このページの内容は、一部 サッカーオンラインマガジン 2002world.com へも寄稿させていただいています。
「うちのマラドーナが・・・」から、劇的なロスタイム同点弾まで、濃厚な1週間だった。
ヴェルディ戦は森本に初ゴール献上か、に関心が集まっていたが、宮本が密着ディフェンスで完全に抑えた。代わりにJ初ゴールは、フェルナンジーニョの長いドリブルから2人かわしてのシュートで、ガンバが頂いた。
しかし、話題は伏兵のマラドーナにさらわれた。何気ないバックパスの処理にもたつき、相手FWに詰められ、何とドリブルでかわしにかかる松代。いとも簡単に奪われ無人のゴールへ決められてしまい、勝ち試合を1つ落としてしまった。
それ以降、松代の動きはぎこちなく、選手交代も攻撃より守備重視で引き分け狙いで終わった。監督からは「うちのマラドーナが・・・」といやみを言われたようだ。
そしてジェフ戦。上位対決となったこの対戦は、そのとおり緊迫したお互い勝ちを狙ったいい展開を見せた。
ジェフはガンバの攻撃をスペース完全に消しにかかった。茶野が大黒、斎藤がマグロンに完全マーク。二川・フェルナンジーニョ・遠藤を坂本・中島・佐藤で密着マークし、巻をトップに一人残して、ゲームはほとんどガンバ陣内で進んだ。
狭いスペースでパスカットするやいなや、攻撃陣5人がマークをはずし一気に攻め上がるジェフ。
膠着状態の中後半18分、先に仕掛けたガンバの方だった。児玉に代え吉原をいれ3バックに変更した。その矢先だった。児玉が抜け手薄になったDF裏へ、村井からのクロスが入り、山岸決めてジェフが先制。後半32分、今度はジェフが動いた。児玉をマークしていた山岸に代え林を入れ攻撃的に出る。しかしガンバは37分、ようやく波状攻撃からマグロンが決め同点にした。直後の38分、ガンバはさらに攻撃的に渡辺を下げ中山を入れ4トップに。しかしまたもや交代直後に宮本の判断ミスから林に決められてしまう。後ないガンバはシジクレイも上げて5トップの力技で、同点を取りに放り込みをかける。ジェフは43分、羽生を下げ結城をいれ抑えに入る。そしてロスタイム3分終了直前、これが最後のチャンスと思われた時、スペースの出来た右サイドに宮本が上がっていた。吉原からのパスを中へ折り返したところをマグロンが決め最後の最後で同点に追いつき、スタンドは勝ったような歓声に沸いた。リスタート直後に試合終了、残り1秒の得点だったかもしれない。
両チームの監督の采配はすべて裏目に動いたが、ゲームを作るのは選手。
イレブン対イレブンの総力戦を見せたこの試合は、久々にいいゲームだった。
今シーズンに入りナビスコ杯を含めると、はや4試合が過ぎた。
西野体制3年目で3度目の正直となるのか、の疑問に対して今季の姿が見えてきた。
昨年までと違うのは、勝負にこだわった采配をしている点である。
試合巧者に90分間のゲーム全体をコントロールし、最後には勝つための試合運びをしようとしている。観る者にとっては眠たい前半の試合運びも、勝ちにこだわってのゲーム運びだと感じる。
前半ダブルボランチでしっかり守ってセットプレーからの得点を狙い、後半ワンボランチにして攻撃的に前へ出る。さらにFWを入れ替え敵の守備をかきまわして一気に攻める。だから終盤のゲーム内容は見ごたえがある。チームの成熟度もますます上がってきており、攻守全体の統一がとれている。
といっても、まだまだ課題も多い。
まず、シュートが枠に飛ばない。GKを避けて隅を狙っているのだろうが、枠をはずしてしまう。シュート数が多いわりには得点の気配が少ない。GKを気にせず思いっきり打ったらGKも弾く時がある。エスパルス戦の先制点もGKが弾いたところを押し込んだ点だった。目つぶって打った方が入るんちゃう、というファンもいる。
しかし、そんな中で大黒のゴール隅へ決めた前節の2本のシュートは、待ちに待った完璧なシュートだった。ゴールから遠ざかりながら右回りに振り向きざま左足でゴール右隅へ決めた2点目。ミドルからゴール隅に決めた3点目。スタメンに使わず、後半の勝負どころで使った監督の采配には納得できる。
もう1つの課題、それは個人技で突破されるとフォローがなかなか利かない守備。
チーム全体では統一された守備を見せるが、ウェズレイのように1人で突破してきて、1人抜かれるとカバーが利かず、決定的なピンチを作ってしまう点。グランパス戦では修正が遅れたため一気に3点を失なってしまった。
この点は、次節東京V戦で怪物くんやエムボマをどう抑えるか、今のガンバにとっては苦手な課題だと思う。初***を相手に献上してしまうのは、ガンバの伝統的なお家芸となっているため、つい、J初ゴールを怪物くんに献上する姿が浮かんでしまう。
この苦手な課題を克服できるかが、今季のガンバがわずかの差でトップの座を射止められるかどうかがかかっている。
しかし・・・。
これまでのプレシーズンの結果を見ると、鳥栖に何とか逆転で2−1、佐川急便に2−2、仁川FCに0−4と、3年目の成熟、とはいかずチームを1から作り直しているような状態ではないか・・・。かろうじてサンガ戦だけは3−0で結果がでてきたが、J1相手にはどの程度なのか。
でも、準備段階(と前向きに考え)でとやかく言うより、蓋を空けてみればどうだったか、見てからにしよう。
3年目に入り、現体制に飽きのきているファンを唸らすだけの変化が期待できるのか、序盤の関心ごとはこの1点である。
戦力は、センターラインの日本人選手にはほとんど変化がなく、より成熟度を高めて、ある程度計算されていると思う。両サイドの補強が吉と出るか。また、身長差約30cmの凸凹コンビ、マグロン・フェルナンジーニョと、日本のベテラン・シジクレイがシーズン通してどこまで機能するかが重要なキーになる。
開幕戦は移籍した新井場との対決となるが、対峙するガンバの右サイドの対決が見物である。
後は天皇杯の残すだけ。
今シーズンリーグ戦は終了し、来季に向けチーム作りが始まった。
今シーズンを振り返れば外国人選手を軸に置いたチーム作りが失敗し、シーズンに入って再構築することになり、出遅れスタートに終わった1年だった。
振り返って課題を洗い出すと、
1)外国人選手の不発
2)ロスタイムの失点で白星を逃した試合の多さ
3)相変わらず優勝の"ゆ"の文字を感じた瞬間に脆くも崩れ出す守備
4)相変わらず勝てない鬼門の磐田
2)は今シーズン終盤には崩れることがなくなってきたと思うが、1)の脆さはガンバの典型的な精神的弱さ。おまけに今シーズンも鬼門の磐田で勝つことができなかった。磐田、鹿島に勝てないことにはいつになっても優勝は手に入らない。
課題1)の外国人については、すでにマグロンが残留、シジクレイの入団が決まり、残る1人はMFとのこと。未知数の外国人より、計算できる選手の方がいい。シジクレイを選択したのは良かったと思う。3)、4)の課題をどうやって克服するのか、今のガンバの雰囲気では可能性が低い。優勝経験のある選手を補強するとか手を打つ必要があるのではないか。
Jリーグスタート時、弱小3チームといわれた他2チームはすでにタイトルを取り、後発の関西チームもタイトルを取っている。それに引き換えあと一歩どころかあと三歩までしか進めない現状を、改善する手を是非打ってほしい。
守護神松代。
前節のゴールキーパー松代は、神がかり的ファインセーブの連発で、そう形容するしかないほどに当たりまくった。
前半24分ケリーのシュートを阻止したのを含め、5点は抑えたのではないかと思うくらいの活躍だった。とどめは1点リードした悪魔の終了間際ロスタイム、宮沢のシュートは打たれた瞬間、入れられたと思った。しかし、ゴール前から選手が1人1人離れ倒れている松代の姿が見えて、キャッチしていたのがわかり、客席は感動の嵐。GKのプレーでスタンドが興奮するのはいつ以来にことやら。
GKの感動シーンの反面、それだけゲームを支配された中盤は課題が大きい。
新井場が欠場で左サイドに二川を置き、前は吉原・大黒・マグロンの3トップ。この形は、真ん中に怖さがまったく無かった。しかし何とか、怪我から復帰した2人の活躍で一矢報いることができた。ワンチャンスに橋本の速いクロスから見事に反応した大黒が押し込み、虎の子1点をゲット。
守護神松代の好プレーのおかげで優勝争いにまだ食い込める位置につけた。こうなると仙台戦の黒星や、神戸、東京Vの引き分けが惜しまれるが、次節直接対決ジュビロに勝たないことには、松代の好プレーも意味がない。
宮本が出場停止だが、鬼門の磐田ホームで白星を勝ち取ることができるか。
優勝戦線に踏みとどまれるかの大事な前節アントラーズ戦は、惜しくも引き分けに終わってしまった。アウェイということを考えれば引き分けでいいのかもしれないが、今シーズンのような大混戦の中では、わずかな勝ち点が順位に大きく影響する。
今期のガンバも2ndステージ終盤になって、ようやく狙いどおりのサイド攻撃からマグロンが決める、という形から2点取ることができた。ペナルティエリア手前からサイドへ開いてすばやくクロスを入れて決める。アントラーズのように攻め上がってくるチームは攻めやすいという監督のコメントどおりとなった。
しかし、深井(それもJリーグ初ゴールとか)に個人技から2点決められ、もったいない引き分けとなってしまった。まるでノーマークのように、簡単にシュートを打たせてしまっている。サイドから真横に入ってこられるのがガンバ最終ラインの弱点なのか、GKの問題なのか。脆さがでてしまった。
この引き分けにより、優勝戦線からは脱落してしまったが、残り3試合。大事に戦ってほしい。
