魔法―詳細設定

 

グランウィースでの魔法とは【心の力を集め、己に刻まれた誕生陣を介して放出し、具体的現象を引き起こす技術】の事です。

英語を逆さまにして発音したような幻晶語『プライマル・ウィース・ロアー』を使って詠唱を行い、最後まで唱える事で魔法が完成します。
(例えば【雪やこんこ】なら『come snow』←→『wons emoc』【ウォノス エモーク】…といった感じの詠唱になります。面倒な場合は【……】で表記省略可。

尚、詠唱さえ済めば魔法の発動は精神を高めるだけでいいので『フレア!』とか叫ばないでも、『やぁ!』などと言うだけでも発動出来ます。(正式名称言うのが基本ですが)

この魔法を使う事、研究する事を専門とする人々の事を『陣術士』と呼びます。
(その中でも医療魔法を専門とする人々を『陣術医』と呼びます)

魔法自体には相性があり、全ての属性の魔法を使いこなせる人は居ません
(特に無属性魔法と回復魔法は他の属性と反発が強く、同時に使えない事が多い)

 

更に詳細な魔法使用概念

・発動原理

魔法とはつまり精神力を体の誕生陣を介して放出し、操る技術ですが。特に誕生陣の位置は関係有りません。

重要なのはその誕生陣の形であり、その形が何に近いかで得意属性が決まります。(曲線が多ければ水が得意など)

また小規模な魔法の場合、例えばフレアは発火のエネルギー全てを体内の魔力だけで賄えます。

ですがファイアボール辺りからは威力が格段に上がり、具象の為の消費魔力が人の体内の魔力を超えてしまいます。

よって上級の魔法を使う場合は、空気中などの体外の魔力を体内の魔力で操り加工して、現象を引き起こします。

体内の魔法(2レベルまで)と体外の魔法(3レベル以上)にはこのような大きな違いが有り、難易度がまったく違いますので国の定めた資格が必要となるのです。

・拡大縮小

魔法は使い方次第で大きくも小さくも、形も発動時間も変えられます。しかし基本形以外の大きさにするには技術と力が必要になります。

例えば、の魔力を使って10の威力を持つフレアを使える一般的な陣術士がいるとします。
(この場合陣術士の魔力、仮にMPは100です。威力はスライムのHPを20とした場合どのくらいダメージが入るか)

そのフレアの威力を20にする場合、魔力は10消費します。威力50なら魔力は50消費します。
(威力を2倍にした場合4倍、5倍にした場合25倍、拡大の二乗分魔力を消費します)

このように、拡大の場合効率は決して良くなく。破壊力を求めるならより上級の魔法を使うほうが効率は良いと言えます。

逆に縮小する場合。

この場合魔力の消費量は変わりませんが、普通に使用する場合よりも数倍の集中を必要とします。また詠唱時間も増えます。

例えばフレアの威力をまで下げる場合、消費魔力に変化は無く2倍の集中と2倍の詠唱時間が必要です。

ちなみに基本的な魔法の威力は個人の能力によって差が有ります。

先ほどの例は平均的な陣術士の場合ですが、これが一般人なら基本はの消費での威力と言った程度でしか有りません。

逆にソレイユの魔法王クラスで更に火属性が得意ならば、基本すら消費で威力100と言った具合まで跳ね上がります。

このように魔法には才能と能力の差が如実に出るのです。

・マジックアイテム原理

この世界には魔法の道具が存在しますが、勿論それも明確な原理の元に製作されています。

太古の高度なエンチャント(魔力付加)技術は真実の乱によって失われてしまいましたが、基本技術はまだ生きているのです。

物に魔力を宿す場合、基本はその物に魔法陣を書いて魔力を注ぐ必要が有ります。

この魔法陣を『形成陣』と呼び、これには注ぎ込む魔法の『意味』を確定する役割があります。
(古代の人間が誕生陣を基にして基にして魔法陣を作り出し、更なる『意味』を与えたのが発端とされています)

