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番外 04 三十六策

于吉(←やる気ナシ)「于吉とー」
雪蓮(←やる気満々)「お姉ちゃんのー♪」
2人『歴史ぱいずりコラムー』
于吉「まさか復活するとは思いませんでしたね」
雪蓮「お姉ちゃんも。問題の『謝謝†無双』にお姉ちゃんのパイズリがなかったから、書いてる雪男はマジで苦情のメールを用意して、お兄さんと弟さんに止められたんだけど。何か機嫌がよくなることでもあったのかな〜?」
于吉「……愚考いたしますに、ハオプロ収録のドラマにあなたが出てきやがったのが原因ではないかと」
雪蓮「あ、やっぱり? いやぁ〜、人気者は辛いわね〜。呉の半分はわたしの人気で保ってるっていうのが、証明された瞬間よね〜。マジで大喜びして雪乞いやらかして初雪を降らせた雪男さんの魔力もさすがね〜」
 たったったった……したっ
秋蘭「……呉が、負けるわけだ」
 たたたたたたたたたた……
雪蓮「秋蘭ちゃん、ちょっと待ちなさい! 逃げないで! ていうか、何しに来たの!?」
于吉「典軍校尉の夏候淵、三日で五百里、六日で千里……ですか。追いつけそうもないですね」
雪蓮「おのれ、いくらお姉ちゃんより雪男さんに気に入られているとはいえ、この扱い……」
于吉「まぁ、あちらはコンシューマ版で個人シナリオがつく予定のキャラクターですから。あなたや私のような脇役とは、固定層の差が大きいのは無理からぬオハナシでしょうね」
雪蓮「何もかも、お姉ちゃんが一刀クン降臨の前に死んじゃったのが原因かぁ……。あ、もとい。一刀さん、だっけ」
于吉「CDドラマでそう呼ばれていましたね。それで、今回は何事です?」
雪蓮「はいっ。今回はCDドラマのタイトルに使われている三十六策、俗に三十六計と呼ばれているものについてです」
于吉「また、軽く300年はすっ飛んだ時代のモノを……」
雪蓮「わたしと于吉クンの間には、確か150歳くらいの年齢差があるンじゃなかった?」
于吉「いちおう説明しておきますと、伯符殿が于吉なる仙道を殺害した事例は、演義・正史のいずれにも収録されています。ただし『順帝の御世(125〜144年)に弟子が太平清領書を朝廷に献じた』と史書にもあり、それが正しいなら伯符殿(175年生まれ)と私には150年の年齢差があってもおかしくはないことになります。思うにあなたが殺したのは、三代めくらいの私ではないかと。ちなみに、太平道の祖師としては、正確には干吉ですが」
雪蓮「とりあえず、三国時代からは300年くらい後よね?」
于吉「ですね。記録としては『南斉書』の『壇公の三十六策、走をこれ上計となす』が最初の出展とされていますから」
雪蓮「云うまでもないと思うけど、孫子の兵法ではありません。書いてる雪男さんが学生の頃、孫子について『"風林火山"や"三十六計"で有名な……』とか書かれているテキストがあったモンだから、教育委員会に働きかけて、以後新潟県下ではその出版社のテキストを使わなくなったっていう武勇伝があるけど」
于吉「突っ走ってますね、相変わらず……」
雪蓮「入ってるかもしれないじゃないかと茶化した教員の前で"孫子"の全文を暗証してのけた雪男さんと、デタラメを平気で教えようとする出版社のどちらを敵に回すべきか、判りきった話じゃない? えーっと、壇公……斉の壇道済さんね。このヒトが逃げ上手で知られた斉の名将なの。もっぱら逃げ回って魏を疲弊させ勝利を収める、ということをしていたモンだから、上記の評価をされたのね」
 たったったった……したっ
秋蘭「補足を。上記評価を書き下すと『壇将軍の謀略は、逃げるのが最上のようですね』という具合になるが、書いている雪男殿はこの評価を『コレを悪口と考えるのは、逃げ回れる国土を持たない日本人特有の、醜い島国根性である』と『世界奇人変人列伝』で述べている」
雪蓮「……ねぇ秋蘭ちゃん。ひょっとして、司会の座を狙ってない?」
秋蘭「何のことやら。ふふふ……」
 たたたたたたたたたた……
于吉「……話を進める意思があるのは私だけですか? かまいませんが。えーっと、好評発売中の『恋姫†無双』覇王プロジェクト、略してハオプロ収録のCDドラマのタイトルは、発売順に『打草驚蛇』『無中生有』『隔岸観火』となっています。ちなみに、順に蜀・魏・呉で、私は一切出ません」
雪蓮「その辺りの計略について語るのが、今回の趣旨なのです♪」
于吉「では、まず『打草驚蛇』から」
雪蓮「はいはいっ。えーっと、三十六計の第十三計。分類としては攻戦に所属ね」
于吉「草を打ったら蛇に驚く……やぶへび、という奴ですかね?」
雪蓮「まぁ、CDドラマの内容はそんな具合なんだけど、原文としてはこんな具合ね」