前節、大阪ダービーでようやく白星となって(4節浦和戦以来)、ひとつ関門を突破したようだ。
宮本が復帰し、木場の代わりに同年代の入江と實好の3バックに、山口・遠藤のボランチで守備を固め、両サイドに新井場・森岡。3−4−3の攻撃的な布陣が狙いどおりにゲームを制した。シュート数でも大差をつけ終始圧倒しての白星だった。
狙いどおりのマグロンのヘッドで1点目、ゴールキックから一気に二川がドリブルでDFをかわしで決めた2点目。どちらも見ごたえ十分、これまでの歯がゆさを払拭してくれた。これまでの試合と違い、相手ペナルティエリア内に入ってからの最後の詰めが冴えていたと思う。
マグロンがこの試合2枚のイエローで退場となり次節出場できないのが残念だが、代表からはずれた中山が奮起し、活躍してくれることを期待している。
前節、20試合以上勝ち星に見放されていた仙台に白星を献上。
終始ゲームを支配し、シュートを打ちまくるが、枠を捉えられず、攻撃疲れ。数発がクロスバーに弾かれるシュートもあり、運が尽きたような試合だった。木場が仙台選手と交錯し倒れた瞬間、一瞬DFの足が止まったところを持ち込まれて失点。この1点を仙台が守りきったというより、攻めきれなかったガンバ。
試合後の仙台選手の表情を見ていると、試合中フルタイムの集中で憔悴しきった中に喜びの表情がある。この表情を見ると、この1試合に賭ける気持ちの面で負けていたと感じた。
次節は宮本が怪我から復帰できそうなものの、木場が負傷。さらに中断の間に、チキアルセ・新井場、大黒が故障したようで、新井場以外は欠場が強いられるようだ。レギュラー組の故障者続出で火の車となったチーム状態。
はたして、大阪ダービーにはどう応急処置して望むのか。逆にチャンスとなる選手にはこのワンチャンスを生かしてほしいものだ。
宮本が試合後に負傷し、中盤からDFラインを入れかえて望んだFマリノス戦。山口がDFラインに下がり、ボランチには松下が入り布陣で臨んだ。
前半、木場のオフサイドトラップがわずかに遅れて逆モーションとなり、久保にゴール前を取られ、決められた。オフサイドっぽかったとぼやいても仕方ないか。しかし、失点はこれだけで、これ以外は守備を入れ替えての初戦としては、上出来だったと思う。急きょ抜擢された松下も、西野監督に合格点をもらい、チャンスをものにできたことは喜ばしい。
今シーズンいつまでたっても1点差勝負に守りきれない、もう見飽きた守備陣に、メスが入るきっかけとして、良かったのでないかと思う。あとは攻撃陣がどう結果に結びつけるか。惜しいところまでは行っているのだけれど、FW陣は、折角のシュートチャンスにゴール前でパスせず、自らシュートを狙ってほしい。
次節は勝ちに恵まれている相手なので、是非はずみをつけてほしい。
第5節エスパルス戦は2ndの戦力が久々に揃った試合となった。
新戦力のアリソン、復帰したマグロンと攻撃の軸が後半に出揃い、1点リードされた終盤はゲームを支配できた。
後半36分のアリソンのクロスをマグロンが決めホットラインがつながると、直後にもクロスから松波・宮本の決定的なヘディングシュートが2本あったが、相手GKの壁を崩すことはできなかった。左サイドは新井場が支配しアリソンも右サイドからクロスを入れる。シンプルにサイドからマグロン・松波へ入れるだけだが、威力は抜群。次節に期待が持てる展開となった。
しかし、後半26分に右肩脱臼で退場した橋本が手術で全治6週間とのこと。今シーズンの形がやっとできてきたところでの大きな戦線離脱となった。アリソン加入で右サイドに少し余裕ができたと思った矢先の不運。残念だ。
混戦状態の2ndだけにどのチームにもまだまだチャンスがある。次節はどうも苦手なヴィッセル相手、ここでつまずかないよう積極的にいこう。
第4節はホームで苦手のレッズ戦、西野監督が出場停止。
前半18分、新井場のクロスが中央で中山とDF2人がつぶれて逆サイドへ流れてきたところを、二川がGKが出てきたところを切り返してのゴール。さらに28分、二川のクロスから中央の大黒がグラウンダのミドルシュートをゴール隅に決め幸先の良いスタートとなった。ユース時代の黄金コンビの活躍で久々に余裕をもった展開となった。レッズは室井欠場の影響か、立ち上がりDFの間が脆かったようだ。
また、ガンバの守備陣はこれまでになく90分は続かないとも思えた早めのプレッシャーをかけていた。レッズが3トップ気味にシステム変更しても即座に対応し、レベルの高い戦術を見せていた。
しかし、後半の失点シーンのように集中力が途切れたように一瞬の遅れから、ペナルティエリア内からフリーでシュートを打たせてしまう。2点差があったのでまだ余裕があったが、あれで同点だったら流れはレッズだったに違いない。
残り15分で、元レッズ・前ヴィッセルのアリソンがガンバで初出場。シュートは多いが枠に飛ばないとか、昔話が聞こえてくるが、まずは古巣相手に勝ててよかったのではないかな。
2ndに入って、二川・大黒ラインがようやく結果を出せるようになってきたことが一番の成果だろう。ユース時代から変わらない2人の得意なパスラインは、純ガンバ産の彼ら2人と、ずっと見ているファンだけがツボを知っているあうんの呼吸。もう、たまらない。
2ndステージも始まり、大分相手に1勝した後、第2節ジェフ戦、ナビスコ杯エスパルス戦と連敗。
相変わらず、ロスタイムで失点し、ゴール前での弱さから勝ちきれない試合が続いている。
チーム全体の戦術は、まとまりあるプレーをしているものの、ある瞬間に1人の対人プレーもしくは2人の連携ミスとかで失点してしまう。得点シーンの華麗さと相反して、失点シーンがあまりにも情けくもったいない。崩されての失点ではないだけに、負けた原因を特定しミーティングで修正できるレベルの課題ではないと思う。
また、コーナーキックやセットプレーからの得点の少なさは、セットプレーからの失点の多さと共通して、ペナルティエリア内での守備・攻撃に強い高さのある選手が不足していること。高度な戦術以前に戦力補強が早急に必要ではないか。
ガレアーノが退団となり空いた外国人枠への補強はいつ行うのか。最悪の降格さえ逃れればいい、とフロントサイドは考えているのか。のんびりしている余裕はないとヒシヒシと感じるのはファンだけなのでしょうか。
負傷していたチキアルセが復帰し、サイドからマグロンを狙う必勝パターンが復活したが、逆に周りの選手にそれ以外の工夫が無くなってワンパターン化し、守る相手にとっては絞りやすくなった。マークがマグロンに集中する分、得点できるのは周りの選手。もっと動かな、もっと勝負せな。
1stステージ最終戦のヴェルディ戦で勝ち点3をゲットし、降格戦線から1歩退けることができた。という降格争いの結果を、開幕前に誰が予想しただろうか。
最終戦ヴェルディ戦ではなんとか得点3点、そのなかでも二川のパスから大黒の素早いトラップからのシュートシーンは目を見張るものがあった。ガンバ3代目顔面マスク遠藤の2点目のスピードに乗った長いドリブルから3人抜いてのループシュートも十分見ごたえがあった。
攻撃面での前進は2ndへ向け可能性を感じたものの、守備面では相変わらずの脆さを感じた。山口が中盤底に上げた3バックで望んだが、キープ力が足りずサイドがあがる時間を作れず、逆にヴェルディは時間を作れるので、サイドが追い込まれるシーンが何度もあった。この試合だけではないが、先制直後の失点は木場の判断ミスもしくは体力の衰えを感じるし、宮本のオウンゴールとも言えるような失点も今シーズン1度ではないし、特にゴール前に押し込まれた時に弱さを感じる宮本の使い方を見直す時期がきているのではないかとも感じてしまう(元はといえばその前の守備が問題なのだけれど)。守備はチーム全体の課題というより選手一人一人の能力面の課題の方が大きい。
今季チーム作りの一番の失敗だったガレアーノが退団となり、代わりの選手をリストアップしているようで、チームサイドも対策に動き出してきているが、このまま建て直しを図るほどの余裕もなく2ndステージが始まってしまうので、気合が入っているのは降格戦線と優勝戦線だけという消化試合的な流れにだけはならないよう、また、西野監督2年目は1年目より大幅に後退し、結局意味が無 かったという結果にならないように巻き返してほしい。
13節は、対戦相手のグランパスにとっては、優勝争いに残るために負けられない試合。
一方、ガンバは切り札のマグロンを欠き、山口も出場停止とあって、これまでの3バックから4バックへ急きょ変更して望んだ。木場が数年ぶりに右サイドバックに入り、新井場が中盤へ上がった初めての布陣で望んだが、試合早々にリスタートからウェズレイに豪快なミドルシュートを決められてしまう。
しかし、23分に楢崎退場付きのPKを遠藤が決め、試合を振り出しに戻したうえに前半半ばで一人少なくなったグランパス。10人を相手に1点取れればとの期待は・・・、はずれてしまった。
大黒・二川が再三の得点チャンスを決められず引き分け。とりあえず後は決めるだけ、のところまで来ているのだが、なかなか決められない。
今季、選手補強が成功しているグランパスと失敗したガンバとの対象的な試合だった。13試合が終わり、まだ3勝。1stステージは負け越しが決まった。
早々と2ndへと期待したいが、現状では好材料がなにもなく、団子状態の下位争いをすぐに始まる2ndへそのまま持ち越すだろう。早く崖っぷちの瀬戸際だという意識をもって白星をとっていかないと降格の可能性も十分ありえる。
選手を補強するなり、監督を再考するなりの対策は手遅れにならないうちに!
