セントレアのデッキ
1/10(火) 名古屋→成田→ミラノ
いよいよ9回目のイタリア旅行へ出発!
7:00前にセントレアに到着。7:30朝食。デッキの見学などする。
8:50成田行の乗り継ぎ便JAL054。クラスJは快適だ。
10:00ころ成田第2ターミナルに到着。雨だ。バスで第1ターミナルへ移動。時間があるので本屋など物色する。
11:30鰻丼と迷ったが、ざる蕎麦500円の昼食。
定刻13:55のJL5061はアリタリアの運航で、14:00すぎに離陸した。
エコノミーは70%くらいの混みようだった。
隣りは空席だったのでラクだが、名古屋→成田のクラスJと較べると雲泥の差だわ。
アリタリアはたいしたサービスはないが、セルフの飲み物とかで気楽。
着く前の軽食にハーブ入りの温かいパンが美味だった。スプマンテもなかった。
映画はアマルフィが舞台の「A Good Woman」を再見。
ヘレン・ハントの女っぽさが際立っていた。
声というか話し方というか、目つきやしぐさに色気がある。それに背中が美しい。
かえって若妻のカタさを引き立てている感じがした。
それにしても爺さんたちの井戸端会議、
チワワ好みのコンテッサ(??)や、覗き趣味の少女とか、脇が個性はぞろいで、映画の奥行きを出している。
今回気づいたが、夫役はなかなか正統派のハンサムだった。
定刻より早く、18:00ころマルペンサに到着した。入国検査はスムーズ、荷物も早く出てきた。
荷物を待つ間に両替所をのぞくと、1ユーロは154.3円ととんでもなくひどいレート。
成田の出発フロアでは146.4だった。(私は名古屋の金券ショップで145ちょっとだった)
昨今は日本国内である程度、替えていくほうがよさそうだ。
外はぜんぜん寒くない。拍子抜け。
バスにチェントラーレ?と確認し、5ユーロのチケットを買って乗り込んだ。
18:35ころ発車したバスは満席。日本人のビジネス系おじさん4人や家族連れの個人客がほとんどだ。
車窓は夏とちがって真っ暗だが、雪の降った形跡はなかった。
凍てついたミラノを予想していたので、ホント、来てみないとわからないものだ。
19:30ミラノ中央駅に着いた。
カートを引いて、ホテル・サンカルロを探した。ナッポ・トリアーニ通りの入口すぐ左だった。
パスポートとバウチャーを出してチェックインした。パスポートはコピーしてすぐに返してくれた。
部屋はダブルベッドが半分を占めている。暖色系のインテリア、ヒーターが効いていて暖かい。
セーフティボックスがないくらいで、あとは完璧。クローゼットやミニバーもちゃんとしていた。
バスルームはガラス戸で固定シャワー。ビデあり。
唯一の難点はシャワーヘッドがお湯が拡散しないこと。ボタボタ状態。量と温度はまともなので、まあよしとしよう。
これで7010円なら十分だ。
シャワーを浴びて、22:00ころには就寝。
1/11(水) カラヴァッジョとヨーロッパ展 ミラノ→ピサ
6:30起床。あまりよく眠れなかった。
7:20朝食へ。ロビー上の中2階が朝食室。ロケーションはよいが食事内容は貧しい。
薄いジュース、粉っぽいコーヒー、シリアル、パサつくチョコケーキ。ましなのはパンくらいだった。
客は西欧系が数組。ビジネスが多いかも。
8:45チェックアウト。
荷物は預かってくれるが、ロビーの階段下に置けという。レセプションから目が届かないし、盗難の危険もありそうな場所だ。いったんホテルを出たが、またもどって持って行くことにした。
やはり、レセプションの中とか専用の荷物室でないと安心できない。
ミラノ中央駅に行き、荷物預け場所を探した。2F出発ホームの反対側にあった。
なんとパスポートを渡し、3.8ユーロの基本料金を払うのだ。5時間まで。あとは1時間ごとに0.6ユーロ加算。安全も金で買うのだ。9・11以来まったくヤナ感じだわ。
1Fに下りて、自販機で夕方のピサへのチケットを買った。
16:00発のが乗換え無しだった。
地下鉄へ。自販機はほとんど故障中だ。10台以上あるのに! 整備くらいしろよ。
使える自販機の前には、怪しいジプシー系の若い女がビリエット?とか言ってのさばっているのだ。全く!
小屋的窓口でチケットを買った。1ユーロ。
3番線でドゥオーモへ。
地下鉄通路にもカラヴァッジョ展のポスターが!
地上に出ると、空気がすがすがしい。
ドゥオーモのファサードは工事中でシートで覆われていた。
隣りのパラッツォ・レアーレへ。9:30のオープン前にもういくつかもの団体が来ている。
数分待ってチケット購入する。クレジットは不可だった。
12ユーロで「カラヴァッジョとヨーロッパ展」
イタリア人の団体の多いこと。中高生のグループも多い。カラヴァッジョはイタリア人にとって国民的画家なのね。
オーディオガイドの貸し出しカウンターには数十人が順番待ちだ。
これはもう、目で見ることにしよう。
入ってすぐ裏の壁に「眠るアモール」・・・この絵のみガラスで覆われていた。
黒っぽい画面の奥行きがよくわからない。残念。
画集のそれよりはやせている印象だ。顔とおなかがポイント。
他の絵はすべてガラス無しだったので、「眠るアモール」は国宝級なのか?
