第70話「管理人」


 ようこそ。浜田正年です。

私の事は日記第3話をご覧になれば分かるかと思います。トップページサイト紹介で活躍していますので、そちらもご覧下さいませ。さて、本日はとある不動産の物件をご案内させていただこうかと思います。あ、ちなみに私、日記の第3話の頃からは1歳年を取っていますのであしからず。

 

 さて、本題の物件なのですが、皆さんご存知でしょうか?なんと、入居者の方から家賃等はいただきません。ただその中で暮らしていただければ良いのです。しかもマンションとなっておりますので、かなり多数の方にお住まいいただけます。ただ、どなたでもご入居いただける訳ではございません。入居には私との面接という審査が必要となります。皆様、是非是非1度審査をお受けになってみてはいかがですか?あ、ちなみに入居には資格がございます。この資格を有した上で審査に挑んでください。はい、その資格とは「あなたが廃人相当である事」です。そう、今回の物件の名前は「廃人ビル」。その名が示す通り入居出来るのは廃人の方のみとさせていただいております。一般の方はお引取り下さいませ。え?何故廃人にそんな良い待遇の物件が与えられるのかですって?一般の方にはお教えしますけどね、廃人博物館を作って入場料を取って笑いものにして・・・くっくっく・・・あ、失礼。間もなく1人目の面接が始まりますので失礼いたします。

 

 

「こんこん」

はい、どうぞ。

「あの、入居の案内を見たのですけど」

はい、存じております。あなたはどの様な廃人なのですか?

「はい、僕、学生なのにクレジットカードで買い物をし過ぎまして」

はあ。

「もう首が回らないのですぅ。何か怖い人が家のドアの前まで来たりしますし・・・ここなら安全かと思いまして」

あなたは廃人と言うよりは無計画人ですね。入居は許可出来ません。ご健勝を祈ります。が、気を付けないと怖い人に本当に廃人にされてしまうかも知れませんからね。

「そんなぁ」

はい、次の方どうぞ。

「はろー」

おや?外国の方ですか?あなたはどの様な廃人ですか?

「ワタシ、大量破壊兵器が有ると信じていまして」

話しが見えてきましたよ・・・

「はい、外国の人をいっぱい殺しちゃったんですけど、結局見付からなかったデス。更には、ワタシを小馬鹿にした様な映画が作られまして、もう次の選挙はキビシーなのです。廃人ビル、入れてもらえませんか?」

あなたは廃人じゃなくて、ただの戦争好きの鬼畜でしょう。入れませんよ!早く帰って答弁でもして下さい。

「がってむ」

はい、次の方どうぞ。

「にだ」

おや?また外国の方ですね。どうされました?

「余は将軍である」

はあ。

「余は人民に命じて外国人を攫って来たのだが」

はあ。

「最近、攫って来た国の偉い人が余の連れて来た外国人を連れて帰ってしまうのだよ」

そりゃ当然でしょう。もう良いです。帰ってください。って言うか返してください。

「にだー」

はい、次の方どうぞ。

「はい、どうもー」

おや、今度はお若い男性ですか。どうされました?

「はい、僕、実は26歳なのに無職なんです」

はいはい。今までに比べたら随分ライトですね。

「無職なのに、昼間っから自宅に篭って漫画を描いて、自分のホームページの紹介コーナーに載せたりしているんです」

うわあ。

「どうですか?」

はい、入居決定。それはかなりイタいですわ。はい、入居許可、と。ぽん。

ようこそ廃人ビルへ!

 

[完]

 

あとがき。

 2000HIT記念に引き続き、3000HIT記念の今回もテーマをいただいて日記を書かせていただきました。今回3000HITを踏まれた方は、掲示板でもしばしお世話になっている、うららさんです。いただいたテーマは「廃人ビル」でした。毎度毎度難しいテーマが来るなぁ。でも楽しいです。次は4000かな?またよろしく。


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