再開後のリーグ戦は、初戦のヴィッセル戦善戦むなしくまたもやロスタイムに失点し3−4で黒星の再スタートとなった。
中断中の建て直しキャンプの成果を期待していたが、4失点の結果では成果があったとはいえない。水曜日のナビスコ杯から中2日で疲れがあったのかもしれないが、残念なスタートとなった。
攻撃陣は、これまで使わなかった(使えなかったのか)マグロンにボールを集め、お得意のパターンで得点でき出したし、最近スタメンの大黒がコンスタントに得点をあげられるようになった事で、相乗効果として結果に現れてきた。ヴィッセル戦のシュートはこれまで見たことないような見事なミドルシュートだった。
反面、守備陣はキャンプ中不在だった代表組とは連携不足だし、建て直しの成果は見られない。人数は揃っているが抜かれてしまうとか簡単にシュートを打たせてしまうとか、下がり気味な守りしているのか、ゴール前でもスルズルと下がっていき押し込まれてしまう。ナビスコ杯のジェフ戦でも、終盤勝っているのにゴール前に全員下がって、まるでFKを待っているかのような団子状態の守備で、スタンドのファンの失笑をかっていた。まだまだ、中断前の悪いイメージがトラウマになっているのか、自信をとり戻せていないようだ。
とはいってもリーグ戦は続く。
耐え抜く守備力が無い以上、守備には少々目をつむっても上向きになってきた攻撃力をさらに伸ばす。アンバランスだが現状ではこれしかないのか。
10試合が終わったところでは、開幕前の予想に反し蓋をあけてみれば毎シーズンいつものごとく定位置にいるではないか。
中断前の最終戦ホーム試合のエスパルス戦で、大黒のクロスが強風にのってゴールに入ったラッキーな得点で何とかホーム初勝利をあげることができたが、10試合で3勝4敗3分けという成績は、西野体制2年目の成果としてはいかがなものか(政治家風表現)。
第2節のジュビロ戦の終了間際ロスタイムでのクロスからの失点(同点で引き分け)。
あの失点が、現在首位のジュビロにとっても、低迷ガンバにとっても、ターニングポイントとなった場面ではないかと思う。あの試合のあの失点で、ジュビロは上昇気流にのり、ガンバはエアーポケットに落ちた。以降連続3失点試合が続き、また、終了間際の失点で勝ち点を次々と落としていった。
今シーズンJリーグ全体の大量得点試合の多発から見れば、守備力より攻撃力重視の傾向が大きく出ているものの、今シーズンガンバの守備は、その流れ以上に守備力が低下しているように感じる。もともと西野ガンバは、守備はぎりぎりの線で残し、可能な限り攻撃的に使ってくるので、今シーズンの流れの中から見れば失点は増えて当然かもしれないが、失点の中でも特にセットプレーからの無抵抗の情けない失点があまりにも多すぎる。マークにはついているが、あっさりはずされてしまう。
また、ガレアーノが機能せずにボランチが定まらず、開幕早々リーグ中に建て直しを図ったため、ドタバタの試合が続き、開幕ダッシュどころではなかった。守備面だけでなく攻撃面でもポジションが定まらなかった。マグロンを中心に吉原なのか大黒なのか。全体的にレギュラーを固定していた昨年のようにはうまくいっていない。
そのせいか、昨年の得点源だったマグロンの頭を使ったサイド攻撃が減ったようにも感じる。これが意図的なのか、狙っているのにチャンスを作れずにいるのかは不明だが。
さらにFWの決定力。これは明らかに落ちていると思う。代表合宿でもわざわざシュート練習をしているようなので、ガンバに限ったことではないのかもしれないが、枠に飛ばないシュートなら誰にでも打てる。
課題はかなり多いが、この1ヶ月の中断は建て直しを図るいいチャンスなので、残り5試合そして2ndステージへとつなぐ納得いく試合を見せてほしい。
前節のジェフ戦は、DFのマンマークプレーを発端にチーム全体の守備連携の乱れにまで発展しており、予想以上に大きい課題が浮き彫りとなってきた。
初戦からスタメンで使っていたボランチのガレアーノを使わず、守備の連携面を重視したが、結果は3失点。それも2列目からの飛び出しにノーマークで決められる最悪の展開となった。前々節の3失点はどれもセットプレーからの失点だったが、今回はどれも流れからの失点。ガンバ側にとってはラッキーともいえるようなPK判定で同点に追いついたが、とても優勝候補などと言われるチーム力ではない、といわざるをえない。
しかし、得点数はリーグ2位の8得点と攻撃力は昨年よりもさらに強化されており、良いところをさらに強化すべく1点リードされた場面でFWを4人入れた超攻撃的な布陣が試合終盤には見れた。ベンチに3人FWを入れた時点でその覚悟・ゲームプランが出きあがっているのだが、結局はこの強気の采配で同点に追いつけた。
リーグ戦の間に入るナビスコ杯では、外国人選手をはずし日本人選手だけで連携強化を図るが、結果は引き分け。逃げ切りができない。
短期間でどう修正してくるのか、次節は好調なベガルタ相手だけに大量失点だけは避けたいものだが。
前節ジュビロ戦の失点を、普段ならなんともない普通のクロスだったのだが。
と書きましたが、
このトリニータ戦の3失点も、
前半3分、普段ならなんともない普通のセットプレーだったのだが。
後半6分、普段ならなんともない普通のセットプレーだったのだが。
後半10分、普段ならなんともない普通のセットプレーだったのだが。
(後半の2失点の間のPKもマグロンが決められないし)
他のプレーがああだ、こうだ、と言うのも空しくなります(かなりショック)。これだけあっさりと失点して取りこぼしてしまうと、勝てそうだったジュビロ戦に引き分けたのがもったいなかったとか言っている場合ではない。
昨年から主力メンバーが変わらず安定した今シーズン、と思っていましたが、思わぬ落とし穴が待ち受けてました。
高さを武器にするガンバが、高さにめっちゃ弱い。
次はガンバレ、といいたいですが、DFのマンツーマンプレーなだけに果たして対策あるのか。
ホーム開幕戦はいきなり強豪ジュビロ戦。
案の定、終始ジュビロがガンバ陣内に押し込む展開。ガンバが狙うサイドからの展開も、両サイドの激しい駆け引きの中でなかなかチャンスを作れず。また、チャンスボールが前線に出ても大黒がキープできず、攻撃への糸口を見出せず苦しい状態が延々と続いた。
そんな中で、後半13分ワンチャンスからマグロン・遠藤と中央突破の早いパス交換から大黒が得意の形で決めジュビロに先制した。
しかし、得点の時間帯が早すぎた。
ガンバは終盤のジュビロ川口投入を警戒し、選手交代のカードをなかなか切り出せずにいた。攻撃的にいくのか、守備的にいくのか・・・。これまでなら後半20分頃にはトップを増やし攻撃的に切り替えていくところだが、我慢せざる終えなかった。川口投入の動きに合わせて選手交代へ動いたが、結局、これまでの試合で見せたような攻撃的3トップを選択しなかった。
ロスタイムに終盤投入された川口のクロスをジュビロの2トップに頭でつなげられ、ガンバDF陣は競ることも触ることもできず高さに負けてあえなく失点。負けに等しい同点で終わった。逃げ切りを狙って逃げ切れなかった、過去の教訓をまた生かせず同じ過ちを繰り返してしまったようだ。
2点差から逆転負けをした過去対戦経験が、無意識のうちにトラウマになっているのか、終了間際に近づくほどプレーが淡白になっていった。普段ならなんともない普通のクロスだったのだが。
いよいよリーグ戦ホーム開幕です。
今季ガンバの形はこれまでの2試合で見えてきており、西野体制も2年目に入り、方向性がますます具体化してきている。
補強選手、特に外国人選手ではチキアルセが注目株。チキアルセの正確なフリーキックはセットプレーが苦手だったガンバにはプラスの武器(得点源)となった。
ナビスコ杯セレッソ戦で見せたデビュープレーのコーナーキックでは強風の中、開始早々の2発が連続でピンポイントで味方選手の頭に合い、得点チャンスを演出。また、リーグ開幕戦パープルサンガ戦での同点弾フリーキックは圧巻で、相手の壁に入り込んだ味方選手が空けた隙間を通してサイドネットに蹴り込んだ。さすが、この試合からはコーナーキックは右も左もチキアルセが蹴るようになった。昨年まで不安定だった右サイドの補強が成功し、攻撃力は倍増した。
