになりました。
 写真左はスロットルバルブです。本体とドラム、ラチェットストッパーだけが既製品、バックプレートは旋盤で加工し、輪郭は手仕上げです。だって、VECOエンジンのクランクケースって、正確に左右対称・・・・じゃあないじゃないかあ!!ばかあー!!!
 もう何個も製作しているピストンは、始めてのデフレクター加工が入ります。クロスフローエンジンですからね。
 写真右はシリンダーです。旋盤に保持するための「くわえしろ」が残っています。給・排気のタイミングは面倒だったのでENYA19といっしょ!
 焼けそうなクロスエンジンですので、テーパーはやや大きくしました。全高が約50mmもあるので、今回の内径差は10/100mmほどになります。実際のピストン可動域としては3/100くらいです。
 写真左はピストンです。FC25を使用し、ヘール仕上げバイトで外径を整えています。回転数は80rpm。結構遅いのですが、写真では全開に見えます。
 このバイトを使用すると、切粉の量でおおよその切削量が分かります。最終仕上げは3/1000くらいずつ切削します。
 形状の都合上、ピストンは外径を仕上げたあとにデフレクター(ピストントップの板です。)を加工することになります。でも、こんなものを万力に挟むことは出来ません。一発で歪みますからね。
 そこで写真左のようなパーツをピストンにピストンピンで組み付け、穴の開いたアルミニウム板に差し込み、裏からナットでしめつけます。こうすれば外径にストレスがかかりません。もちろん、フライス加工はそーーっとやる必要がありますね。
 あとはピストンの仕上げとコンロッド、ヘッドだけ。他のエンジンのパーツも同時進行なので、ちょっと時間がかかっています。

(2006年3月28日)

 シリンダーヘッドは友人から分けてもらえました。それが到着するまでに排気系を仕上げます。このエンジン、排気口に排気スロットルがつきまして、その穴をそのままマフラー取り付けデバイスとしています。したがって下右写真のようなパーツが必要になります。熱せられたり曲げられたりで強度が必要なので、S45Cで製作しました。マフラー側はジュラルミン製で、やや大きめにしています。純正マフラーって小さく見えますけど、大丈夫かなあ?続きは
こちらです。

(2006年3月30日追記)