鎌倉・東京 2009

東京国立博物館での「皇室の名宝展」、若冲の動植綵絵との再会が目的。
ついでに鎌倉に立ち寄り、葛西善蔵の墓にもお参りしよう。

10/14(水)
 名古屋駅9:22のひかりで10:14小田原着。東海道線に乗り換えて大船から北鎌倉へ。11:30ころ。
 北鎌倉は30年ぶり以上だが以前とあまり変わらない感じ。平日でもけっこう観光客がいる。
 まずはかまくら陶芸館に入り、2階で昼食。けんちん膳1600円。鮪や地物野菜、自然を生かしたお味。

建長寺

 12:30には建長寺境内へ。仏殿へお参りし、法堂の龍を眺めた。
 葛西善蔵が住んだ宝珠院は非公開で、建物も昔とはちがう様子だったし、庭もわからなかった。
 おせいさんがおかもちを持って上った石段も上部分は昔のままなのか、想像するしかない。

 奥へしばらく歩いて回春院へ行った。墓所は手前の右上で墓はすぐにわかった。
 弘前から分骨された墓には、おせいこと浅見ハナや北川清蔵も眠っていた。


建長寺回春院にある葛西善蔵の墓             藝術院善巧酒仙居士

 葛西善蔵は昭和3年に亡くなっているが、
   北川清蔵  種徳院竹堂清節居士   昭和38年3月23日 76才  (墓石の裏側にひっそり刻まれていた)
   浅見ハナ  誠徳院華雲静照大姉   平成4年12月30日 92才
 とあった。
 葛西善蔵に翻弄された、あるいは自ら選んだ人生だったのだろうが、それに相応しい戒名だと感心した。


建長寺回春院

鎌倉文学館

 鶴岡八幡宮の境内を通り、鎌倉駅へ。観光客がいっぱいだ。
 江ノ電で由比ガ浜下車、ちょっと歩いて鎌倉文学館へ。
 鎌倉文士の手紙の特別展では、太宰治が川端康成へ芥川賞下さいLETTERが愉快。字も今どき風だ。
 渋澤龍彦のフランクフルトの美術館とはシュテーデルのことかしらん? グリューネヴァルトがあったかな?
 林不忘の丹下左膳の原稿はすばらしく生き生きしておもしろかった。
 鎌倉文学館は建物自体がレトロで素敵、さすがに旧前田公爵別邸だったわけだ。


10/15(木)
 6:30に起床。
 7:30には本館39Fで朝食。名前こそビュッフェだが内容はたいしたことなし。サービスもダメ。
 8:50にチェックアウトし、JRで上野へ。

東京国立博物館 平成館 「皇室の名宝」展



 9:25には東京国立博物館へ入門。平成館へはすでに列ができている。
 9:35に若冲の動植綵絵に到達。

 しばらく「
雪中錦鶏図」と「池辺群虫図」に浸った。
 あっというまに見物人であふれるが、なんとか「
群鶏図」や「紫陽花双鶏図」など見てまわった。
 若冲の鶏はほんとうに力が入っていて、構図や細部も見事だ。単眼鏡を使用してじっくり鑑賞した。
 この単眼鏡は4倍で100%満足ではない。それでも肉眼とはまたちがう見え方がうれしい。
 同じ部屋に展示されている「旭日鳳凰図」がまた感動的だ。鳳凰の神々しさ!頬の産毛まで微妙なタッチ。

 若冲の軸物はイラスト的というか着物の図案的というか、とにかく現代風だ。
 見れば見るほどすばらしい!

 他にも北斎の「
西瓜図」がユニーク。
 上村松園の「
雪月花」は清廉な空気感で、これまたタメイキが出る。
 そして平福百穂の「
玉柏」1928がこれまたなんともいえないグリーンの世界だ。平和象徴の二羽の鳩など清冽画面。
 象牙をつないだ「
官女置物」1901は十二単の柄が浮き出てすばらしいできばえ。リーメンシュナイダーに迫るかしらん?

 ざっと見終えたのが11:00。それからまた行きつ戻りつで13:00にようやく東博を出た。

 公園内で,もひとつのテンジャンチゲ1000円で昼食を終える。
 このあと当初の予定では表参道へ移動し、新装オープンした根津美術館へ行くつもりだった。
 だが木曜午後に黒田記念館が開いているとわかり、、また東博方向へもどった。

黒田記念室

 東博の北角には京成のレトロな駅跡があり、道を隔てて北隣りの赤煉瓦の建物が黒田記念館だった。無料。
 2Fに有名な「湖畔」が展示され、科学的解析説明もあった。
 黒田清輝の絵がけっこう多く公開されていたが、一番気に入ったのは「昔語り下絵〈仲居〉」だ。
 紺系の縦縞柄の着物でキセルを手にした座り姿。全身から漂う気だるい雰囲気。この女性の生活感や人生を想像させる。よい!

 上野公園内の東照宮へお参り。工事中だが門はさすがに何度見てもすばらしい。
 手前左の階段を下りて、ひなたぼっこしている猫と遊ぶ。

下町風俗資料館

 不忍池沿いに歩いて、下町風俗資料館へ。300円。
 1Fには昔(明治大正昭和)の庶民の家が再現。商店や民家など。長屋の説明も興味深い。見学者もちらほらいる。
 2Fには浅草オペラの企画展。田谷力三の写真パネルやポスターの展示。
 玩具コーナーにはお手玉があり、50年ぶりに手に取った。手動のパチンコ台まであった。

 16:00をまわったので、JRで神田乗り換え新宿に移動した。
 スバルビル横から17:00の高速バスに乗り名古屋へ向かう。3400円はありがたい。
 2回休憩して22:10には名古屋駅着。


▲宿    
品川プリンスホテル             朝食付シングルで7500円
    品川駅前で便利だし朝食ビュッフェ込みで7500円というので泊ったのだが・・・・。
    東館16Fだが窓は細くて眺望はただの採光部分。部屋はきれいだがバスルームは狭い。
    問題は朝食のサービスの悪さ。朝の忙しい時間に席に案内されるのに10分以上待たされるのだ。
    朝食内容もジュースは補充されていなくて1種類のみ。パンの味ももひとつだ。


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