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小児諸症状(疳の虫)他・小児はり適応症

更新日   06.4.21     1.000

小児の病気は一般に症状が激しく急激に悪化し、また回復力が残っていれば直ぐに良くなる特徴があります。
器質的な障害(諸検査で判る)が無い場合には、小児はりは優れた効果を発揮します。疳の虫(神経症状)を除き
回復力が残っていない重篤な症状や、器質的な障害を判別するためにも小児科医院への受診は必須です。


かんのむし
乳幼児の自律神経系が不安定になり、神経が過敏となった状態。夜鳴き、すぐ驚く、引きつけの症状や
泣き易い、怒り易い、不機嫌、不安感等の情緒症状、頭痛、腹痛、四肢痛、食欲不振などの身体症状がある。
器質的な障害(諸検査で判る)が認められない場合は小児はりの対象となる。

中医学では、「乳幼児の脾胃が未成熟な時に、甘い物や味の濃い物を食べて脾胃に負担をかけることで起こる。」
としています。実際に乳児が離乳食へと移る時期(約6ヶ月前後)くらいから見られ、お話を伺うと多くの場合に
食事が大人と同じ濃い味付けや、乳幼児としては多い量を摂取されているようです。疳の虫については小児はりを
数日続けることで症状は消失します。一度は無くなっても数ヶ月で再発することがありますが、再度小児はりを行う
ことで消失しますので、その都度治療します。疳の虫は小児諸症状の中でも最も確実に効果が上がる疾患です。
一般に1回目は2〜3回続けて治療します。その後再発した場合は通常2回までで治癒します。

疳の虫は中医学の「疳気」に相当し、容易に治癒しますが、痩せや腹部の脹満(張り)が見られる場合は「疳積」と
呼ばれ、やや慢性化した状態です。この場合には偏食等の改善と共に、継続して治療が必要になります。


感冒
先ず小児科への受診が必須。小児はりは抵抗力を付けることから、なかなか治りきらない風邪等も対象となる。

様々な感冒がありますが、小児はりは副作用無く抵抗力を付けることから、小児科医院へ通っても治りきらない
場合や、薬だけでなく体作り(抵抗力)の面からも、と来院される方がいつの間にか増えました。確かに効果は
あるようで、風邪を引かれた都度に来院される方があります。小児はり用具の使い方が異なりますが、発熱にも
効果があります。1回の治療で治ることも多い疾患です。


下痢
先ず小児科への受診が必須で、下痢以外に症状を伴わない場合は小児はりの対象となる。

非常に危険な場合もありますので、先に必ず小児科医院へ受診をお願いしています。下痢のみの症状であれば
小児はりの適応となります。多くは疳の虫と同じく、中医学では脾胃の未発達や虚弱を主な原因とします。慢性で
なければ、1回の治療で治ることも多い疾患です。


夜尿症
夜間無自覚に排尿するもので、多くは排尿機能の未発達により起こる。就寝前の水分摂取を控える。
器質的な障害(検査で判らない)が認められない場合は小児はりの対象となる。

小児科医の検査等で異常が無く、就寝前の水分摂取を控えても夜尿がみられるケースは小児はりの対象です。
小児はりの効果は比較的良好ですが、よく足が冷えたり、熱は無いのに寒さを訴える場合は灸法が効果的です。
週1〜2回から始めます。間隔を空けながら、一般に数週間〜数ヶ月で治癒します。


喘息
小児の気管支喘息の多くはアトピー型であり、アレルゲン反応は陽性である。成人前に半数以上は治癒するが、
発作を繰り返す場合もある。小児はりは症状改善や発作軽減に役立つ。

乳幼児期から学童期までの広い範囲で見られます。学童期の気管支喘息は通常の針治療が効果的です。
小児はりは症状の改善に役立つばかりでなく、投薬のみに頼らない体作りの面からもお薦めできるものです。
同じ理由から小児のアトピー性皮膚炎等にも効果が期待できます。週1〜2回から始めます。間隔は空けながらも
比較的長期間に渡って治療が必要になります。


中国での小児への針灸治療は、主に経穴(ツボ)への単刺術(針を刺して直ぐに抜く)という内容です。しかし、
日本には伝統的に治癒力や安全性にも優れた接触鍼(小児はり)という技術があり、千秋針灸院でも日本方式で
行っています。対象は一般に3ヶ月位から小学校低学年までです。必要に応じて温灸や、症状が強い場合には
単刺術等も併用する場合があります。


千秋針灸院の小児はりについて

千秋針灸院は小児はりを専門とする治療院ではありません。しかし小児はりへの要望が強く、治療をしている内に
いつの間にか症例も増えていきました。小児はりで来院される患者さんは約半数が疳の虫ですが、道を隔てた
向かいに評判の良い小児科医院がある為か、様々な疾患の方が来院されています。上記は一般的な小児はりの
対象疾患ですが、他にも斜視、斜頚、麻痺性疾患等、様々な疾患に適応する場合があります。お近くの治療院へ
お問い合わせ下さい。

使っている小児はりは、谷岡賢徳先生の考案された専用の道具で、皮膚を治療する経絡に沿って擦りながら
少しずつ必要なツボに刺激を加える方法です。皮下へ刺すことはしませんので、衛生面でも心配はありません。
また一見軽く擦っているだけに見える小児はりですが、抱いているお母さんは「子どもが温かくなる」と話され、
その場で目に見えて元気になることもよくあります。また小児はりで楽になることを経験された子どもさんは、
自分から行きたいと訴える場合もしばしばあります。 小児はりは長年診療を続けている治療院なら普通に行って
いますので、まずは治療院へ通ってみてください。薬の効かない疳の虫には絶大な効果があり、特にお薦めします。