試合展開はこの2試合、3−5−2から終盤ボランチを一人にしての3−4−3へと攻撃的にシフトする采配で、終盤一気に押し込み、終了間際で白星に持ち込んできた。これは90分勝ちを狙った今季ガンバの基本となるだろう。
GK、DFは昨年から入れ替わりなくさらに安定してくるだろうし、攻撃陣もマグロンを中心に吉原、大黒、中山、松波が昨年からさらに連携を深め、そこにチキアルセのピンポイントクロスがプラスされた。
ガレアーノがチームに慣れる、間だけが今のところ心配材料だが、それは相手も同じことなので、五分五分といったところか。
今季タイトルをとらなければ、今度はいつとれる?というほど、今季ガンバの戦力は充実していると思う。 まずは満開の万博で、宿敵ジュビロを相手に2連勝し、勢いに乗っていこう。
1週間前までは、この秋が楽しみだったが、この5日間の2試合でその楽しみな秋もはや終わった。第6節にヴィッセルに敗れ、水曜のナビスコ杯準決勝でレッズにも敗れてしまった。
両試合とも終始ボールは支配するが、決定力に欠き、守備のほころびから失点。外観は美しいが、機能性(白星)に欠けた内容が続いた。前半の展開は目指すパスサッカーが冴えるが、後半は攻撃を増やし最終的には運動量も落ち、単なる放り込みを繰り返す。リードしていようが、同点であろうが、負けていようが同じである。西野ガンバはもともと、守備は最小限にして攻撃に重点を置く形なだけに、さらに攻撃に選手を割くということはDFはぎりぎりの状態になる。
終盤リ−ドされている場面では、失点よりも得点狙いなので当然のことだが、負けていない同点の時や、リードしている時でさえ、同じ展開をする。さらに、ゲームを支配しながら得点に結びつかない焦りからか、負けてもないのに負けている時のような雑なプレーが目立ってくる。
レッズとのトーナメント戦でもそれは同じであり、同点で負けてもないのにぎりぎりの守備で総攻撃を仕掛け、1つのミスでタイトルを逃してしまうような戦法をとる。自力で勝てないのなら負けても仕方がない、玉砕覚悟のポジティブ戦法が西野サッカーの正体なのか。
どんなに玄人ウケする内容であって負ければ何も残らない。試合の続くリーグ戦ではともかく、ナビスコカップでは初のタイトル奪取に向け、PK戦までもつれてもいいから負けないサッカーをしてほしかった。たとえ攻撃に自信があったとしても、その直前のヴィッセル戦で2度目のにがい薬を飲まされたはずではないか。
次のジュビロ戦に向け、気持ちを切りかえる必要があるのだが、逃した獲物があまりにも大きいだけにいまだ冷静になれない。はたして、ガンバイレブンも気持ちを切りかえることが出来るのか。
3連勝で2位浮上のガンバ。
ここ4試合1点差勝負が続いているが、2節は1点差負け、3節はロスタイムに同点に追いつかれた後の決勝点、4節は試合終了間際の決勝点で完封勝利、そして5節は前半早々の決勝点で完封勝利と、早い時間帯に得点し守り切りの試合展開が現れてきている。リードした展開で終盤どう守りきるかは、1stステージからの課題であったが、その課題が改善方向に向いているようだ。3節以降マルセリーニョが復帰し、この3連勝に大きく影響していることもあるが、終盤のベンチの動きにも変化がでてきたように思う。
5節のグランパス戦では、試合終盤にDFのパナディッチが前線に上がれば、マグロンがDFラインに下がってマーク、ロスタイムには攻撃的な森岡に代えてDFの實好を入れ(時間かせぎもあるが)、ボールを相手コーナーでキープする指示を出していた(ように見えた)。これまではリードしていても、最後まで攻撃的な姿勢を貫いていたが、ここにきて、守り切りの姿勢も見せてきている。
攻撃面では、これまで両サイドを封じられると手足が出なかったが、マルセリーニョの存在で中央にも厚みが増してきた。マルセリーニョから出される、相手DFラインを斜めに切り裂くスルーパスは中央からの決定機を作り出し、それに相乗して、二川も効果的なスルーパスを出せてきた。その決定機に新井場が反応し、得意のドリブルを武器に中央、特には逆サイドまで流れての攻撃も見逃せない。
次節は1stで黒星を喫したヴィッセル戦、そしてナビスコ杯準決勝と試合が続くが、戦力・戦術ともに充実しだし、西野監督がコメントしたように、ファンも楽しみな秋である。監督も最終節には古巣のホームスタジアムで・・・、と内心狙っているに違いない。次節はリベンジで借りを返し、さらには円熟した試合内容を期待したい。
リーグ戦第2節のFC東京戦は、今回の東京遠征第2戦目。
1戦目のナビスコカップの前半戦のようなキレのない展開が90分間続いてしまった。試合開始早々の幾度かのチャンスを得点できなかったガンバに対し、ワンチャンスをものにし、1点を守りきったFC東京に手痛い黒星。リーグ開幕早々の痛い1敗となってしまった。
試合展開としては、水曜の1戦目と同じだったが、ガンバの後半のシステム変更に対し、2戦目はきっちり準備してきたFC東京が勝利した結果となった。同じ手で2度勝てるほど、成熟しているわけではなく、サイド攻撃を封じられたときのさらなる1手に欠けている、という現実が浮き彫りになった。
今期1stステージで対戦が一巡し、2戦目となる2ndステージは、1stステージで初陣西野ガンバに黒星を喫したチームは対策を練ってくるだろう。その時に、さらなる1手が無ければ、水曜のFC東京と同じ結果となってしまうことは十分に予想される。
第3節のエスパルス戦で、マルセリーニョが復帰できれば突破口を見出せるかもしれないが、次の試合、連敗するようだと優勝候補の看板は早々に下ろす必要がある。ここが正念場だ。
2ndステージは波乱の開幕戦で幕が開けた。
今シーズン、1stステージ・ナビスコ予選リーグの3戦とも力負けしたFマリノスが相手。
主審の名前がアナウンスされた時、波乱の試合になるな、と誰もが予想した展開どおり、ファウルが多い荒れた試合展開となった。 荒れた試合とは裏腹に、スタンドは試合開始前にはガンバ後援会名誉会長の太田大阪府知事が背番号26をつけてキックオフして、そのままイレブンと記念撮影に入るわ、客席は万博史上最高の大入りとなるわ、で最高の盛り上がりを見せた。
試合の方はというと、前半7分、宮本がパスカットからオーバーラップを見せ、サイドからのセンタリングに華麗なヘディングシュートを決め、多数の宮本ファンを喜ばせたが、残念ながら後半13分に打撲で途中交代となった。幸い大した怪我ではなく、水曜のナビスコ準々決勝にはフル出場を果たしてひと安心。
後半25分のナザのイエロー2枚目の退場シーンを見て、松田がキレるで、周囲のファンと噂をしてるやいなやの一発退場で、Fマリノス自滅後は一方的な展開となってしまったが、なにより白星がほしい第1節なだけに、内容よりも結果重視。2万2千を超える大入りの観客との万歳三唱はこたえられない至福の時となった。
そして、迎えたナビスコ杯準々決勝。
蒸し熱い東京スタジアムで、前半のガンバは出だしの遅さと、相手FC東京の石川を逆サイドに入れる奇策にはまり、FC東京にペースを奪われた。しかし、ガンバは後半早々から松波を入れ、3−4−3で対応。FC東京はこれに対して修正できず、ガンバの一方的な試合展開となり、得意なサイド攻撃から3発がゴールに命中。後半だけをみると上位チ−ムらしい貫禄ある戦いぶりを見せてくれた。
中2日で同じ場所で同じ相手と戦う今回の東京遠征は、水曜に見せた横綱相撲で難なく白星を勝ちとって、連勝で帰阪してもらいたい。
1stステージを振り返ると、3位は確実と思われたが終盤の連敗で4位にランクを落としてしまった。上位2チームと下位2チームに黒星を喫し、拮抗したチームには勝てるが総じて強いチームと弱いチームには相変わらず勝てずに終わった。
上位2チームとの試合では、微妙な判定が知名度の高い相手に有利となる傾向は相変わらず存在しており、それが僅差の勝負を分けたこともあるが、試合終盤の状況に応じたチーム全体の意思統一ができていないことが僅差で勝てない原因ではないか。
