ドイツ旅行記第7日目
9月24日(金)
7時半に起きて、8時半にはノイシュバンシュタイン城の入場券を買っているはずだったけど、二人とも疲れていたせいで寝坊してしまった。
急いで準備して荷物を車に積み、朝食用レストランへ。
人のよさそうなおばあちゃんが朝食を用意してくれた。
ここでもいつものチョコレートクリーム。やっぱりウマイ。
チェックアウトを済ませ、車でノイシュバンシュタインの麓の村へ向かう。
少し道に迷ったが、進むうちに山の中腹にそびえる白い城が見えてきた。
うーん、幻想的…!
日本にいたときによく見た、絵葉書のノイシュバンシュタインは、ちゃちな新しい城型の建物と思っていたけど、こうしてドイツの山の中に忽然と現れるのを目の当たりにすると、やっぱり美しいかも…。
村に入ってすぐのパーキングに車を停め、チケットセンターへ。
英語、ドイツ語、オーディオガイド、にツアーが分かれていて、私たち日本人はオーディオガイド。
電話の子機みたいなものを持ってガイドを聞くツアーだ。
チケットを買うと10時25分入場のグループ。1時間以上もあとか。遅いなあ。
ホテルリスル前からバスが出るらしいので、リスルという看板の前で待つ。待つ。待つ…全然バスが来ない。しかも、乗客も来ない。?
ふと横を見ると、小さな小屋があり、しかも、その奥に日本人の大群が並んでいる。ぎゃー!
慌てて最後尾に並ぶ。
しばらくして小さなバスが来た。
満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めで乗り込んでいく。
前の日本人の団体さんがもうちょっとつめてくれたら、ぎりぎり私たちも乗れそう、と思ったとき、その団体さんのツアコンの女が私たちに向かって「危ないです!」と叫んで睨んだ。
なんだそりゃ。
自分たちが乗xったから、あとには乗るなって?こういうの、イヤよねー。
いつも思うんだけど、どうしてツアコンってああもツンケンして威張ってんだろ。
バスはくねくねと山道を登り(途中、景色のひらけてるところではバスの乗客から歓声が上がった)、山の中腹で乗客を降ろした。
日本人の団体がバスの前で集合しているうちにマリエン橋へ急ぐ。
マリエン橋はノイシュバンシュタインが一番美しく見えるスポットで、旅行書なんかで使われてる写真はすべてここから撮ったものだ。
ドイツ人の夫婦一組が、のんびり景色を眺めている。
私たちもお城を背景に写真を撮った。
…と、ドヤドヤとさっきの団体客が来て、一気に橋の上は満員電車並みに。団体客は嵐のように写真を撮り、目を丸くしているドイツ人を尻目に、再び嵐のように去っていった。
海外での日本人観光客というのは悪名高いらしいけど、団体&写真&せわしない、というのがその原因なんではないだろーか。
団体さんが再び集合している間に、私たちは城へ向かって山道を下る。
途中、何箇所かビューポイントがあって、それぞれにため息が出るほど美しい。
眺めていると、後ろから突然ざっざっと大量の足音が聞こえてきた…団体だ!
さっきまで私たちだけだった静かなスポットは、ピラニアのように(笑)群がる団体に占拠されてしまった。
団体に追いつかれないように早足で(途中走ったりして)城へ向かう。追いかけっこか(笑)
白い白いノイシュバンシュタインの門をくぐり(なるほどシンデレラ城のモデルになったわけだ)、私たちのグループ番号が電光掲示板に表示されるまで待つ。番号が出たら、チケットを差し込んで中へ。入り口でオーディオガイドを渡され、さらに中へすすむ。
城内は勝手に歩いて見学することができないようになっていて、グループにひとりずつ係がつき、一区画ずつ、ロープで区切って見学しながら進む。
次の見学ポイントに移るたび、係員が自分の持っている赤いリモコンを私たちに向けて、私たちのオーディオガイドから新しいガイドが流れてくるように操作している。
なんだか、私たち、操られてるみたい…(笑)
ノイシュバンシュタイン(白鳥城)、ルートヴィヒ2世の夢のお城はとにかく豪華、というか、ワーグナーおたくそのものだった(笑)
いたるところに中世の騎士の絵がかかり(建てられたのは騎士の時代よりもずっとずっとあと)、白鳥のモチーフが登場する。ルートヴィヒが物語のキャラになりきって妄想していたのがよくわかる。
この王さま、現代に生きてたら絶対映画オタクだよね。スターウォーズマニアとか。自分の家をジェダイテンプルとかにしちゃうんだ。
このお城、着工はほんの200年ほど前でしかなく、しかも例えるなら、今大金持ちが江戸城とそっくりな豪邸を建てるようなもので、必然性もなくそこで暮らした人々の歴史もない。
ドイツにある、他のたくさんの古い城ほど、私の興味をかきたてはしなかったけど、シンデレラ城のモデルになった城、という意味では一回くらい見ておいてもいいかなと思った。
なんなんにつられて、城の出口でポストカードを何組も買って散財しつつ、城を出てもと来た道を戻る。
私たちが城の内部を見学していたときは外でざあざあ雨が降っていたのに、私たちが外に出たとたん、さあっとあがった。普段の行いがいいからか?(笑)
ひいふう言いながら山道を登り、同じバスで麓まで降りる。
パーキングの車に戻り、次の目的地、ミュンヘンまでの道を確認。
ドイツ国内を走ってもいいのだが、事前のリサーチで隣国オーストリアに抜ける道を使うと早いとあったので、そっちへ向かうことにする。なんといっても、車で国境越えなんてなかなかできる経験ではない!
