現状の技工作業の工程分解・及び・時間割り

ケース・スタディー *経験10年以上で中堅技工士・技工技術レベルは(中)


工程1:作業模型製作
5分
    (トリーマー・ピンホール・ダウエルピン樹立・2次石膏注入・トリーマー)
工程2:模型精査マージントリミング2分
    (セパレーティング・アンダーカット処理・ダイ硬化処理)
工程3:咬合器マウント3分
    (バイト処理・上下模型調整・ビンヂィング・咬合器マウント)
工程4:スペーサー塗布1分
    (2度塗布)
工程5:歯冠修復10分
    (分離剤塗布・ワックスアップ・カービング)
工程6:スプーリング1分
    (クリナー噴霧・クルシブルホーマー樹立・セラミックリボン選択)
工程7:埋没3分
    (バキュームミキシング・バイブレーション・リングに金属種類マーキング)
工程8:キャスティング4分
    (リング加熱プログラム設定・掘り出し・サンドブラスティング)
工程9:適合5分
    (マージン調整・コンタクト調整・咬合調整)
工程10:研磨5分
    (カーボランダム「荒研磨」・シリコン「中研磨」・ロビンソン「仕上げ研磨」)
工程11完成1分
    (超音波洗浄・模型セット・最終チェック)
       現状の作業時間合計→40分
現状のクラウンの技工料を2倍(5,000円)にしないと成り立たない。世界的な評価はこれが正常で、先進国並みになるのです。 この解決しか、保険クラウン技工に関しては、未来技工はない。このまま放置し、早急な対応をせずにいると技工士は疲労困憊し、離職者が増え、近いうちに供給が滞り、日本の歯科技工士によるクラウンが淘汰されるのではないかと心配しています。最悪の場合アジア等の後進国で、物まね的に、日本の「医療技術クラウン製作」をするという禁じ手に染まる危険もはらんでおり、結果、日本の皆保険制度がジワジワ、クラッシュする方向へシフトする可能性がある。日本の歯科技工士の「緻密で繊細な技術」担保で、日本の歯科保険制度を維持するのなら、この格差を大至急埋めないと、国民の口腔環境は悪化し国民の歯科医療に対しての不信と不安が拡大することを危惧します。

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