リードされた終盤、FWを増やしスクランブル攻撃に転ずるのはいいが、薄くなった中盤ではそれまでと変わらずパスをつなぐ展開を続けていたり、逆にリードした終盤、DFは守りに入りFWはそれまで通り攻撃的に、と真ん中が間延びした時間帯にカウンターを食らい白星を逃している。
レイソル時代に西野監督が言われ続けた、上位チームには勝てない、という結果はガンバでも変らなかった1stステージだったが、まだチーム作りをはじめて半年、いよいよ2ndステージで真価を発揮してもらいたい。
初戦はマリノス、リーグ戦・カップ戦でも力負けしたチームだけに今度のホーム戦だけは何としても抑えてほしい。スポンサーデーで完売状態の万博での2ndスタートを万歳三唱で祝いたいものだ。
G大阪、負けた。とスポーツ紙の見出しが躍る。
本当に悔しいジュビロとの試合だった。本当に悔しい、4点とっても勝てないとは。
シュート数では7:16と圧倒的に負けているが、7本のシュートで確実に4点(1点はPK)を決められる鋭く的確な攻撃。そして試合開始早々、前半終了間際、選手交代後と得点の時間帯も申し分ない理想の展開だった。しかし、それでも負けた。
その申し分ない攻撃だった反面、簡単にとれるかのような1点1点を軽視したかのような守備の脆さが目立った試合だった。もちろんジュビロの攻撃の鋭さも光るが、あえて自チームの課題として再認識すべきだと思う。
1対1でいとも簡単にパスを通されるDFリーダーをはじめ、ゴール前まで上がった相手ボランチをノーマークにしてしまうチーム全体の守備連携の脆さ。セットプレーの守備の弱さ。そしてリードした終盤、守りに抜くのかさらに得点を狙いに行くのか曖昧なチーム戦術で、2試合前のサ
ンフレッチェ戦でも経験したロスタイムでの失点をまた繰り返してしまった。ジュビロのような強い相手では、ミスは確実に決められてしまう。それが5失点
という結果に現れたのだと思う。
ヴェルディ戦はさすが選手達の動きは鈍かったが、それでも3得点完封勝利で、終盤にはルーキーの松下と羽畑を入れる余裕をみせてくれた。
残り2試合、3強は確実。頂点を自力で取れない歯がゆさがあるが、ねばり強くあと2試合連勝し、勢いをカップ戦、2ndステージへつなげよう。
なんと6連勝。
苦手な石川西部でのホーム戦を圧勝の3−0で仙台をくだし、勢いにのったガンバ。
両サイドの果敢な攻撃は相手DFラインでFW陣と並ぶまで攻め上がり、正確なクロスが中央のマグロンを狙う。そして、こぼれたボールを遠藤が狙う。見ていてワクワクする内容だった。新井場の縦パスを受けたマルセリーニョが、カウンターから速いドリブルで決めた技ありの2点目シュートは爽快。切れ味あるカウンター攻撃もまだ健在だ、というところを見せてくれた。
マグロンが得点ランキングトップとなり、マルセリーニョも初ゴールをあげ、勢いにのるガンバ。
次はいよいよ2位ジュビロが相手。それもこれまた鬼門の磐田スタジアムだ。
2位との直接対決のこの試合、残った方が優勝戦線に踏みとどまれる大一番である。
誰もがこの試合の重要性を認識している。今度こそ勝ってほしい、ただそれだけだ。
再開後、3試合を終えなんと5連勝、期待に応えてくれた連勝にまずは乾杯。
9節のグランパス戦は、超満員に膨れ上がった万博ホームスタジアムで絶対負けられない試合だった。
取っては取られ、取っては取られ、そして最後にVゴール勝ちを収め目標は達せられたが、結果的には勝ち点3をとれなかったことは、まことに残念だ。
後半に大部分観客のお目当てだった宮本が途中出場し、大いに盛り上がった試合だったが、守備の面で中盤からの連携した守備がなくなり最終ラインで団子状態になることがしばしばあり、ノーガードの打ち合いになった時間帯もあった。宮本が出場してからも連携が今1つで、松波の決勝ゴールの直前に宮本が味方 DFと交錯し、ウェズレイに打たれたシュートがポストに跳ね返るというラッキーな場面もあり、どちらが勝ってもおかしくない内容であった。
10節のサンフレッチェ戦は、中2日ということもあり体調は万全ではないが、しぶとくワンチャンスをものにした。しかし、ロスタイムも終わりあとわずかな時間帯に失点したという現実は、結果的にはその直後に得たPKのチャンスで勝ち越したものの、忘れてはならない大きなミスだ。
宮本が日本代表のDFからガンバのDFに戻りきるまで、守備面では若干不安が残るが、10試合で10得点のマグロンを筆頭に、得点数でジュビロに並んでトップと好調の攻撃陣が、今の調子で得点を重ねて白星をつないでいってくれれば、トップマリノスとの差も縮まってくるだろう。
長い中断後の待ちに待ったJリーグが再開。
中断後の初戦ということで、中断期間中のチーム作りの成果が問われた第8節は、強豪のエスパルス相手に、それも勝ち星の滅多にないアウェイ戦とあって、不安ながらに顔を手で覆って指の隙間から見たくなるような気分だった。試合開始までは。
蓋を開けてみると徹底したサイド攻撃が冴え、特に三都主の裏を森岡が狙う攻撃がツボにはまった。さらに中断期間中に精度の高まったセンタリングが、中央のマグロンへピンポイントでみごとに何度も決まり、感無量の試合展開をみせてくれた。試合終了後は、監督の口からも3強を狙う、との発言も飛び出し自信をのぞかせた。
エスパルスにしてみれば、体調万全ではないW杯戦士を出場させなければならない事情もあるだろうが、チームとして4戦士はチームとフィットしていなかったようだ。初出場のペツェルも周りとの連携がいまいちで、吉原にかき回されていた。そんな相手の出来の悪さもあったが、わかっていても止められない高さを生かしたサイド攻撃は、W杯のドイツとダブッて見えたとはちょっと言い過ぎか。
次節はホームでグランパス戦。バックスタンドは完売との話も聞かれ、W杯後の余波が万博にもやってくる。W杯戦士の宮本が出場するかどうか、監督は前節から選手を代える必要はない、と否定的な発言をしているが、もちろんファンとて1試合1試合勝利にこだわってほしい。
ナビスコ杯に入り、リーグ戦の勢いが止まったガンバ。前半は、いつものようにという表現が定着しつつあるような、眠たい展開。後半になってエンジンがかかり出すが、勝ちきれない試合が続いている。宮本が欠けたDFラインは縦パスであっさりと裏をとられ、マルセリーニョの欠いたマリノス戦では、パスの出しどころで悩むワンテンポで、ボールをカットされてしまう。
ただ、3人目の外国人選手ファビーニョがマリノス戦でようやく実戦デビューを果たし、補強メンバーが顔を揃えた。速い縦の動きに弱いガンバ守備陣に潰し屋のファビーニョは大きな補強になるはず。守備面が強化される分、ファビーニョをワンボランチにして遠藤や橋本が攻撃にパワーが割ける。
ナビスコ杯は一巡して2分け1敗、次のホームでのジェフ戦で1勝しないと残りはアウェイのみで、かなり不利な状況になる。代表組で欠けているのは宮本1人で、ほとんどフルメンバーで戦えるのだから、他の強豪チームに比べれば有利なはずだ。
中2日でジェフとの再戦が予選突破の大きな山場、是非リーグ戦終盤の勢い復活を期待したい。
前節は崔を欠くジェフとの対戦。
前半は、スタメン出場した吉原がブレーキとなりまったくリズムができず、眠気さそう展開だったが、後半開始から好調の松波と、久々万博復帰の森岡を一気に投入後、前半の低迷が嘘のように勢い付き、前々節の勢いを忘れていなかったかのように得点を重ね、終わってみれば3得点の完封勝利となった。
左サイドの新井場から中央マルセリーニョを経由したロブパスから、遠藤がGKの動きを見て決めた華麗な展開からの先制点を皮切りに、森岡が目も覚める豪快なミドルシュートを決め2点目、3点目はマルセリーニョのセンタリングを松波がヘディングでゴール隅に決めた。後半投入した2人が得点をあげ、ズバリの采配を見せた西野監督も、満足だろう。終盤、ツートップがパス出しに専念する場面も見られ、スタンドからはブーイングも出たが、やはりFWはシュートを決めるのが役目だ。
この2試合で得失点差+8で一気に上位に躍り出た。宮本がイエロー累積で次節出場停止だが、W杯中断で修正する時間もたっぷりある。