オーストリア方面へ向かおうとしたが、田舎道ゆえ標識も少なく、何度も同じ道を走るはめになった。
途中寄ったコンビニで(またしても英語通じず)オーストリアの「ロイト」への道を教えてもらい、なんとか軌道修正する。
山間の小さな小さな集落をいくつか通り過ぎるころ、なんなんが「もしかしてもうオーストリアに入ってるかも」と言った。
ええっ、国境なんてあった!?パスポート見せてないよ〜!と騒いでいるうちに、目の前に小さな小屋…高速の料金所みたいなものが現れた。
中は無人だ。
何の気なしに横を通り過ぎて気づいた。
もしかして、今のが国境…!?
表示も何にもないじゃん!!(笑)
とにかく、私たちはオーストリアに入り、山を回避して、またドイツに入ったわけだ!
車は一路アウトバーンでミュンヘンへ。
順調に市内へ到着したが、ここからが大変だった。
ミュンヘンはフランクフルトと並ぶ大都会。しかも今は世界一のビール祭り「オクトーバーフェスト」の真っ最中だ。雨が降っていることもあってか、広い道路はたくさんの車で大渋滞。全く進まない。道を間違えても動かないのでなかなか現在地を把握できず、いらいらが募る。
やっとのことでホテル「Deutsches Theater Downtown
Hotel Munich」に到着。
部屋はたばこ臭かったけど仕方がない。なんせ、オクトーバーフェストのために世界中から観光客が押し寄せているので、ホテルをとるのも容易じゃないのだ。
さて、レンタカーを返しに行くという仕事が残っている。
ネットで調べておいた返却場所に行ってみるが、どうやら情報が間違っていたらしい。AVISやヨーロップカーはあるのに、ハーツはない。
仕方がないのでミュンヘン中央駅へ向かう。
ハーツのオフィスでも待たされ、新しくなった返却場所の地図をもらい、さんざん迷いながらようやく返却場所に着く。疲れた…
係員が車体を点検して、渋い顔をしながら書類になにやら書き込んでいる。
どこもぶつけてないつもりだったが、結構こすったりしていたようだ。
保険に入っていてよかった。
やっと車を返却したものの、この時点ですでに17時半。
結局3時間も街をさまよっていたことになる。
あああ、もったいない…。
ドイツ博物館と市庁舎の仕掛け時計、見たかったなあ…(T_T)
仕方がないので、マリエン広場へ行く。
途中、雨が降ってきて寒かったけど、ドイツはアイスクリームもおいしい、というガイドブックのコメントを思い出し、ティラミスのアイスを買って食べてみる。
これが、激ウマ!!
