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有機液肥一斉テストコーナー...思い付きで始めてみました。ちょうど大きさの揃った苗木があったので良い機会です。

 
市販の液肥をテストしてみるコーナーです。とりあえず手元にあった4種+1種を比較してみました。

1回目3月25日 2回目4月22日 臨時5月16日 3回目5月23日 4回目6月17日 まとめ...6月27日(終了)

実験方法に関しての確認事項
 この実験に関しては、実験方法等に関して、いくつかの問い合わせをいただいています。代表的な質問に対してお答えします。
@ この実験の目的は一般に追肥として液肥を用いる場合を想定した実験です。元肥は2月に骨粉入り油粕を各鉢15g程与えています。
A 各実験区のサンプル数は各4本です。地上部の高さは4本の平均値、Brix値は代表値となります。本来は各10本以上は欲しいところ。
B 各実験区では実験液肥を希釈して窒素全量を同一にしてテストしています。当然ですがNPK全てを揃える事は不可能です。
C 観察期間はHB101添加区で9週間、他は13週間です。本来は1年以上は観察を続けるべきと思いますが樹が大きくなるのでギブアップ。
D このテスト結果は参考程度と思って下さい。もっと厳密で正確なテストや別の液肥テストを希望される方は、ご自身で追試願います。
 問い合わせをいただく場合は、以下にも書いてきましたが上記項目を理解していただいた上で、お問い合わせください。

ペンタキープV...ブルーベリーハウスさんからの試供品、5-アミノレブリン酸という光合成・代謝促進作用を
         持っているという肥料です。メーカーサイト http://www.pentakeep.com/

ハイプログリーン...動物アミノ酸有機液肥です。根の弱いイチゴの栽培にも使われるそうで、実際に葉色が
         良くなったり、実の糖度を高めて美味しくなる効果が期待できるそうです。

液体肥料...ホームセンターコーナンの液体肥料です。他製品との比較用に使ってみました。安価な製品です。

アグリボEX...昨年我が家で使って調子の良かった製品です。発根促進、徒長抑制、光合成促進、耐病性の
       向上等、好結果が期待できるようです。メーカーサイト http://www.agrevo.jp/

HB-101...あまりに有名な(株)フローラの活力液です。窒素分が無いのでアグリボEXに混ぜて使ってみました。 

製品の紹介はいろいろと良いことが書かれていますが、実際のところは...というレポートをしてみます。
テストに使う苗木は今年で3年生のStar (フロリダスター)とOzarkblue (オザークブルー)を各4本ずつ×5種と
いう計40本です。本数があるので趣味栽培としてはある程度は根拠のあるテストができそうな感じです。

テスト条件は窒素分を揃えた上で、最低でもメーカー推奨に薄めています。ペンタキープVが3.000倍以上と
されている為、例えばハイプログリーンは2.000倍〔メーカー推奨300〜500倍〕となっています。散布間隔は
天候との兼ね合いですが、7日〜10日に一回、鉢底から流れ出すまで葉面・株元に散布します。窒素量は
合わせているものの、メーカー推奨値から大きく離れるハイプログリーンには、少し不利かもしれません。

初回散布は2004年3月25日〔木〕です。参考までに各グループ毎に地上部の大きさ〔高さ〕を約1ヶ月毎に
測定していきます。その他特徴的な変化が出てきた部分等は随時レポートしていきます。

以下テスト結果とコメントです。

まとめ...2004年6月27日

3月25日以来、3ヶ月程に渡る比較テストが完了しました。毎週、40鉢ですが予想以上に大変という感想です。

成長に関して

地上部の高さ ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 28.0cm 28.75cm 29.0cm 28.5cm 35cm
Ozarkblue (オザークブルー) 27.5cm 25.5cm 27.25cm 27.5cm 39cm

3月25日(開始時) ※ アグリボEX+HB101区は4月22日からの計測になります。

地上部の高さ ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 49.5cm +77% 47.5cm +73% 47.5cm +64% 52.5cm +84% 43.5cm +24%
Ozarkblue (オザークブルー) 35cm +27% 33cm +29% 38cm +39% 33.5cm +22% 46cm +18%