今週末から始まるナビスコ杯は、パープルサンガ以外すでにリーグ戦で対戦しているマリノスとジェフと同じ予選グループである。リーグ戦では勝ちきれなかったマリノスとの2戦、そしてさらにジェフとの2戦、リーグ戦とは違った戦い方ができるのか、どう戦っていくのか見物である。
前節FC東京戦は、この数試合の低迷から脱却したといえる5点差、完封勝利。
3バックに変更し意識が攻撃的に生まれかわり、左サイドは新井場が高い位置からアタックを仕掛け、右サイドにはマルセリーニョが上手く入りこみサイド攻撃を連発。思うがままに自分達のサッカーを楽しんだように見えた。新井場の長女誕生を祝うフィールドプレーヤー総出のゆりかごダンスも連発、パパ自らもゴールを決め、揺らしすぎや、との嬉しいコメントも。
マルセリーニョの右足アウトサイドにひっかけた右へ曲がるクロスは、精度といい、角度といい、よくもあんなボールが蹴れるものだ、と驚いてしまう。これまでマルセリーニョのクロスに合わせられなかった味方の選手が、合わせられるようになってきた。右サイドからのクロスで1点、左サイドからのクロスで1点得点できた。あの弾道は相手のDFもなかなかタイミングを合わせるのは難しい。百聞は一見にしかず。それほど鋭いマルセリーニョの右クロスがつながりだした。中央からの縦パス、左右からのクロス、サイドアタック、そしてFK、どれも満遍なく実践できた試合だった。
この試合で自信をつけたガンバがどう戦うか、次節が楽しみである。
第4節の対戦相手は、開幕3連敗のレッズ。
今季レッズの致命的な課題である、井原のカバーリングしきれない両サイドのスペースをうまく使い、易々と2点をゲットしたものの、強力な外国人FWコンビの縦の高速突破に対応しきれず2失点、先制した2点を守りきれなかった。ガンバ守備陣は、個人技では1対1の局面で破られ、また、速攻を警戒すべきにもかかわらず、DFラインの前には大きくスペースを空けていた。
2試合連続の2失点以上ということは、結果的に負けなかったというだけで、かなり大きな問題を抱えているということをもっと認識すべきである。第3節から、試合中に課題を修正できない、というのがチームとして大きな課題になってきている。
パスをつなぐサッカーが、ゆっくりパスをつないでになり、その眠たくなるようなゆっくりしたテンポで長時間ボールを支配し、自らのリズムに慣れた状態から、一気にボールを奪われ速攻を食らったときに、守備が相手の速いリズムに合わせられなくなっているような気がする。攻撃に速くつなげられた時は見ごたえがあるが、逆襲された時は目も当てられない。
中断までの多いホーム戦で星を取りこぼしていては、1st終了時にはまた定位置にいることになる。
前節、2連敗のヴィッセルは、後が無い緊迫感でガンバのパスを素早いチェックで狙いすまし、奪って一気に前線を送る形でガンバの遅い出足をくじいた。ガンバは攻め手に欠いた吉原のバックパスから早々と先制を奪われ、修正する間も無いままに、セットプレーから2点目を奪われてしまった。
速いチェックを仕掛けるヴィッセルに対して、ガンバは風邪で前々節欠場した吉原を先発に起用したが、吉原を生かせるスペースはなく、行き場のない迷った緩い横パスを次々に狙われた。
前半は、西野監督はレイソル時代から深く守った相手が苦手、というところを見せてしまった。しかし後半は、生きない吉原を下げ橋本を入れ早々と修正し、圧倒的にボールを支配したが、点差を縮めることはできなかった。後半だけを見れば負ける気はしなかっただけに、前半が悔やまれるが、リスタートから2失点という脆さはいただけない。
中断のあった2週間で、修正できているか。
宮本・稲本がピッチに揃い、そして旧友のピオトルを打ち負かし、ガンバファンにとっては2度美味しかったポーランド戦の勢いそのままに、次節は先手必勝。
久々の開幕2連勝。幸先の良いスタートをきった。
第2節の京都戦で、風邪で欠場の吉原の代わりにスタメンに入った橋本が右サイドを担当し、結果が出せたことは大きい。マグロンワントップの形で、吉原をど う使うか、右サイドに張り付ける形も試していたが、その解が1つ出た気がする。守りを固められた時、アタックをかけサイドを崩せて、さらにはマルセリーニョ が右へ流れた時には、中央から展開できる選手として、橋本の存在感が増してきた。マグロンワントップの下に二川・マルセリーニョ・橋本の3人を並べる形は、自 由なポジションチェンジで相手を惑わせ、高度なテクニックで華麗に敵をかわすプレーを期待したい。
さらにこの試合では、1つ1つのプレーでも光るものが随所で見られた。前半16分の右コーナーからのマルセリーニョの右足アウトサイドCKは、読ん
でいたマグロンも合わせられないほどゴールに向かって弧を描き、観客を唸らせたプレー。
また、33分の左サイドDFラインから前線右サイドにライン際に張り付いたマルセリーニョへ対角線に送り、正確につないだ新井場のロングパス。目立たない
けどすばらしいプレーでした。
まだまだ、伸び白の多いガンバ。次節もこの方向で突き進んでほしい。
今年のJリーグは久々に白星スタートとなった、嬉しいかぎり。 西野新監督の元、レイソル対策は狙いどおりに相手のサイド攻撃を封じ込め、マルセリーニョのダイレクトクロスを察知して、走り込んでいた吉原が頭で合わせ先制、そのまま逃げ切った形。
選手を褒めて試合に送り出したり、試合前日に万博で公開練習をしたり、これまでになかったやり方でモチベーションを高め、勝利直後には拳を上げて喜ぶ監督の姿には、内に秘めた熱いもの感じる。
また、マルセリーニョの加入により、サイド攻撃が一気に分厚くなった。たとえば、これまで新井場がドリブルで中央に切り込んでいた場面では、マルセリーニョがキープしてためを作り、新井場がオーバーラップしたところにスルーパスが出るようになり、これまで少なかったサイドを深く切り込むシーンが多くなった。まだ、周りの選手に合わせている感があり、吉原の得点シーンのように、味方の選手が彼のパス出しを予期して動きだせるようになれば、さらにスリリングなシーンが見れそうだ。
PSMでも感じたことだが、ガンバの選手はボールコントロールが実に上手い。贔屓でもなくお世辞でもなく。 ただ、昨年までは、パスをつないで、つないで、つないで・・・、それで終わり。その先が見えなかったが、今年は違う。このラストパスがつながれば決定的、という場面が一気に増えた。理由はマルセリーニョ加入だけではない、二川や橋本も非凡な展開力にさらに磨きがかかっている。 上位はまず間違いない。次節もこの調子で行けば問題ないであろう。
いよいよ待ちに待ったW杯イヤーのJリーグ開幕。
このオフシーズンは西野監督をはじめ、外国人選手2名(マルセリーニョ、マグロン)の獲得、さらには手術の回復が思わしくなかったビタウの代わりに急きょ3人目の新しい選手(ファビーニョ)の獲得も決まり、例年にない早い動きで強化が図られた。
シーズン前の唯一のPSMグランパス戦では、DF以外はほぼベストメンバーを揃え、まだ糊しろを残す順調な仕上がりを見せていた。特に、フィジカル面で一回り大きくなったガンバイレブンには驚いた。
マグロンとマルセリーニョの加入によりバリエーションが増した攻撃陣は、マグロンのワントップや吉原の右サイドといった形も試し、セットプレーではマルセリーニョからマグロンへのホットラインも出来つつある。マルセリーニョの急角度で落ちるFKは味方も惑わすぐらいの大きな武器となるはずだ。
守備陣は木場、柳本、新井場といったキャプテンどころをすべて欠き、受身に回った前半は、押し込まれる様相を見せたもの、後半は攻撃的に転じ終始ゲームをコントロールできていた。結果的に視察に来たペリマン監督の目から隠した新井場がキーマンになるであろう。
開幕戦の相手となるレイソルは、黄が出場停止で欠く上、チームを熟知している西野監督が相手となる。充実した強化が図られたガンバは、今オフシーズンから高まるモチベーションとホーム戦という地の利を大きな武器に、負ける理由は見当たらない。
いよいよ3回戦ホーム万博で天皇杯スタート。
昨年はレイソルをPK戦で制し、ジュビロを退場者を出したにもかかわらずVゴール勝ちで制してのベスト4進出。今年の天皇杯はその結果からか、対戦相手に恵まれており、油断さえしなければある程度のところまでは、駒をすすめそうである。
