<真裡神龍 『カロサス』>

人の心裏、即ちこの世の次元を守る龍。

凡その龍とは文字通り次元の違う龍、神に従う龍ではなく龍の中の神、神龍と呼ばれる絶対者である。
神が常世の王だとしよう、神龍は常世の騎士長、こと戦闘能力だけあげれば神以上の存在。
真実の乱において敵対していたセルト・アル、ミュイ・セトの体を焼いたのは彼の龍の実力を尽く物語っている。

――その銀の爪は尽く空間を烈断し、一つの大陸を六つに裂いた――
――その咆哮は尽く世界を震撼させ、海に波と呼ばれる現象を生んだ――

と、褒めてみたが、事実それを目の当たりにすることは無いだろう。
彼の龍は既にこの世界には居ないのだから。

何故か?
では生きているのか?

生きてはいる、しかし残念ながらその居場所を語ることはまだ出来ない。
ただ、人々は世界の隅々まで探索したのに、何故か彼の龍の死亡を考えようとはしなかった。
長き歴史の果てに忘れ去られてもいい筈であるのに。
その理由は、恐らく原初の存在記憶。
太古の人に刻まれたカロサスの記憶が、死亡など有りえぬことを本能で知っているからだろう。
人々は思いを馳せる。
眼に見える場所に居ないのならあそこしかない――

『彼の龍は聖地にこそ在り』

――と。


情報データデータ

・体長:不明
・体高:不明
・体重:不明
・形状:神話においては……『彼の龍全てを絶大にし。蒼く輝き。その黒き翼羽ばたく時、其の風は人を平伏す。
 銀の慧眼心裏を貫き、彼の者の前には真のみ存在しうる。今一度咆哮を聞きし時、人間は一つ真理を得るだろう』
……とある。
・補足:仕える神はウェルオス