この、すばらしき御殿!

この21世紀の未来社会ではありますが、首都・東京と申しましてもまだまだ昭和の痕跡が残ってございまして。

ここでは、「えー!人が住んでいるの?!」という「御殿」をご紹介いたします。

石神井御殿

 首都・東京都練馬区に、しかも「こういう御殿もありましたか」とうならせるのが「石神井御殿」。

 群を抜いていますね、なんたって全景が見えませんから。このツタの中に、青の波板(トタンです)で囲まれた御殿が鎮座しておられます。外板は木材。そう、星飛雄馬の生家をご想像いただければよろしいかと存じますね。

 外観からは四畳半・一間みたいな印象ですが、本当はどうなんだろう。奥方さまとお殿様しか見たことはありません。

 入り口の写真です。木戸なんですよ、しかも上下に隙間の開いた。かろうじて見える左側の窓にはブラインドがかけられていますが、ここだけ見ると「森の中の小屋」みたいですが、この御殿の周囲は普通の住宅地でして。写真を撮っているのは道路上なんです。ここだけ世界が違うみたい。

 私が自慢しても仕方ないのですが、「節穴(ふしあな)」があります。もちろん二重構造になっているのでしょけど、夜間は結構明かりが洩れてきますね。おお、巨人の星!

 私が首都・東京に戻ってから20数年が経ちますが、そのときからこの御殿がありました。最近御殿全体が傾いてますね。そろそろ危ないと思いますが、土地の面積が狭いけど、新しく家を建てられるのかなあ。

 とにかく、この21世紀の東京23区で、こんな御殿が、しかも私の家の至近にあるなんて。まるで夢のようですね。ちなみにこの「御殿」シリーズを思い立ったのは、この石神井御殿の隣にもっとすごい御殿があったからなんです。2階建てのそのアパートは三畳間が六軒くらい入った、トイレも流しも共同で、当然風呂も無し。玄関はゆがんで閉まらないし屋根は地震で崩れかかっているという完璧なものでした。しかし、うかつにも「まだ平気だろう」と思っていた三年ほど前に、いきなり取り壊されてしまいます。

 その自責の念で始めたコーナーですが、石神井御殿がいまだに健在なので・・・

御殿の住人、がんばれ!

(2009年11月28日)