朝7時半起床。
頭痛はなくなっていた。よかった…!
身支度してロビー横の朝食用レストランへ。
ヨーロッパのホテルは朝食が部屋代に含まれているのが普通だ。
コンチネンタルブレックファスト(パンとコーヒー、チーズなどのコールドミール)のブッフェだけど、フルーツやらゆで卵も置いてあった。
学生時代にイタリアやイギリスに行ったときは、ホントにパンとコーヒーだけだったけど、あれはもっと安いホテルを使っていたからだったのかな。
テーブルについて食べながら、ウェイトレスのドイツ人のおばさんたちを見るともなしに見ていると、おばさんたちは実によく働いている。
少しでもブッフェの皿のチーズが減ろうもんなら、さっと奥へ引っ込んで新しいチーズの皿を持ってくる。パンやチーズの皿を取り替える必要がなくなると、すかさずコーヒーの入ったポットを持って各テーブルに「コーヒーのお替りはいかが?」と足して回っている。
しかも、にこやかでとっても気持ちがいい。
日本のホテルに見習えと言いたいくらいだ!
ドイツ人ってなんて働き者!!
チェックアウトしてスーツケースを引きずり、昨日の中央駅へ。
今日はここでレンタカーを借り、マインツに寄ってからライン川を北上し、リューデスハイムや、できればコブレンツに寄ってから、再びライン川を南下して、今日の宿泊地オーバーヴェーゼルに行く予定。さらにできれば、途中でエーベルバッハ修道院(ショーンコネリー主演の映画「薔薇の名前」でロケ地として使われた)にも寄りたい。
…そんな予定を立てたことが、全く無謀だったと気づくのに、それほど時間はかからなかった…
中央駅のハーツレンタカーのオフィスにたどり着き(ちょっと迷ったけど)、日本からの予約確認書を見せて、レンタカーを借りる。
オートマ限定だとあらためて伝えると、今はオートマ車はsmartしかないという。
ス、スマートですか…。
道幅の狭いヨーロッパにはよくある車だけど、あの、ミュゼット並みに小さい二人乗りだよね〜〜〜(T_T)えーん。ベンツを期待してたんだけどな…っていうかスーツケース入るんか〜??

他のはないかと聞くと、ステーションワゴンならあるという。そりゃまたデカイ(T_T)
そうなると今度は私が運転しづらいし…。
諦めてスマートの鍵を受け取る。
指定されたパーキングに行くと、あったあった、smart!
でも、心配していた二人乗りのsmartではない。
日本では見たことのない、smart for fourという4人乗りの車だった(日本に帰ってきたら、ちょうど
この車種が新しく販売開始になっていた)。スーツケースもぎりぎり入る。ヨカッタ!
早速乗り込んで走り出す(もちろん左ハンドル右側通行)。
なんなんにあらかじめネットで購入しておいた地図を渡してナビをお願いして、私は右側通行に慣れることに専念する。
これが、間違いの元だった!
私は事前にドイツ語やある程度の地理を予習してあったので、標識と地図を見ながらなら簡単に自分の望む方角に行けると楽観視していたのだけれど、なんなんは地図も初見なら地名も方角もドイツ語もほとんどわからなかったらしい。おまけに、なんなんは海外ドライブ初体験。そりゃ緊張もするわな…
気づいたときには自分たちの現在位置もわからないところに来てしまっていた。
結局、地図を見直し人に聞きながら、最初の目的地マインツに着いたときにはとうに12時を回っていた(T_T)
最初の予定では、昼ごろには2番目の目的地リューデスハイムに着いているはずだったのだけれど、仕方がない。
予定を大幅に変更して、今日はリューデスハイムに寄ってホテルにたどり着ければいいということにしよう。
地下のパーキングに停めて、小雨のぱらつく中インフォメーションを探す。
地図があれば便利と思ったのだ。が。いっこうにインフォメーションが見つからない。
塔の中にあるギャラリーのお姉さんに道を尋ねることにする。
「ヴォーイストディーインフォルマチオン?」
ちょっとカッコつけてドイツ語で。
「インフォルマチオン?」
通じた。
通じたのはいいんだけど…
「○△★☆◇○?」
返ってきた答えが当たり前だけど全部ドイツ語だ〜〜!!(汗)
全然わかんねえよ!!(笑)
道、とか右、とか、断片的に単語は聞こえてくるものの、はっきり言って言ってることは全然わかりません!!
「ダンケシェーン!」
と分かったふりで逃げるようにその場をあとにしまちた…
結局、ガイドブックによるとインフォメーションは日曜日はお休みとのこと。見つからんわけだ。
地球の歩き方を頼りに、大聖堂を目指す。
着いてみると大聖堂は、なんと改装中。残念。