リーグ戦最終節、アビスパ戦で2名の退場者を出したにもかかわらず、劇的な逆転勝利を飾ったガンバ。この試合で復帰した實好が2日のセレッソとの練習試合でもスタメンで出場、守備に安定感が戻ってきそう。初戦のホーリーホックを退ければ、またアビスパとの再戦が濃厚。
攻撃に人数をかけず、守って得意のカウンター炸裂。
この勢いで、是非とも元旦決戦へ駒を進めてほしい。
前節対戦相手の東京Vはエジムンドという精神的柱を緊急補強し、降格争いをしているチーム。このチームのモチベーションに比べると、監督が交代し暫定監督 の元で消化試合的な位置付けにしかならない目的の定まらないガンバとは、あと1歩のところの粘りで差が出てしまう。1点差まで追いつけたものの、逆にあせりからなのか、エジムンドにDF3人がつられしまっての失点は、最近は見られなかった場面である。
次節の対戦相手Fマリノスも東京Vと降格を争っているチーム。
来季の新監督や外国人選手の入れ替えの情報が流れる中で、どうモチベーションを高めるのか、かなり難しい課題であるが、何としても連敗にストップをかけてほしい。
監督が交代して3バックに変更して2試合目のレッズ戦。前半レッズの攻撃を見てても、とても負ける気がしなかった反面、とても点が取れる気もしなかったといった印象どおりに決着つかずの引き分けに終わった。
ガンバは、幾度かあった決定的チャンスにブーレ・遠藤のシュートはゴールマウスを捉えられず。一方、レッズはトゥットをサブに入れ、後半投入からリズムを変え、早々の勝負どころで得点を思惑どおりに奪った。
システム変更した3バックの守備は、90分間安定するにはまだ時間がかかりそう。
次節は勢いある市原。高さに弱いガンバが崔を抑えきれるのか。
クロスの出所である両サイドの攻防が見所である。
ガンバの成長の指標と捉えていたエスパルス戦は、またもや黒星。
高さに弱い守備が、マンマークで抑えようとしたバロンの高さに、健闘むなしく、みごとにやられてしまった。両サイドからのクロスを出所で抑えられず、中央でも高さにかなわず、予想された形で失点。長期の課題がまた浮き彫りになった。
サポーターの残念な事件沙汰で、新聞等では試合についてほとんど触れられなかったが、一旦は逆転からリードし、これまでのエスパルス戦のように、試合の主導権を奪われての完敗ではなかったとは感じる。
さて、今週の大阪ダービー。相手はいまだ勝ち無し最下位のセレッソ。
失点24を考えるとガンバ楽勝と思えるが、セレッソが降格をまだ諦めずに向かってくれば、ダービーという舞台なだけに、勝敗の行方がどう転ぶかはわからない。
2ndホーム開幕の対1st王者ジュビロ戦では、初戦グランパス戦での守備の失敗を修正し、狙いどおりの守備を見せたガンバ。中央の大きな壁だった稲本の穴は、全員の守備意識の統一で補完し、ゲームプランどおりの接戦からこれしかないという形で勝利をかざった。
しかし、守った後の攻撃への展開にはまだまだ課題が多く、名古屋戦で遠藤が負傷という不安材料もある。
次節の相手はアントラーズ、1st最終戦の主力が不在だった鹿島とは違い今回は主力メンバー。
未知数の鹿島左サイドをいかに短時間で捉え、中央を固められるか。トップのポストプレーとフィードパスからの最終ライン裏への突破を自由にさせず、安全な方向へ追いやりながら最後で抑え、守備から自分達のぺースをつかみ、相手の隙ついてサイドアタック。ワンチャンスから決勝点を奪いなんとか接戦をものにしたい。
相手チームの台風の影響によるナビスコ杯の延期が、ガンバにとって吉と出るか凶とでるか。
2nd開幕の対グランパス戦、ピクシーの抜けた名古屋に出鼻をくじかれ開始早々の失点をはじめ、前半だけで無抵抗の3失点。お株を奪われたような名古屋の速攻に対応できず、脆くも崩れてしまった。全員で守っての速攻狙いが明確だった名古屋とは対象的に、前半ボールを支配するものの、守備時どこでチェックをかけるのか、FWは?。中途半端な守備で中盤でプレスもかけずに自由にさせてしまい、両サイドが上がった時のフォローもない、まさに監督のコメントどおりの自滅。
後半、名古屋の脆さも垣間見えたものの、ガンバが自分達のペースを取り戻し1点差まで詰め寄れたことで少しは安心したが、これまで出来ていたことをまた1つ1つ再確認していかないと、時間が空けばぼやけてしまうということ。
次節の相手は強敵ジュビロ。中山・服部が代表戦の勢いをそのまま万博にもってくるはずであり、入り方を間違えれば早々に勝敗が決まってしまう可能性もある。省エネモードでは通用しない相手であり、全員が数割増の運動量で戦力をカバーし、1点差勝負に持ち込めれば勝機は必ずある。
連敗しないようにというより、前節の負けは忘れてこれからのゲームを1つ1つ勝っていこう。
先取点が勝敗を大きく左右する、前節速攻得意の両チームの対戦は、狙いどおりに試合開始早々からガンバが一気に仕掛け、相手がガンバの動きに慣れる前に、吉原が遠藤からのミドルパスをダイレクトボレーでゴール内へ蹴りこみ、試合展開は序盤でガンバに有利に傾いた。
後半、序盤のFC東京の攻撃を受けて抑え、相手がひるんだ直後に稲本が中央から切り込み、小島とのワンツーフィニッシュを、2試合連続でこれまた期待を超えた動きで、勝利を決定づけた。
効率のいいペース配分でFC東京を難なく下し、いよいよ最終節はアントラーズ戦。
鈴木と柳沢を欠いた飛車落ちとはいえアントラーズはアントラーズ。終盤、試合毎に試合巧者ぶりを見せ、3連勝と上り調子のガンバが、これまた試合巧者の老舗チーム相手に今のガンバがどこまで戦えるのかに注目したい。今シーズンのガンバの集大成を、満員のホームスタジアムで見せてほしい。
そして、この試合が稲本のガンバでの最終戦。
ユース時代から輝き、そこに居て当たり前だった選手がいなくなる寂しさで空いた心の隙間を、海外で活躍するニュースで埋めてほしい。そして、最後のプレーをしっかりこの目に焼き付けておきたい、日本代表で疲れた稲本のプレーではなく、ガンバ稲本の真のプレーを。
前節の東京ヴェルディ戦は、期待に応えるかのような稲本のゴール付き、それも珍しいヘディングシュートとは、シナリオどおりに演出されたドラマのようだった。とはいえ、昇り調子と想定していた相手チームは、試合開始早々両サイドが前掛りで、早々と2点失点、以降中盤の動きも鈍く、ガンバの速攻がみごとにはまった前半に勝負がついてしまった。
後半のセットプレーは、稲本ゴールの演出という意図がみえみえの動きをしていたにもかかわらず、2回目のFKで華麗なヘディングゴールを決め、みごと期待に応えてくれた。
遠藤の逆サイドへの精度の高いロングパスは、ガンバの切れ味あるカウンターを蘇らせ、ビタウは1得点2アシストの場面で技術の高さを見せてくれたが、日本の蒸し暑さに慣れないブーレが後半幾度もあった決定機を一度も決められず、ブレーキになったことだけが残念だった。
早野監督の思惑どおり、お得意の速攻が蘇ったが、勝ち点19で並ぶ次節の対戦相手、FC東京もカウンターサッカー。ケリーの出場停止はガンバにとっては好材料だが、ガンバが得点狙いのカウンター攻撃にどう持ち込んでいくのか、その仕掛けに今シーズンの成長ぶりを期待したい。
J再開後、ナビスコ杯を挟んで10失点で3連敗、退団したダンブリーの穴が大きいのか、と心配した感も あったが、得点も3試合で6得点と増えており、内容的には良くなりつつある、といったプラス部分もある。 J中断で、ガンバのサッカーがさらにゲームを支配するサッカーへ変化しつつある中で、ゲームをコント ロールする最中、中盤の危険な場面でボールを失うシーンが増えている。これまでのガンバが得意な、 守備から攻撃へ素早く切り替えるカウンターとは逆に、攻撃から守備への素早い切り替えが課題として見 えてきている。
前節サンフレッチェ戦は2失点したものの3得点は、試合展開も面白く、ようやく白星をあげることが出 来たが、サンフレッチェの守備の甘さを差し引くと五分五分がいいところ。土曜日のセレッソとの練習試合 でも、代表組の欠けたとはいえ、中盤でボールを失う場面が多く、相手の攻撃からは失点しなかったものの、 守備の連携ミスから、オウンゴールを献上してしまった。
