DEATH NOTE デスノート(前編)

 


 週刊少年ジャンプで連載されていた同タイトルの漫画を原作にした映画。

原作は大変な人気で、現時点で出ているコミック11巻(7月に最終巻が出ますが)の累計売り上げ数が1500万部との事です。

確かに原作の持つサスペンスやら、物語の複雑さやら、決して正義ではない主人公といった要素は今までのジャンプには無く、それが非常に面白かったです。僕も、日記ネタにするぐらい大好きでした(連載は終わっているので過去形)。公開前から前・後編と分けて公開されることが決定しているなんて、それだけで原作の人気が伺えるってもんです。しかし、この公開形態は史上初!との事ですが、振り返れば『キル・ビル』は公開前から前後編と決まっていて撮影された訳ではないですし、『ロード・オブ・ザ・リング』は全3作として撮影されている訳ですから、全2作としては史上初なのかな?すると『マトリックス』の後ろ2作はどうなのよ。あ、『ロード・オブ・ザ・リング』とか『マトリックス』の後ろ2作は同時撮影されているのに対して、『デスノート』は分けて撮影されるからやっぱり史上初なのかな。厳密には「公開前から前後編分けて撮影されることが決まっている史上初の映画!」ですな。

 

 「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」。退屈な死神が落としたデスノートを拾ったのは、天才的頭脳を誇るエリート大学生の夜神月(ライト)だった。彼は法による正義に限界を感じており、偶然手に入れたそのノートで世界中の犯罪者や、逃亡中の凶悪犯、受けるべき裁きを受けていないものを次々と殺していった。そしていつの日か月はネット上で「救世主」として「キラ」と名付けられ、その存在が囁かれるようになっていった。

その一方、インターポールではキラの事件を捜査すべく、世界中の迷宮入り事件を解決した天才探偵のLを警視庁に送り込んだ。

かくして、キラvsLの頭脳戦が始まるのであった。

 

 何て言うか、この映画面白いです。

原作を全部知っている僕ですが、映画中に出てくる原作にもあるエピソードは、そのオチは原作とは違うものになっている部分が多いです。また、ライトによる「裁き」が始まって、世間にキラが認識されるようになる過程は原作ではあまり深く描かれなかったですが、映画ではワイドショーや週刊誌を駆使してこの様子が描かれ、観客を物語にぐいと引き込む役割を果たしていました。これは監督の上手さでしょうか。

藤井竜也がライトを演じるのはちょっと濃すぎる気がしますが、だからと言って彼以外にライトを演じられそうな実力を持つ俳優は思いつきません(普段テレビなど見ない僕が言ってもなんですが・・・)。そしてL役の松山ケンイチとやらも良かったですね。あれは紛れもなくLでした。そして最大のハマり役はワタリ役の藤村俊二ですね。ワタリの役は彼以外有り得ません。リュークはCG臭いし、口と声が合っていませんが『SPIRIT』でも声と口が合ってなかった中村獅童が演じていたので、それは彼のそういう芸風という事で納得しました。と言うか、CG臭さがリュークらしさでもあったと思います。

 

 原作ではライトとLのどちらが勝利するか分かっているのですが、映画では果たしてどうなるのか。『マトリックス』や『キル・ビル』の続編を待つよりも楽しみです。

 

2006年6月18日鑑賞


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