ホリスティック休養学

実践の目的と方向性――休養・睡眠を自然法則に一致させ、自然界と調和状態にする

ホリスティック休養学は、「休養・睡眠」の健全化を目指します。休養・睡眠の健全化とは、休養・睡眠を「自然法則」に一致させ、自然界と調和状態にすることです。物質文明が著しく発達した現代にあって、人々の心は“物欲”に支配され、それが強いストレスを生みだし、さまざまな病気が引き起こされるようになっています。

人間の幸福は物質的な豊かさによってもたらされるものである、という間違った考え方が地球上を覆い尽くし、人々を経済的発展へと向かわせてきました。それは地球人類全体が、霊的・精神的に未熟な段階にあることを示しています。個人から国家に至るまで“物質中心主義”に支配され、モノとカネの亡者になって、人生の真の目的を見失っています。現代人の「肉主霊従(肉優位)」の傾向が休養や睡眠をきわめて不自然な状態にし、肉体を痛めつけることになっているのです。

健康を維持するためには、「十分な休養・睡眠」が欠かせません。休養・睡眠によって身体の疲れが取れ、体調をリセットすることができます。よく休むことで心身の傷が癒され、霊的エネルギーを充電することができます。心身を使い過ぎるとエネルギーが涸(か)れ、疲労感や苦痛が生じますが、それは休息が必要であることを知らせる心身のサインなのです。

しかし、物質的な豊かさを追い求める多くの現代人は、心身が発するサインを無視し、無理をして不自然な生活を続けています。十分な休養・睡眠をとることは、人間が自然界と調和した生活を送るうえでの大原則です。過労(オーバーワーク)といった摂理から外れた不自然な生き方が病気を招いているのです。

必要な休養・睡眠をとれるようにするためには、一人一人の“心の変革”が不可欠です。人生観・価値観の根本的な変化がないかぎり、十分な休養・睡眠をとることはできません。「人生は霊的成長のためにある」と考え、物質面での生活レベルを下げて心の豊かさを優先しないかぎり、休養・睡眠をしっかりと確保することはできないのです。物質的な富者であることを求め、精神的な貧者になってはなりません。物質的には質素であっても、精神的に豊かであるなら、それでよいのです。「ホリスティック休養学」は、こうした人間の生き方や価値観という内面の問題にまで言及しています。


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