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ベルギー・オランダ旅行記4日目

3月28(火)

7時起床。
出かける用意をして、朝食ルームへ。
小さな部屋にはスーツを着たビジネスマンがたくさんいて、明らかにただの旅行者の私たち、ちょっと場違いっぽい?(笑)
ビュッフェスタイルで、大きなクロワッサンが美味しかった。ので、3つも食べてしまう。
居心地のいい部屋と変なエレベーターに別れを告げて、チェックアウトし、トラムでブリュッセルMIDI駅へ向かう。

ブルージュまでのチケットを買い、9時10分発のICに乗った。
田園風景を眺めているうちに、列車はブルージュに到着〜。
タクシーで今日のホテル、hotel de orangerieへ向かう。
このホテル、今回の旅行の中で、一番料金の高いホテルなのだ!しかも、他のホテルを安くあげたかいあって、デラックスルームを予約することができた。どんな部屋なんだろう、わくわくわく…vvv

ホテルのエントランスを入ると、オーランド・ブルーム似の物腰柔らかなフロントマンが出迎えてくれた。
ボンジュー、と挨拶すると、にっこり笑って「お待ちしてました。gucci(仮名)さん。ブルージュは初めてですか?そう、それはよかった。ここはすごく美しい街ですよ…さあまずはサロンでお茶をどうぞ、チェックインにはまだ早いですが、お荷物はお預かりします。ご安心を…」と素敵な英語で話しかけつつ、サロンまで案内をしてくれる。

古い暖炉のある素敵なサロンに腰掛けると、メイド(黒いワンピースに黒い靴、白いカチューシャ!萌えええvv(笑))がウェルカムティーを持ってきてくれた。
ポットに入ったコーヒー、チョコレート、ケーキにクッキー。

どれも美味しくて、ご満悦v
ふかふかのソファから離れたくな〜い!とは思いつつ、よっこらしょと立ち上がって街を見て回ることに。

ブルージュは評判通り、とても美しい街だった。
運河が流れ、石造りの古い建物が並んでいる。

ヨーロッパに来るといつも思うのだけれど、どうしてこんなふうに街の景観を保つことができるのだろう。古い家も、リノベイトしながら素敵に暮らしている。

日本では古い家は次々に取り壊されて、コンクリートでできたお墓みたいなビルに取って代わっていくというのに…
日本の古い建築物は木と紙でできていて、長い年月には耐えられないというのはわかっちゃいるけど、なんだかすごく悔しい。

教会を見て、世界遺産のベギン会修道院(ここは現役の修道院らしい)、

と基本の観光コースをぶらぶら歩く。
小さな街なので、急いで見て回らなくても、充分見て回れる。
途中見かけた、かわいい雑貨屋さん兼カフェで、ホットサンドとコーヒーのランチv

(テイクアウェイかと思ったら、おばさんが「中で食べる?」と言ったのでついていくと、奥に雑貨に囲まれたかわいいテーブルが。雑貨好きにはたまらん空間だった)

ランチを終え、一度ホテルに戻ってチェックインすることに。
オーリ似のフロントマンはおらず、かわりに無口な男の人が案内してくれた。
お部屋は3F(日本式の4F)、最上階だ。
エレベーターで2階まで上がり、階段を上ると、そこが私たちの部屋。
ドアを開けて、中に通されたとき、思わずわあっと歓声をあげてしまった。

まずシックなソファと2脚の椅子のある、シッティングエリア。

屋根裏のような、斜めになった天井(兼、壁)には大きな窓がついていて、そこからブルージュの町並みと、教会の鐘が見える。

その部屋を過ぎると、デスクと大きな二つのベッドが並ぶベッドルーム。

もちろんここからも、ブルージュの町並みが見える。
そしてその次は大きなバスタブと2つの洗面台、トイレのあるバスルーム。

もちろんそこからもブルージュの町並みが…って、えええ!?トイレからも!?ま、丸見えなんですけどー!
…心配いりませんでした; ちゃんとカーテンがついていて、使用中のときは外から見えないようになってました(笑)