その向かいに「ロレートの聖母」があった。
位置を変えてずっと眺めていると、この絵の凄さがじわじわと染みわたってきた。
左上のマドンナとキリストがすごく神々しいのだ。
その肌の白さ、無垢というか、やはり神の存在そのものなのかも。
そして右下の2人。
すがるような祈りの心がひしひしと感じられる。
この絵が当時のローマの民衆に熱狂的に受け入れられたということが、とてもよく実感された。
あの貧しげな裸足の二人はこの絵を見る庶民そのものなのだ。
なにかにすがりたい、という一心な気持をとても切々と表現している。
カラヴァッジョは自分自身は暴力的で自堕落な生活を送っていたが、
時代を見る目が天才的に冴えていたのだ。
そして、それを具現する筆の力も神がかり的な才能だったのだろう。
それにしても、
実際のマドンナのモデルになったのが、
カラヴァッジョの愛人のレダだかマダレーナだという娼婦だというから、驚きだね。
まったく「ロレートの聖母」はすばらしかった。
写真で見るのとは別物だった。
次回は、
この絵がじっさいにサン・アゴスティーノ教会の礼拝堂に掲げられているところを見てみたい。
「書物をする聖ヒエロニムス」はとても静寂感あふれる絵だった。
バックが暗いせいもある。
リベーラの同じ主題の絵と比較すると、いっそうそういう感じがする。
リベーラの絵にはなぜかライオンが左にいた。???
次室は大作ぞろい。
「ラザロの復活」はとても大きい。
ラザロの左腕の硬直状態は目立つ。
赤っぽい服のキリストは顔がよくわからないため、とても人間離れしていて、その指し示す指先は強い。
「聖ルチアの埋葬」もでっかい。
中央から上のもやもやは何? 土煙?
右手前の墓掘り人がとても大きくて、遠近感がリアルだ。
聖ルチアというより、赤い布を方からたらした中央の男性が、この絵のメインみたいだ。
「羊飼いの礼拝」はもひとつよさがわからなかった。
リベーラの絵は点数が多く出ていた。
だがやはり、プラドやらのスペインものにいい作品があるように思った。
カラッチョーロもあったが、たいしたことはない。
カラヴァッジョが当時の美術界にいかに影響を与えていたかが、再確認できた展覧会だった。
それにしてもこの展覧会は9:30にオープンだが、10:00前になると押すな押すなの大盛況だ。
どんどん団体グループが入ってくる。
絵の前でガイドが説明。あとはオーディオガイドで個人観賞。
中学生から年配者までイタリア人がいっぱい。
開館と同時に入って大正解だった。
土日はチケット売場は長蛇の列らしい。
ドゥオーモもちょっとのぞいた。
警官が入口で手荷物検査をしている。ほんとにいやな時代になったものだ。
ダ・ヴィンチに挨拶して、スカラ座を右へ歩いた。
12:00セルフのブリークでランチ。
オリーブや豆、野菜いっぱいのサラダ 生ハム パン 赤ワイン カプチーノ 9.25ユーロ |
12:30過ぎになると、ミラノのビジネスマンたちが連れ立ってランチに入ってきた。
みんな意外と軽めの食事だ。飲み物は水の人がほとんどだった。
ここのサラダバーはとても種類が多く、凝ったサラダ(ズッキーニのオリーブ和えとか)がたくさん
歩いて市立近代美術館に行ってみた。またしても見ることができない。
今回は完璧に休館だった。
おととしの7月からずっと工事中なのだ。いつになったらセガンティーニを見ることができるやら・・・・。
また歩いて引き返し、ブレラ美術館へ。
午後になっても気温は低いまま。かえって寒いように感じる。
美術館内も、中は暑いが外は冷え冷え。
5ユーロでブレラへ入る。
「エマオの晩餐」はパラッツォ・レアーレ出品の予定になっていたが、ここにあった。
すごく静かな絵。
14:00
疲れてきたので、駅へもどることにした。
荷物預かりへカートを取りに行った。
6時間ジャストの時間に行ったつもりだが、3人くらい待ったので数分超過した。
つまり、1時間超過のつもりが、2時間の超過料金を請求されたのだ。
バーコードで時間処理なので2分でも1時間分取られるのだ。
ほんと、イタリアもせちがらいわ!
電車は何十分と遅れても平気なのに、荷物預かりの2分は許されないのだ。
0.7ユーロ払ってトイレに入る。
1Fのスーパーで水とジュースとチョコレートを購入した。
2Fの待合室でしばし休憩する。到着翌日の午後はいつもながら疲れが出る。
ちょっと列車を間違えそうになったが、なんとか16:00発に乗り込んだ。
指定の席のコンパートメントは混んでいたので、隣りのコンパートメントに座った。ジェノヴァあたりでその席の主が来たので、正しい席にもどった。けっこう混んでるかも。
17:00くらいが日没。夕日は美しいが、風景はこれ以降楽しめない。
列車の旅は明るいうちが車窓の楽しみがあるな、と実感した。
スペツィアあたりで客はまばらになる。
列車が遅れているどうのと隣近所の年配女性がにぎやかだ。ちょっとあせった。
だが、ほぼ定刻の20:12過ぎにピサ・チェントラーレに到着した。やれやれ。
予約していたホテル、ラ・パーチェは駅のすぐ前にマークが出ているので、すぐにわかった。
即、チェックインし、20:30には夕食のために外出した。あまり寒くはない。
ガイドブックに出ているLa Schiaccianociがすぐ近くなのでそこにする。
けっこうにぎわっていた。
ハウスワインはLIBAIO、シャルドネ・ハーフサイズ。
リゾット・ネロはとっても美味しかった。イカの身もたくさん入っていた。
スズキのオーブン焼きはオリーブの実が味を引き立てていたが、鱗が多くて苦労した。
デザートのプリンは粉っぽくて失敗だった。
あとはエスプレッソ。
これで、30ユーロは良心的だ。
冬のトスカーナ・スケジュールへ ピサ、ルッカへ進む→