ノンストップヒーロー!
             第14話

 
 
「やったぁ!外よっ!!」
 
ザルによって捕らわれた暗闇から、カノトは抜け出した喜びを両手を挙げて喜んだ。
しかも、その目の前にはさっきの生贄二人が並んで立っているではありませんか!
 
(よっしゃあ!今日はついてるぅvv)
 
カノトが満面の笑みで一歩踏み出そうとした時。
ぐわしっ!
と、カノトは両腕を捕られました。
はっ、として両側を見ると、元は仲間だった正義のヒーロー・ギルとカインが
無表情のままで、あれよあれと言う間にカノトの腕を拘束してしまいました。
 
「あら?」
 
カノトは不思議そうに、己の両手にくっ付いている手錠を眺めています。
 
「まあ、犯罪者は犯罪者っぽく、って事で。」
 
カインがぽんぽんと、カノトの肩を叩きながら、朗らかな笑みを浮かべて言いました。
 
「ああ、これでやっと世界は平和になるんだな。」
 
両手を胸の前で組み、感激の声を上げる悪の秘密結社の幹部の一人・リーヴァ。
その感極まった声に、回り一同はよりいっそう同情したとか、しなかったとか・・・。
 
「しかし、カノトをこのままにしておくわけにはいかないだろう。」
「まあ、そうだよな。このまま置いといたら逃げるだろうな。」
「それならば、どっか閉じ込めとくか?」
 
アーク・ギル・クガイがカノトの保管方法について考え始めます。
あっさりとカノトの人権は無視されていますが、まあ、今までカノトも同じ事をしていたので仕方ありませんね。
さて、どうしよう。と六人が頭を悩ませていた時でした。
 
「おーい!ギルー!カインー!」
 
公園の入り口から、カノトの後を追っていたラティスと、別の場所で囮を張っていたレアンが集まってきたのです。
 
「お疲れさーん。」
 
カインが片手を上げると、レアンは答えるように片手を上げ、ラティスは小走りでギルとカインの側に近づいて来ました。
 
「カノト捕まったんだ。良かったねぇ。」
 
子供の邪気のない言葉に、何だか癒されるような気がするリーヴァです。
 
「それで、この周りの人に迷惑を掛けすぎたおばさんはどうするの?」
 
レアンの問に、答えられる人はおらず、ただ首を捻るだけでした。
するとそこへ、ラティスがこう言ったのです。
 
「カノトの杖で、カノト自身を閉じ込めちゃえば?あれって、中からは出られないんでしょ?」
 
ナイス考えです。
周りにいた皆も、カノトを含め、ポン!と手に手を打ち付けています。
そして・・・。
 
「で、誰があの杖使うんだよ。」
 
ギルの一言で固まる一同でした。
 
 
 
 
 

           帰る。    進む。