そうそう、荷物はすでに部屋に運び込まれていました。
さすが高いだけのことはあるな、うん。←貧乏人

一通り、はしゃぎまくって(主にgucciが)写真を撮ったあと、シティガイドツアーに参加するため、タウンホール(市役所)へ向かう。

このシティガイドツアー、ホテルに到着したときに、オーリ君が薦めてくれたもの。ホテルの宿泊客は無料で参加できるし、ガイドがとても面白い人だから、きっと楽しめますよ、と言われたものの、私は全く行く気がなかったのだけれど、Rちゃんが面白そうだから行きたい!と言うのでしぶしぶ申し込んでいたのだ。
でもねえ、こういうのって、英語が完璧に聞き取れないと恥をかくことが多いし(たまにゲストをからかうジョークが混じるから)、西洋史とか建築に興味がないと、退屈で退屈で、しかも足が棒になるんだから!(アメリカとイギリスとドイツで学習済み)

タウンホールに到着すると、ベンチにおじいさんがひとり、ぽつんと座っていた。
予約してあることを伝えると、私たちの国籍を聞き、おじいさんは手元の紙になにやらチェック。
英語は話せるかというので、たぶん…というと、嫌そうな顔をされた;(このときから既にgucciの中に嫌な予感…)

しばらくすると、続々と客が集まってきた。
私たちのホテルを含む、この近くの高級ホテルのゲストを集めて行っているツアーらしく、皆さんとても身なりがいい。
中でも、私たちの次に来た老夫婦が本当に上品で素敵だった。
二人とも真っ白な髪をしているのだけれど、おくさんはグリーンアイズにあわせた鮮やかな緑の帽子、緑のロングコート。お化粧もきちんと、でも決して下品ではない程度に赤い口紅をつけていて、本当にエレガント。
旦那さんは茶系のカジュアルなコートに皮の手袋。そして常に奥さんを気遣っている優しそうな細身の老紳士。両方とも、推定年齢70歳。

私が人間ウォッチングをしている間に、ガイドのおじいちゃんはツアーの参加者全員に国籍を聞き、チェックを終わらせていた。
ではみなさん、ブルージュの探検に出かけましょう、とガイドにうながされ、立ち上がってぞろぞろ歩く。

先ほどの上品な旦那さんが私たちに、どこから来たの?と聞くので、日本です、というと、英語は聞き取れる?大丈夫?と心配してくれる。
そうだといいんだけど(I hope so)と答えると、me, too!とニッコリ。
ああん、なんて優しいおじいちゃんなんだーvv
ご夫婦はロンドンから来たらしい。gucciのファーストインプレッションですが(でもきっと当たってると思いう)、そこはかとなく貴族っぽい…。

ガイドツアーは、やはりというかなんというか、非常ーにアカデミックで、西洋史を勉強したことのない私には、退屈、というか疲れるものでした…。
まずタウンホールの前の広場で、立ちんぼのまま20分くらいガイドの話を聞く。一番左の建物は今からおよそ○百年前のもので、デザインは××の流れを汲んでいて、△△家の●●が設立し…といった具合。

確かに、イタリアルネッサンスの影響を受けた建物と、ゴシック、ネオゴシックの建物は見た目からして全く違うし、そのわりに知らなければ見落とすと思うので興味深くはあるんだけど、こんなびゅうびゅうと風が吹き付ける極寒の中、一箇所に立ちっぱなしで聞く話ではない(T_T)

(左の白に金の建物がイタリアルネッサンス、真ん中のがフランスゴシック)

しかも、ときどきガイドが「理解できてる?お嬢さんたち」とこちらに注目を集めるようなことをするので、一分たりとも気が抜けない;
必死に話についていこうとするgucciがふと隣を見ると、Rちゃん、始まって10分で飽きて、ツアーの群れから離れて歩いている。とがめるような目で私を見るガイド…。
しばらくすると、Rちゃん、「先にホテルに戻ってるね」と言って、唖然としている私を置いて、すーっと消えて行った。