濃厚でいてしつこくないのだ。またドイツに行ったら食べたいと思うくらい。
もう終わってるとは思ったけど、市場を一目見てみたいと思い、ヴィクトーリエンマルクトへも行ってみる。
ほとんどの店は閉まっていたけど、フルーツやさんのジュースバーが開いていたので、ミックスジュースを買い、ノルトゼーという魚料理のファーストフードショップでフィッシュバーガーをゲットして食う。
ミックスジュース、うめえ…
すっかり日も落ちた中ミュンヘン名物白ソーセージを食べに、ガイドブックに載っていた店に行く。
席に着き、白ソーセージを注文すると、なんと売り切れ。
確かに、ガイドブックには午前中にはなくなる、と書いてあったけど…ガックシ。
白ソーセージがないならこの店で食べる意味はない。
夕飯はオクトーバーフェストで食べることにして、店員さんに断り店を出る(快く了承してくれた)。
地下鉄でオクトーバーフェスト会場のテレージアンヴィーゼ広場へ行く。
会場に着くと、だだっ広い敷地に、ビール会社のでっかいテント…いや、ドームがいくつも並んでいる。ホフブロイやレーベンブロイなど有名な会社のものもある。どのドームも電飾で飾られ、会社のマークやらカラーのデザインされた塔がドームの前に立っている。
ドームの周りにはいろんな屋台(というにはしっかりしすぎだけど)が並んでいて、すごくそそられた。
いろんなドイツパンにいろんなソーセージをはさんだホットドッグ、果物の飴がけ、ホットワイン、フライドチキンや魚、ケーキやコーヒーを出すデザートやさんまで。
とりあえずホットドッグ(う、うまい…!)を買ってほおばりながら、山盛りの酔っ払いをかき分けて見て回る。
オクトーバーフェストには、なんと仮設遊園地まであった。
規模も大きくて、仮設なんていえないくらいの乗り物の種類と大きさだ。
どれも電飾できらきらしていて、見ているだけで楽しくなってくる。
酔っ払うのが目的だからか、遊園地の乗り物は空いていて、あとでどれかに乗ってみようと思った。
さて、そろそろどこかのドームに入って、ビールとフライドチキンかなんかで騒ごうか?と手近なドームに近寄ると、ドアの前には人がいっぱい。
こりゃあダメだ、と他へ行くと、そこも同じ。
待つしかないのかなーとドアの前に並んでみたが、いつまで待ってもドアが開く気配がない。たまーに中から人がガラス越しに何か叫んで、ドアの前の誰かが抜けていく、とそんなかんじ。
一時間ほど待っただろうか、さすがにおかしいと思い近くの売店のおじさんに「これはどうやったら中に入れてもらえるの?」と聞いてみると
「今日はもう入れないよ。明日の朝チケットを買えれば、入れるんだよ」。
あとで知ったのだけれど、オクトーバーフェストは半分以上の席が事前の予約で埋まっており、残りの分は当日買えるけど、入れ替えがない。ようするに、席が空けば入れるわけではないのだ。
その上、ドイツ人たちは朝から夜中の2時まで、延々と飲んでいるらしい!
そういうことなら、私たちが中に入る見込みは全くない。
すご〜〜〜〜く楽しみにしていただけに、落胆もひとしお…。
なにしろ、世界中で有名なお祭りに参加できるなんて、こんなラッキーなことってある!?と、めちゃめちゃ想像をたくましくしていたのだ。
でっかいテントの下大音量でドイツ伝統の音楽が鳴り響く中、ばかでかいビールジョッキを手に、これまたばかでかいプレッツェルを囓りながら、酔っ払ったドイツ人と肩を組んで「アインツヴァイドライ、ゲズッファ!」と歌う自分を…(T_T)
あああ、楽しかったろうなあ…
これにはさすがのなんなんもショックだったようで、しばらくしょげていた。
気を取り直して、さきほどの屋台を買い食いしながらジックリ見て回る。
アジア人はほとんど見なかった。
ドイツ人もそう思っているのか、酔っ払いたちがしきりに私たちに手を振ったり話しかけたりしてくる。
「それおいしい?」だの、「これTea?」だの。
ダンプフヌーデルンという、ふわふわしたパンに甘いミルクをかけたようなケーキを、隣の夫婦を真似して食べてみたところ、その夫婦が「ドイツ伝統のお菓子なのよ、味はどう?」と話しかけてきたり。
陽気に酔っ払った若者は、「プレゼントだよ」とゲームの景品のぬいぐるみをくれた(笑)
一度だけ、ドイツ人の若者とすれ違いざま「黄色い猿め!」と吐き捨てるように言われた。
今回のドイツ旅行中、この一回以外はドイツ人から差別的な言葉や視線を向けられたことは無かったので(他の欧米諸国では少なからず感じるのです)、すごく残念。
まあね、ナチスを生んだ国ですから、そういう考えの人が今も残ってるのは当然と言えば当然かもしれません。彼は旧東ドイツの地域から来た人だったのかも。でも大半のドイツ人は、勤勉で優しい人たちだと思いますですよ。
私の希望で、なにかアトラクションに乗ることにした。
選んだのは、円形に椅子が並んでいて、それがぐるぐる回りながら上下のアップダウンを繰り返すもの。
これが、大後悔。
最初は楽しかったけど、あまりの時間の長さに、だんだん気持ちが悪くなってきた。
やべー、吐く…
向かいに座っていたおじさんも、途中からぐったりして何も喋らなくなっている。
私は、何か喋ってないと吐いてしまう!と思ったので、ひたすら「もういいー!」と叫んでいた(一緒に乗っていたドイツ人が「モウイイー」と真似してしまうくらい(笑))。
ライドが停まり、降りたときにはもう、口を押さえてしゃがみこんでしまう状態に…。それでも私はなんとか吐くのを我慢したけど、おじさんは見事にゲロッていた(笑)
地下鉄でも吐き気をこらえながら、なんとかホテルに帰る。
寝る前にテレビをつけたら、映画「ロビンフッド」を流していた。明日は「仮面の男」と言っていたので、中世特集なのかな?と思った。