6月17日(終了時) 赤い数字は地上部の成長率です。※アグリボEX+HB101区は4月22日からの計測になります。

3月25日〜6月17日間の成長具合です。Star (フロリダスター)ではアグリボEX区の成長が最も良く、液体肥料区が
やや劣っています。液体肥料区では1本も花芽が無く結実しなかったのですが、それにも関わらず成長が劣りました。
他の区ははっきりとした成長の違いは感じられませんでした。葉色等に関しては成長段階の途中でペンタキープVが
やや葉色が良かった時期がありましたが、現在はどの区も良好になっています。

Ozarkblue (オザークブルー)は液体肥料区が成長が良いようです。逆にアグリボEX区の成長はやや劣ります。
成長段階の途中では液体肥料区の新硝がやや茶色を帯びることもありましたが、現在は問題ありません。
やはり肥料の違いで極端な差異は認められないというのが実感です。

両品種を比較した際には不思議なことに、Star (フロリダスター)はアグリボEX区が、Ozarkblue (オザークブルー)は
液体肥料区が成長が良く、まったく逆の結果になりました。成長が劣った肥料も全く逆で興味深いところです。
またStar (フロリダスター)は全般に調子が良く、Ozarkblue (オザークブルー)は全般に葉色やシュートの伸びも
もう一つで、両品種の樹勢や適応性の違いがはっきりと現れました。幼木の段階のみかもしれませんが、
Ozarkblue (オザークブルー)は栽培が難しい印象です。

果実に関して

Brix比較(完熟時) ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 15.3 13.4 NA 12.9 14.3
Ozarkblue (オザークブルー) 15.1 13.0 13.6 13.8 13.1 

両品種の果実のBrix値を測定してみました。全て完熟時の比較となります。数粒を数回測定して安定して出て
くる値としています。全ての果実を測定した訳ではないので代表値と考えてください。

Star (フロリダスター)に関しては、ペンタキープVがBrix値は良好な結果でした。他の比較区に対して確かに
高い数字が出てくるようです。味覚の傾向は同じでどの区も大きな違いは実感できませんでした。
果実の肥大に付いてはアグリボEX+HB-101区がやや大きくなる印象。

Ozarkblue (オザークブルー)に関してもペンタキープVがBrix値は良好な結果でした。やはり他の比較区に対して
高い数字が出てくるようです。味覚に関してはアグリボEX区、アグリボEX+HB-101区が風味が強く感じられ
数字以上に美味しくなりました。

成長に関しては違いが見えにくかったのですが、果実に関しては結構違いらしいものが感じられて面白い結果
です。ペンタキープVはBrix値が全般に高く、やはり味が濃く美味しい印象です。アグリボEXは風味が強まるようで
HB-101添加区では更にその傾向が強まりました。果実の大きさもHB-101添加区がやや大きくなるようで、
HB-101の効果が出ているのかもしれません。

結論

成長に関しては肥料分(窒素)を揃えていれば、どの肥料でもそれほど顕著な差はないようです。ただし今回は
ほぼ有機液肥(コーナンの液体肥料も微量要素が添加されている)ばかりなので、化成肥料等では変化する
かもしれません。ただし品種により最適な肥料は異なる可能性があることも判りました。

果実に関しては思った以上に差が認められて面白いものです。肥料により美味しさは確かに変化するようで
好みの味を出す肥料を探すというのもマニアックで面白いかもしれません。今回の結果ではペンタキープV区や
アグリボEX区、アグリボEX+HB-101区が好結果ということで、やはりお金がかかっただけは違うかなという
印象です。ハイプログリーンは悪くはないのですが、メーカー推奨値から大きく離れたため今回は不利だった
かもしれません。全体としてかなり興味深い結果になりました。

最後に...面白かったけど疲れました。3年生は大きすぎて大変。来年からはきっとやらないでしょう(笑)

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6月17日〔木〕

 
成長して果実を付けたフロリダスター(左)とオザークブルー(右)、葉色は濃い緑で生育良好です。

ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 49.5cm 47.5cm 47.5cm 52.5cm 43.5cm
Ozarkblue (オザークブルー) 35cm 33cm 38cm 33.5cm 46cm

↑6月17日〔木〕現在、各4本の平均値 アグリボEX+HB101区は4月22日からの計測になります。

13週間が経過しました。スター区ではかなり樹が大きくなったことや、両品種とも果実の雨避けの為等で、
栽培場所を移動しているため、正確な比較とは言えなくなってきています。そこで果実のBrix値を除いては
今週で終了させていただきます。

