この、すばらしき御殿!

この21世紀の未来社会ではありますが、首都・東京と申しましてもまだまだ昭和の痕跡が残ってございまして。

ここでは、「えー!人が住んでいるの?!」という「御殿」をご紹介いたします。

東池袋御殿

 首都・東京都豊島区にぞびえたつ、サンシャイン60などの高層ビルの谷間に、この御殿は存在いたしております。

 写真では見えにくいでしょうが、自転車のサドルあたりから左にある、黒い鉄格子が入り口になっております。幅は約900mmってところでしょうか。

 10mほど右に移動しての写真です。つまり、入り込んだところの御殿なので、道路から狭い通路を通らなければいけないのですが、池袋の再開発に伴って取り残されてしまい、ごらんの通り、敷地以外は駐車場でふさがれてしまっています。

 土地を売る・売らないでもめていたのでしょうか。だれが悪いかなんて問題ではございません。この場合、改築も不可能でしょうね。もちろんこんな土地、駐車場の業者しか買いませんよ。

 おそらく御殿のお殿様が音を上げるまで、駐車場でごまかしているのでしょうね。そのうちすべてビルになるのでしょう。御殿だけ残してビルを建てると、日照権で問題になりますからね。

 さらに右に回り込んでの写真です。こちら側には通路は存在しません。奥も他のビルでふさがっています。青い波板で塀が形成されていますが、御殿の左あたりに白い扉が見えます。これは扉ですよね。ここからは出入り自由なのかなあ。すると、駐車場の地主とは仲が良いのかなあ。よけいな心配か。

 2階のベランダ(手すりか)が、一部修復されています。しっかりと直っていますので、プロの仕事でしょうね。このあたりからすると、「ワシは当分ここを売り払う気はないぜ」という気構えが感じられます。

 この御殿は、今までのものとは若干趣が異なりますね。単に古いというのではなく、「都会」に取り残された御殿なのです。今から40年近く昔、私は新宿駅の西口から少し離れた広場で、模型飛行機を飛ばしていました。そう、昔あのあたりは「淀橋」と呼ばれていて、一面広場だったんです。建物と言えば京王プラザホテルのみ。つまり、私が模型飛行機を飛ばしていた場所は、現在の東京都庁その場所なのです。

 池袋も同様の広場でした。この御殿のような建物がぱらぱらって言う状況だったのでしょうね。

 40年という歳月は、人間をはじき出してしまうようです。昼間は大勢居ますけどね。ただの通りすがりが。

御殿の住人、がんばれ!

その4はこちら。

(2009年11月28日)