中に入ると、ミサがおこなわれているようす。そっか、日曜日だ。
本当は入っちゃいけないんだけど、静かにしてるから、ちょっとだけ覗かせてね…(他の観光客も結構いるようだった)
壇上では白いエプロンみたいなのをつけた聖歌隊が、聖歌を合唱していた。
ミサには何度か遭遇したことがあるけど、こういう聖歌は初めてだ。
ポップス調にアレンジしてあるのだろうか、やたらと耳なじみがいい。そのせいか、荘厳さには少し欠けるかな。バチカンのミサは本当に涙がとまらなかったんだよなあ…。
しばらくその雰囲気を楽しんで、外に出る。
写真はあまり撮れなかったけど、心が洗われたような気がする。
外に出ると雨はやんでいて、さっきまで閑散としていた広場は、いきなりお祭りのようになっていた。
わたがしを売っていたり、お城の形をした(さすがドイツ!)バルーンがあったり。

子供ばっかりなところを見ると、地域の子ども会のイベントみたいなものだろうと思うんだけど、詳細は不明。
おなかがすいたのでキルシュガルテン(教会の庭という意味)をぶらぶら歩いて手近なケバブのお店に入る。
ドイツにはトルコ人が多いので、ケバブのお店も多いらしい。
メニューがすべてドイツ語なので、お店の人に英語で説明してもらって注文する。ケバブ、なかなか美味でした!(しょっぱかったけど)

なんなんはビールをかっくらって気分がよさそうだ。私はドライバーなのでりんごジュース(水で割るかソーダで割るか聞かれました。そのくらい濃いってこと?)。
パーキングに戻る途中、自転車に乗ったトルコ人が英語で話しかけてきた。
話に聞くところによると、トルコ人は、日本と日本人に特別な親しみを感じているらしい。嘘かホントかしらないが、第二次世界大戦のときにある日本人がたくさんのトルコ人の命を救ったからとか。
とにかく、このトルコ人も日本人の女の子が大好きみたい(笑)
どこから来たの、とかドイツにはいつまでいるの、だの話しながらパーキングの入り口までついてきてしまった。
特になんなんを気に入ったようで、もう行かなくちゃいけない、と言っているのに「一緒にヴィースバーデン(マインツから車で10分くらい)に行こう、きれいな街だからきっと気に入るよ!」となんなんの手を握って離さない。
惚れられたな、なんなん(笑)
なんなんがいつまでたっても断れないでいるので、かわりに私が、今は行かなくちゃいけないから行くけど、あとで手紙出すから住所教えて、とごまかし、断ってあげました。

しかしあいかわらず濃い顔のガイジンにモテるなんなん。
たしかバリニーズにも人気者だったなあ(笑)
車に乗り込んで、いざ次の目的地リューデスハイムへ。
しかしまたここで道に迷ってかなりの時間をロス。
私も運転していてだんだんイライラきてしまう。
ここで学習したことは、やっぱり標識が一番正しいということ。
見慣れればドイツの標識はすごく分かりやすいのだ。
標識に出てくるようなドイツ語なんて、そんなに多くはないので、覚えちゃえば問題ない。
人に聞いたり地図を広げたりしながら、やっとのことでリューデスハイム到着。
リューデスハイムは小さい街とはいえ有名な観光地で、ラインくだりの船の発着場もあるので、世界中から観光客がやってくる。
私はあまり観光地観光地した場所は好きじゃないので、あまり長く時間をとるつもりはなかったのだけど、一応押さえておかねば!ということで車を停めて歩いてみる。
土産物やを冷やかしながら歩いていたら、面白い絵葉書を見つけたので、定番の葉書と一緒に買ってみる。
誰に出すんだ、こんな葉書(笑)