数字を振り返ってみると、面白いことにスターとオザークブルーで好む肥料が異なっているような気がします。
ただし、見た目はスター区ではどれも元気一杯。オザークブルー区ではどれも生育はもう一つと、特別な
特徴は見えません。シュートの出方等に関しても目立った特長はありません。果実の収穫が終わったら
まとめて解説したいと思っています。

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5月23日〔日〕

 
かなり繁ってきたので間隔を空けています。右は色付き始めたハイプログリーン区のスター、直径15oほど

ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 35cm 36cm 37cm 36.75cm 40.25cm
Ozarkblue (オザークブルー) 32.25cm 34cm 33.25cm 30cm 40cm

↑5月23日〔木〕現在、各4本の平均値

9週間が経過しました。数字的には伸びていない感じですが、果実が肥大して枝が垂れ下がっているため
こうした結果になってています。シュートの出方はスターではあまり差を感じませんが、オザークブルーでは
ハイプログリーン区が果実を着けているにも関わらず平均して調子が良いようです。使っている液肥の違い
ではありませんが、スターの方がオザークブルーに比較して明らかに樹勢が強いようです。
 04.5.23

これまでは40本を並べて栽培条件をそろえていますが、かなり大きくなってきたことや果実が着いた苗木を
雨避けハウス内に移すことから、今後は若干条件が変わってきます。
04.5.23

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5月16日〔日〕

 
〔左〕ペンタキープV散布 〔右〕ハイプログリーン散布 写真はStar (フロリダスター)

写真ではうまく色が判り難いと思いますが、やや変化がありましたので報告です。Star (フロリダスター)では
ペンタキープVを使っている苗木は、平均して葉色が濃くなっています。後の4つについては違いは明確で
ありません。Ozarkblue (オザークブルー)では新哨の葉色に顕著な違いが見られ、液体肥料を使っている
苗木では、やや茶色を帯びている新哨が他の4つについては茶色を帯びていません。特にペンタキープVを
使った苗木は良好な葉色をしています。ここまでのところペンタキープVが好結果という感じでしょうか。

ペンタキープVはBlueBerryHouseさんが昨年比較実験されていましたが、成長途上のいくらかの時期では
葉色が濃くなる等の違いがみられ、その後違いが判らなくなっていったというレポートでした。今回の比較
実験でも同じ結果を辿るのか興味深いところです。

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4月22日〔木〕

  
花が終わりかけて葉の展開が進んでいます。葉色はどれも順調そのもの。右はフロリダスターの幼果。   

ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX   アグリボEX+HB101
Star (フロリダスター) 32.75cm 32cm 35.5cm 34.25cm 35cm
Ozarkblue (オザークブルー) 32.75cm 30.75cm 31.5cm 30cm 39cm

↑4月22日〔木〕現在、各4本の平均値

最初の4週間が経過しました。時間差はありますが、両品種共に半数程度が開花しています。当然開花した
苗の成長は未開花苗に比べると劣ります。各4本のサンプル中2本前後は開花していると考えてください。
またHB-101のサンプルを入手したので、測定対象から外していた同じくアグリボEXを使用していた各4苗に
6.000倍程度で混ぜてみました。今後に違いが出るか興味深いところです。

1ヶ月程観察していますが、いままでのところ際立った違いは確認できません。葉色等もどれも良好という
感じです。今後糖度計を導入する予定なので、各品種の糖度〔Brix〕も気になるところです。
 04.4.25

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3月25日〔木〕

ペンタキープV  ハイプログリーン 液体肥料    アグリボEX  
Star (フロリダスター) 28.0cm 28.75cm 29.0cm 28.5cm
Ozarkblue (オザークブルー) 27.5cm 25.5cm 27.25cm 27.5cm

↑3月25日〔木〕現在、各4本の平均値

昨年は肥料としては9月末まで固形油粕の他、アグリボEXを併用して生育はとても良好でした。特に怖い
コガネムシの被害に遭わなかったことで、この製品は信頼感があります。入手した他の製品と共にどのような
結果が得られるか楽しみです。趣味栽培では品種の揃った苗木を多く持てないので最初で最後かも
 04.4.1

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