香港の夜景を見下ろすピーク(山頂)展望台へはピークトラムで登ってゆくのが普通だし、楽しい。昇りながら、高層ビルが徐々に下に行き首が痛くなるほど急坂が続く。
でも、帰りはバスがいい。
1.急坂、急カーブの連続でジェットコースター気分が味わえる。
2.香港島南側の景色も楽しむことができる。木々の間から見える海も素敵です。
3.バスルートは香港島を南北に結ぶ峠道を通るので、かなり違った車窓風景が見られる。
4.往復は別の経路の方が面白い。
このような理由で帰路はバス、が好きです。山頂発のバスは路線バスが15が中環、15Bが銅鑼湾の天后駅行き(このほか週末運行の315)。緑のミニバスが中環行きの1番。
久しぶりのピーク眺望を楽しんで、映画「金枝玉葉(君さえいれば)」でレスリー・チャンがエリック・ツァンとが話し合っていたガラス張りのCafe
Decoでビール。カールスバーグ1/2パイント、HK$29。高いけど展望費込みならヨシ。隣のフランス人の呑み助がウルサイなぁ。
バスはこのCafe Decoのあるピークギャレリアの南側1階。23時を過ぎているのに、バス便の心配がないのが香港のいいところ。15番かミニバスの早い方に乗ろうとターミナルに出て行ったら、大型二階建に乗りたくなり、15番のバス停で待つ。さすがに深夜だけあって乗客はまばら。当然二階最前列に陣取る。昔は窓ガラスガタついていたりして、最前列は結構危ない感じがしたものだが、今は昔の話。
発車するとすぐにぐんぐんスピードアップ。ちょっと今日はスピードが速い気がする。山道だからバスがやっとすれ違える程度の狭い道で、木の枝がときどきバリバリバリッと前面窓と車体に当る音がする。はじめの内は緩いカーブの連続だったが、徐々に急カーブばかりとなる。しかも左右いずれかは、崖。ストン、と落ちてゆく空間を見ながら、高い二階席で急カーブを切ってゆくのは、どこか車体が浮いているような感じさえする。これは、かなり怖い。心臓の弱い人や、多少酔った人はバスはやめにしたほうがいいかもしれない。
司徒拔道をかなり進むと、ハッピーバレーの谷間がかなり昇って狭くなったところに出る。ここを南に進めば黄泥涌峡の峠だ。1941年12月に日本軍が侵攻して英軍と激戦になったところでもある。このバスはここで左に急角度で曲がり湾仔に向かって降りて行く。ハッピーバレーの谷間に林立する高層住宅が段々高く見えるように、バスは急降下を続ける。そして、クイーンズロード(皇后大道)に出ると突如として香港の市街地を走る普通のバスのフリをして、セントラル見向かって疾走するのだった。私は金鐘で下車。20分ほどの目の回るような旅だった。
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