トゥー・ブラザーズ(原題:TWO BROTHERS)

 


 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』に『スターリングラード』に今作と、この監督は随分と作風の違う映画を撮るのだなぁと思っていたら、以前に『子熊物語』なんてのを撮っていたんですね。そう言えばテレビで観たかも。

 

 「僕が守ってあげる」だなんてキャッチコピーと共に、子供が子虎と一緒に布団で寝ているポスターなんかを見せられると、もう完全に観る側はこの映画に対して「人間の子供と、親からはぐれた子虎の物語」というイメージを固めてしまいます。こりゃもう涙涙の感動の物語になるかと思いきや、蓋を開けてみると、子供と虎の交流にはそんなに大きなウェイトがありませんでした。全然守れていないし。たいして流行っても無いのに「大ヒット」と言われるよりも、別のイメージを植え付けられるのはタチが悪いですよ・・・

 

 しかしこの映画、人間によって片親を殺された虎兄弟が、人間との交流や様々な経験を経て自然に帰っていくという物語なのですが、結局一体何を訴えたかったのかな?虎は観ていて可愛いくて楽しかったです。物語は観ていて退屈もせず、良かったです。・・・でも、一体何が言いたかった映画なんだろう。野生動物の保護が騒がれているなら、そういう観せ方も有るだろうに、そんな様子も無く、虎との交流を経て子供が成長する訳でも無く・・・なんだったのだろうか。

 

 「監督最高傑作」とか「全米が泣いた」とか言われていますが、結局は可愛い虎が出てくる動物映画でしかなかった気がしますよ。それだけで満足ですけどね。

 

2004年9月23日鑑賞


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