<大陸龍 『ザオウ(坐王)』>

大陸『そのもの』の核である龍。
龍とは、即ち
消滅機関ディストラクターディストラクターである。人の過ぎたる行動を、人を消す事によって人の世を護る者。
しかしこのザオウはその龍の存在意義から外れた龍である。
彼の龍は文字通り『守ること』しか出来ないからだ。
その現存する龍の中で最も古き巨体は強靭ではあるが、破壊には向かない。鉄壁のようなもの。
龍の存在意義は神によって生み出された
消滅機関ディストラクターディストラクターとしてのそれのみ、ではなぜ彼のような龍が居るのであろうか?
そう、
消滅機関ディストラクターディストラクターは強大すぎる力を持つが故に制御機関ガヴェンサーガヴェンサーである神の力を超えていた、万が一があれば
、人の世は滅びてしまう。
故に、
消滅抑止機関ガードナーガードナーとしてザオウは必要とされ、生み出されたのだ。
神は生み出すこと、制御する事に関しては正しく神である。しかし破壊する事、消滅させることにおいては龍に劣ってしまう。

ザオウは、一言で言えば要塞である。
空間断層による次元寸断現象攻撃ですらザオウの鱗一枚とて壊すには至らない。
ザオウに守られた人々は比類なき安心と、比類なき閉塞感を味わったという。
彼の龍の『守る』とは、即ち体内に『飲み込む』ことを意味する。もちろん吐き出してくれるわけだが。
しかしザオウには翼が無い。故に出来る攻撃と言えば踏み潰すか殴るくらいの事のみ、空を飛ぶ他の龍を落とす事も不可能。
だから、誰もザオウには手出しできなかったし、ザオウも誰にも手を出さなかった。
故に彼の守ったスクァイアの首都は真実の乱において唯一無傷の首都となったのである。
しかし、無傷なのは首都のみであったが。
宇宙から見てもハッキリと分かるほどの抉り傷、横幅約30km、縦幅実に250km、深さ不明のルインがそれを物語っている。
真実の乱において最も傷ついたのは、実は反撃能力の低いスクァイアの土地だったのだ。
攻撃こそ最大の防御とはよく言ったものである、大戦後のスクァイア大陸は文字通り死地であった。
山すらも消し飛ばされたようなまっ平らの原野大陸を見て、住民どころか不屈のザオウすらも絶望したという。
その時である。
一人の子供が言った言葉。

「あきらめないで」

単純な言葉だった。
幼稚で、短い、しかもろくに舌も回らないような泣き声だった。
不屈の龍は確かにその言葉を耳にし、受け取ったのだ。己を恥じながら、そして生命の強さに心打たれながら。
そして一声、天高く鳴いたと言う。
幸い、彼には大地を司る力が有った。自分が守った人々を死なせない程度の作物は提供することが出来る。
その時より、ザオウはスクァイアの地下深くに眠り、その土地を豊かに肥やし続けたと言う。
そして、それを育むのは人。
人々は生きる意志を選択し、やがては復興を飛び越えてスクァイアを豊穣の大陸と呼ばせるまでに発展させたのであった……。


情報データデータ

・体長:50m
・体高:40m(尾長10m)
・体重:測定不能
・形状:太ったゴ○ラを四足で歩かせたような感じ、翼はなく岸壁のような鱗は物質的な硬度を全て凌駕する硬さを誇る、
 無論如何なる魔法も受け付けない。
 爪は長く大地を掻き分ける太長いスコップのようで、頭から尻尾の先まで一直線に守護の紋が黒曜石で描かれている。
 背中の一部、首の辺りには仄かに赤い花や白い花が咲いている。それは、あの時の子供から貰った花冠の名残だと言う。
・補足:飄々とした爺侍のような性格で、基本的に温和。しかし頑固で保守的。
 あまりにもでかいので不便であり極々稀に移動する時は人の形を装う。
 彼が一睨みすればどんなに枯れた大地でも泉が湧き出て、彼が笑えばどんな花でもつぼみを開くと言われている。