中世マニアのための(?)店もあった。
鎧や武器、あらゆる種類のチェスの駒などがウィンドウに並んでいて、私がヨーロッパに家を持っていたら絶対買っちゃう!(日本の家には似合わないので諦めました(笑))

鎧。これももちろん売り物。

イギリス軍のチェスのコマ。シャーピィはいませんでした(笑)

中世風のコマ。
途中、名物「リューデスハイマーコーヒー」を出すカフェがあったので、試してみることにする。
ウェイトレスが空のコーヒーカップを持ってきて、目の前でブランデーを注ぎ(リューデスハイム特産のブランデーらしい)、火をつけてかき混ぜ、そこにコーヒーを注いで生クリームとチョコレートをどっちゃり乗せる。
この作り方から想像できると思いますが…
甘!!そしてキツッ!!

ほとんど下戸のgucci、とてもじゃないが飲めない(T_T)
っていうかドライバーだし。
仕方なく、お酒に強いなんなんが私の分まで手伝ってくれた。
すげーな、あんなのを2杯も飲んで普通に歩けるなんて、漢ですな、なんなん!!
再びライン川沿いにそぞろ歩き。
かの有名なつぐみ横丁(ドロッセルガッセ)を見つけて歩いてみる。

つぐみ横丁はワイン酒場がたくさん並んでいる、観光客にはおなじみの通りだ。
狭い道の両脇には、かわいげなワイン居酒屋が並んでいて、中からは軽快な音楽も聞こえてくる。すごく雰囲気がいい。
一番イメージが近いのは、ディズニーシーといったらわかってもらえるでしょうか(笑)
ふと気づくと、4時を回っている。
慌てて車に戻り、ライン川を北上する。
道中、川の両岸にいろんな城が現れては消えていく。

丘の上の城。

対岸の城。

川の中州の城。
日本でガイドブックを見ていたときは、この城を全部制覇したい!と思っていたけど、いざ来てみると、とてもそんな余裕はない。
それに、城は川からかなり上、高い山の上にあるので、一つ行くだけでかなり時間をくいそうだ。
車の右にはライン川沿いの線路があり、ときどき電車が追い越していく。
車の左にはライン川が流れ、そこを下っていくラインの観光船の中でたくさんの観光客がライン沿いの城を眺めている。
カーステからは、リューデスハイムで買ったドイツ音楽(ローレライ、ディーラインマイン…)のCDが流れている。
私もなんなんも、初めて聴く音楽にめちゃくちゃにあわせて歌いながらドライブを楽しんでいる。
なんて素晴らしいんだろう!!
旅の醍醐味を味わう。
ときどき道端に車を停めて、古城の写真を撮った。
途中まで城の名前を確かめながら写真を撮っていたが、あまりの城の多さにどうでもよくなって、とりあえず写真を撮った(笑)
有名なローレライ(そこに美しい乙女が座って歌を歌い、船乗りたちを惑わせたという伝説があるらしい)は、ただのでかい岩(というより山…)で、情緒も何もない。

意外とそんなもんよね(笑)
さてそろそろ時間が迫っている。
今日の宿、古城ホテル「アウフシェーンブルク」にたどり着きたいところだけれど、実はこの古城、ラインの反対側にあり、しかも、このあたり一体には橋がかかっていないのだ。
で、どうするかといいますと。
渡し舟に乗りました。車ごと!
両端が無い船(道路をそのままちょん切ったようなかたち)のお尻から乗り、4ユーロを払うと、船がゆっくり進んで向こう岸に、今度は反対側から着岸。私たちは頭から(つまりバックしないで)出られるというシステムだ。
これには私もなんなんも興奮!!
ライン川下りの観光船に乗らなくても、車ごとぷちライン下り!!

↑船の上です
あっというまに反対岸へ着いた私たち。
今日の宿のある街、オーバーベーゼルへと車を駆るのでありました。
(長くなったので二つに分けます。)
(今さらデスカ(笑))