お、お、お、おまえ〜〜〜〜!!
お前が行きたいって行ったんだろうがーーー!!(T_T)
そう、このエピソードでお気づきのことと思いますが、Rちゃん、結構マイペースな人だったのでした…。

よっぽど私も帰ってやろうかとも思ったけど、この少人数のツアーで、しかも一組だけのアジア人で、しかもときどき「ついてきてる?ジャパニーズガール?」と確認の飛ぶという状況の中、私までいなくなることは、誰が許しても私自身が許せない(T_T)意外にいい子ちゃんなんですよ俺…

ツアー開始から2時間半。
よーやく、よーやく、開放された。
疲れた…。
そこへちょうど戻ってきたRちゃん、「なーに、gucci、すごい前のほうで聞いてたじゃん。まっじめ〜」。
ぶっ飛ばすぞコノヤロウ!!

ツアーの感想。

★おじいちゃんがベルギー好きすぎ。他国に偏見ありすぎ。というか、その毒舌が受けてるんだろうけど。最初に国籍を聞いた理由がわかったよ。その場にいない国の悪口を言うに違いない。今回はフランス人がいなかったので、フランス人めちゃめちゃな言われようだった。フランス人はものの価値がわからない、ナポレオンはベルギーの歴史ある教会を破壊しつくして、みんなお金に換えて持って行ってしまった、それをウェリントンが救ってくれた!サンキューウェリントン、アイラブウェリントン!たぶん、イギリス人がいないときは反対のことを言っている気がする。

★ツアーの途中、ベンチがひとつだけ置いてあったとき、女性陣がさっと腰掛けて、あと一人分が残っていた。件の英国紳士がどうぞ、と私に席を勧めてくれたのだけれど、どう見ても、椅子が必要なのは英国紳士のほう(推定年齢70歳)。私はそのおじいちゃんが座るべきと思って立っていたのに…;敬老精神とレディファーストはどちらが優先されるべきなの??譲り合っているうちに、アメリカ人のおっさんがよいしょ、と座ってしまった(笑)しかし、空いている席に我先に突進していく日本の年寄りに比べて、英国紳士はなんてかっこいいんだろう。とはいえ、レディファーストをすすめられても素直に受けられない、notレディなgucciなのですが…


ツアーの最中に案内された、教会裏の16世紀の風景がそのまま残っているという一角。確かにここは案内されなかったら分からなかったかも。

疲れてホテルに戻り、しばらく休んだあと、夕飯の時間になったので、ホテルのフロントでお勧めのレストランを聞き、出かける。
穴場的レストランを期待していたのだけれど、行ってみるとまさに観光名所の隣;まあホテルで教えてもらったとこなんて、こんなもんか;

私はシャンパンにアスパラ(またしても!)、海の魚のワーテルゾーイ(ブルージュ名物、クリームシチュー。ホントは鶏肉で作るらしい)、アイスクリーム。


美味しかったけど、これで77ユーロは高すぎ!昨日のところのほうがよかったなあ。
酔っ払ってホテルに帰り、フロントでDVDを借り(私はビッグフィッシュが見たかったのだけれど、Rちゃんがトロイがいいと言ったのでトロイに…)、部屋のテレビで見る。トロイがいいと言ったRちゃんは「別に旅行に来てまでDVDなんて見たくない」と隣の部屋で本を読んでいる。ならなんでトロイがいい!って言ったのさ…(T_T)
しかしそんな私も、豆が出てくるとRちゃんそっちのけで見入ってしまった。
何度見ても、豆を取り合ってるようにしか見えない〜〜vv

バブルバスにしてお風呂に入る。ふかふかのタオルがたくさんあるっていいなあ!

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