魔法の薬品などの場合、入れ物にこの形成陣を書き込み、中身に魔力を帯びさせます。

このようにして魔法の道具は作られますが、勿論作成に消費する魔力も膨大な量となります。

一般的な陣術士レベルでは小さな火を起す板を作る程度で魔力が空になるほどの消費量です。

ですので、魔法学でもこの形成陣を研究する『魔法対物学』はかなり高等な学問として扱われており、研究者も僅かです。

更に、その魔力を入れる作業には問題が有ります。

魔力を注ぐにはその形成陣に『触れるだけ』で良く、完了すればその形成陣が『その付属した魔法の属性色に淡く光る』のですが。

完了するまで強制的に魔力を吸われます。

それによって精神的に死す事も多々有ります。

古代では、強力な魔法の道具を作る為に神や古龍に魔力を乞うたり。

また、多くの『生贄』を使ったりされたと言われています。

だから強力な魔法の品は古代の物が多いのです。

現在では形成陣から消費する魔力を測定する算式が確立されていて、強力な品を作る場合十分な人数を集めて多人数で作るのが基本となっています。

魔法が盛んなソレイユには『エンチャント時に魔力を注ぐだけ』と言う仕事すら有るほどに魔力付加は一般的となっています。

ですが、他の場所では精神死を恐れてこの学問を禁止する国すらあります。

 

・人外魔法類について

魔法は誕生陣を介して発生させる物の他に、人間の知らない特殊な種類の魔法が有ります。

一つは神々の魔法、人智を絶するほどの魔力を持つ神々しか行えない魔法です。別称奇跡とも呼びます。

海を断絶し陸を生出し山を隆起させる、そんなとんでもなく大掛かりな事を起す神々の魔法を指します。

ですが神々はそれが何を意味するかを人よりも遙かに詳しく知っています。今後この魔法が振るわれる事は恐らく無いでしょう。

もう一つは龍語魔法、神々がその力を裂いて生出した幻獣である龍もまた人とは異なる魔法を操ります。

「シュ、シュィーー……」と、人語とは違う発音で詠唱されるその魔法はその龍が司る自然を操ります。

例えば疾風龍ロゼでしたら自在に風を操り、巨大な竜巻さえも意のままに操る事ができます。

やはりスケールの大きさから言って人外魔法類は人外の物なのです。

ですが、竜語魔法には【竜族召集の笛音】【封の龍鱗】【護の龍鱗】【破魔の咆哮】など全ての龍に共通した部類の魔法もあります。

これらの魔法はやはり超上級ではあるのですが、人外とまで言うほどのスケールではありません。

明確な発生理論を知る事が出来れば、人の魔法の道は大きく開けることでしょう。

また、悪魔などにも独自の魔法を使うものが居るようです。

これは人外というよりも人の発想とは違う所で生まれた、人と同レベルの魔法と言えます。

 

・神術について

魔法とはまた別の力で、神術と呼ばれる力がこの世には存在します。

前記の神々の魔法とは全く異なる力であり、神を信じる者の中でもかなり徳の高い人間のみ使うことが出来ます。

これは三千人規模の教会で一人使えるか使えないかという貴重な力です。

使うことの出来る人間は間違いなく教団内部では高位の地位につけます、何しろ神に近い証拠ですから。

が、効果はどの程度かと言いますと【泣き止まない子供を寝かせる】【何もない杯に聖水を湧かせる】【死者の伝えられなかった遺言を聞く】

【アンデッドを素手で焼くことができる】……などなど、小さくも無ければ大きくも無い事しか出来ません。

使い手が少なく、目にする機会がないせいか教会付近でおとぎ話のように伝えられる程度で余り有名な術ではありません。

因みに教会外の人間でも信仰心が強ければこの力を授かる事が出来ます。

ポウル・ロウの故ガーシュウィン王は神の声が聞けたと言われている事などが有名です。
(有名ですが神術自体はマイナーなのでその力が神術だと知っている人は僅かです)

 

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