次節の対戦相手東京ヴェルディは、前節から上り調子のパスサッカー。両チーム試合中の駆け引きに興味 が沸くところだが、代表初ゴールを決めた稲本が、その勢いで、ガンバでもゴールシーンに絡んでくれば、 今の得点力からすればいい結果に結びつくはず。
代表では枠へ飛ぶいいシュートを打つ稲本、しかし、ガンバでは当たりそこないのシュートしか見たこと がない。一度ぐらいガンバファンにビシッと決めるところを見せてくれ>稲本。
4節、大阪ダービーは自ら演出したように終了間際の決勝点で勝ち点3をゲットし、満開桜を散らすことができた。ガンバは優勢に展開しそうで、最後の詰めでパスがつながらずに、なかなかペースをつかめず、逆にボールを奪われ、セレッソの長い縦パス1本の逆襲に幾度もピンチを作るが、都築の ファインセーブの連続で流れはセレッソには傾かずに済んだのが幸いした。終盤の決勝点までチーム一丸となって、最後まで諦めずに組み立て続けた結果の勝ち点3は大きいが、それ以上に得た自信は大きいものがある。
5節、エスパルス戦は今シーズンのガンバを占う意味でも序盤戦の山場となる試合。中盤の巧みなパスワークから両サイドの速い攻撃に対し、どう挑むのか。昨年はしてやられた両サイドのアレックス・市川が好調なうえに、バロンの高さが加わったエスパルスに対し、高さに難のあるガンバDF陣がどこまで 踏ん張れるのか、前節ダンブリーが不調だっただけに不安なところだが、形になりつつあるサイド攻略で、積極的に両サイドを押し込み、手薄になった中央からシュート力あるビタウ・遠藤へつなぐことができれば、今度こそ主導権を奪えるのだが。
3節、関西ダービー・ヴィッセル戦は試合前にヒョウが降る寒い天気の中、ブーレが一発退場となり
10人となったにもかかわらず、風邪で欠場した稲本の穴を埋めた橋本が、守備面そしてVゴール
のお膳立てと活躍し、貴重な勝ち点2をゲットした。2節でメンバーから外された山口貴も好調な
ところを見せてくれたが、ブーレ退場のあおりを食ってフルに生きなかったのが少々残念なところ
だが、10人になっても慌てることなく落ち着いてカウンターを狙った試合運びは、昨年の経験が
糧となった証拠。
この試合で退場処分となったブーレは出場停止1試合となり、リーグ戦には影響が出なかったのは
幸い。水曜のナビスコカップを、吉原と共に休めたことで、スタメンFW陣は次節にいいコンディ
ションで臨めそう。ナビスコカップでは他にダンブリー・山口貴・都築が骨休み、逆にこれまで出
番の少なかった松波・二川・山口智が先発フル出場を果たし、松波が2得点、二川は華麗なボール
テクニックで相手選手を3人も引き付ける活躍で、結果を出せたことは大きい。稲本も後半途中出
場を果たしフランス遠征から遠ざかった試合感を取り戻せた。ただ、山口智はまだ周りとの連携面
で課題が残り、チームになじむにはまだ少々時間がかかりそう。
次節は大阪ダービー・セレッソ大阪戦。前節ホームで120分間鹿島アントラーズと戦い、ナビス コカップで2列目以外の主力を起用したセレッソより、主力を温存出来たガンバの方がコンディシ ョンとしては良いはず。セレッソ中盤の韓国トリオをいかに抑えるか、ナビスコカップ・パープル サンガ戦での2得点のようなサイドの速い攻撃からダイナミックなクロス、そしてDFラインの裏 を狙う形でセレッソの守備を撹乱できれば、中盤を支配できる。先手必勝。
次の対戦相手は初の3連勝を狙うヴィッセル。
カズ効果か、連勝効果か、神戸ユニバーには3万人の観客が見込まれているとのこと。
今シーズン補強したヴィッセルセンターライン、シジクレイ・サントスを中心とした守備を
ガンバがどう攻略していくかが見所。ホームで3連勝を目論み、勝ちに出てくるヴィッセルの
サイドのオープンスペースを生かした、サイドからの速攻にさらに磨きがかかれば、一気に
得点を重ねられるはず。
しかし、宮本の欠場のうえに、フランス遠征帰りの稲本が体調不良でコンディションが心配
され、守備面に不安な面も。今シーズン補強した遠藤・山口智がこの2週間でチームになじみ、
穴を埋めてくれることに期待したい。
前試合(昨年2ndステージ)同様にキャプテン木場を中村にマンマークにつけ、前節までとは
逆に稲本を守備優先、遠藤を攻撃的MFに据え、シュート力UPを狙った布陣。吉原も完全とは
いえないがスタメン出場で復帰を果たした。
前半は抑え気味に進めていたが、終了間際にリースタートから左サイドでDFが田中につられて
背後に入った波戸をフリーにしてしまっての失点。
後半ガンバ課題だった右サイドからの攻撃を仕掛ける。マリノスが田原を入れ2トップに変更し
た数分後、遠藤の起点から右サイドをビタウ・ブーレで突破、ブーレのヒールパスを遠藤が決め
る。同点弾という以上に右サイドのシナプスが繋がり始めた意味ある攻撃だった。さらに、中村
マークの木場をはずし松波を入れさらに勝負に出るが、宮本が膝を痛め、自ら交代要求した直後
にオウンゴールを献上してしまった。しかし、宮本の代わりに山口智が入った数分後、スローイ
ンからのチャンスにブーレがゴール前で個人技から得点を決め、さらに2分後、ブーレが川口の
手をかわすようにカーブがかったミドルシュートを決め逆転、またもや前試合同様、終盤での逆
転勝利をもぎ取った。
宮本が右膝の内側側副靭帯損傷で全治3週間というのは痛いが、課題であったビタウと周りとの
連携では1歩前進し、今後に期待できる試合内容だった。
苦手博多の森から始まった今シーズンは、ロングスローのクリアボールを久永に2本も決められての黒星スタート。アビスパのシュートらしいシュートといえば、このリスタートからの2本だけだっただけに、悔やまれる結果になってしまった。
ガンバはといえば、期待していた試合展開を逆にしてやられ、往復ビンタを食らってようやく後半から自分達のペースが出だしたものの、新加入選手の山口・遠藤と周りの選手との連携や、前にポジションを移したビタウとFW・SBとの連携にはまだ時間がかかりそう。しかし、稲本が積極的に攻撃参加するシーンは昨シーズンは見られなかった光景で、1stステージの見所の1つである。まだ遠藤とのバランスが若干不安なのか、前へ出ることをためらっていたような気もするが、改善は時間の問題であろう。超攻撃的左SBの新井場に加え、フィジカル的に強い稲本がペナルティエリア近くまでドリブルで食い込んでくる攻撃シーンは爽快である。
さて、次節いよいよホーム開幕戦。相手は、昨季2ndステージで終了間際から大逆転勝利を頂いたFマリノス。今季戦力ダウンしたと言われるFマリノスがどんな戦い方をしてくるのかに注目したい。これまでのプライドを捨て、身の丈サッカーをしてくれば侮れない相手だが、ガンバ 自身が優勝候補という言葉に踊らされず、今の延長線上でチーム全体が機能し出せば、コンディションをホーム開幕戦に合わせてきているだけに、大差勝利を飾れるかもしれない。
いよいよ待ちに待った開幕。今年こそは、と毎年期待するが結果はいつものごとく。しかし、今年は何かこれまでとは違う期待感が高まる。宮本・稲本の移籍を視野に入れ補強した遠藤・山口智に加え、結果的に残留となった宮本がプラスとなった補強は、ファンの期待感を高まら せるに十分な材料である。稲本が守備優先で我慢を強いられたビタウとのボランチコンビも、遠藤の加入により、稲本はより攻撃への参加、ビタウはその攻撃力を生かすために前へ配置することが可能になった。また、センターバックに山口智を入れることにより、DFライン中央 からのオーバーラップも期待できる。
開幕戦は昨季2ndステージで6連勝を阻止された苦手博多の森でのアビスパ戦。前試合では、アビスパに深く守備を固められ、間延びしたスペースをビスコンティにうまく使われての黒星。ガンバが苦手とする引いたチーム相手にいかに攻め手を作るか、初戦から課題の克服が求めら れるが、まずは精度の高いFKが蹴れる両選手の加入で増したセットプレーからの得点チャンスをうまくものに出来れば、後の試合運びは楽なものになるはず。