 疑以叩実 察而後動 復者陰之媒也

于吉「えーっと……(敵が)疑わしいようならその動きを把握してから動いて、その本質を叩くこと。偵察は戦術の基本です、という具合ですか。……コレ、やぶへびと正反対の内容では?」
雪蓮「やぶはつついても蛇を出すな、というコトなのね。ライターさん、わきまえてなかったみたいだけど」
于吉「相変わらず、裏の裏を突きたがる雪男ですね。次の『無中生有』は」
雪蓮「シローくんの使ったアレです♪」
于吉「今度は『龍狼伝』に目覚めたのですか? あの雪男は」
雪蓮「連載開始当初から読んでたわよ? えーっと、敵戦に所属する第七計。原文としては以下の通りね」

 誑也 非誑也 実其所誑也 少陰 太陰 太陽

于吉「コレは……難しいな。欺き欺かない、欺いたことを実とせよ……? 後半はまるで」
雪蓮「罠があるように見せかけて、実際には罠がない。疑心暗鬼に追い込むのがこの策なのね。さっきも云ったけど、シローくんがやったのはコレのほぼ理想型ね」
于吉「ほぼ?」
雪蓮「見破られて失敗したの。まぁ、コレも内容に即したタイトルかはさておいて。続きまして、お姉ちゃんも出演した呉編のCDドラマのタイトル『隔岸観火』ですが、これも敵戦に属するもので第九計。原文はこんな具合」

 陽乖序乱 陰以待逆 暴戻恣睢 其勢自斃 順以動予 予順以動

于吉「(敵の)状況が乱れているなら離れて待つ。内部分裂して自滅するだろう……ですね。コレは、文字通り対岸の火事を眺めていようという策ですか」
雪蓮「そういうコトです♪ 戦わずに勝つのが兵法の極意だから、そのための最良の策と云っていいわね」
于吉「CDドラマでは陸遜がそのまンまでしたね。これは、まぁ内容に即したタイトルですか」
雪蓮「そーねぇ。本音としてはお姉ちゃんオンリーの内容でもよかったンだけど……」
 たったったった……したっ
秋蘭「再び補足をば。書いている雪男に云わせると、孫子の兵法書をひと言にまとめることはできないが、こちら『三十六計』はそれができる。曰く『逃げるが勝ち』となり、その意味では、ネームバリューは孫子のそれを上回っていると認めざるを得ない、と」
雪蓮「はいはい、『世界奇人変人列伝』でね。判ったから、終わったら秋蘭ちゃんはあっちに行っちゃってねー」
秋蘭「孫策殿は数に入っていてもこの夏候淵はエントリーされていないのが、雪男殿の本心でしょうな。ともあれ、その『世界奇人変人列伝』の壇道済の回は『三十六計』の前文で締められている」

 六六三六 数中有術 術中有数 陰陽燮理 機在其中 機不可設 設即不中

雪蓮「意味は?」
秋蘭「自分で考えること、だそうだ。では、失敬」
 たたたたたたたたたた……
于吉「なかなかに、奥が深い兵法書ですね」
雪蓮「それよりも、お姉ちゃんの出番が脅かされているのが不安だわ……それでなくても、ゲーム本編にもほとんど出番がなかったっていうのに。ぶつぶつ……」
于吉「まぁ、あなたの相手を他の誰かがしてくれるなら、私に異存はありませんがね。今回は、以上ですか?」
雪蓮「あ、はいっ。では、買ってない皆さんは、ハオプロ三作、きちんと購入してくださいね♪」
于吉「なお、当方はメーカー及び出演者とは、一切関係がありません」
雪蓮「著作権が怖くて同人が書けるかー♪」
于吉「誰を敵に回すつもりですか、伯符殿!?」



雪蓮「はいっ、何の前触れもなく告知もしないで、文面だけ追加しますねー」
于吉「アレが発表されていながら、まだあなたをそのキャラで書き続ける、雪男の無神経ぶりにはほとほと愛想が尽きますね……。CDドラマの第4弾ですか」
雪蓮「ですです♪ 今度は月ちゃん編なんですが、思わぬあのヒトが出てくるンですねー」

コーソン「だったら私も出してくれよ……」

于吉「ネタバレはさておき、董軍編は『偸梁換柱』……二十五計で、併戦の計に属しましたか」
雪蓮「梁を偸んで柱を換える、おひっこしの計略ね。原文はこんな具合」

 頻更其陣 抽其勁旅 待其自敗 而後乗之 曳其輪也

于吉「(敵の)布陣を変え、主力を動かし、自ら敗れさせてそれに乗じる……最後は何です?」
雪蓮「車輪さえ押さえてしまえばどこへ引きずっていくのもたやすいわよ、ってところね。柱はいいでしょうけど、梁はその上に渡して屋根を支える横木。屋台骨を抜いて骨抜きにしなさいって計略なの」
于吉「改めてみると、ぜんぜん内容に即していない計略ですね……。十四計の『借屍還魂』のがよかったのでは」
雪蓮「んー、どちらかといえば『仮道伐虢 (二十四計)』のがいいンじゃないかってお姉ちゃん思うわ。あ、ちなみに董軍のオハナシだけど張遼ちゃんは出ないから、その辺りちょと残念ねー」
于吉「どうせ私は出られませんから、その辺りのコメントはしませんよ」
雪蓮「そーよねー、次の2作でもお姉ちゃんたちの出番はないわよねー。でも! 喜ぶべきことに『真・恋姫』はお姉ちゃんがメイン! 書いてる雪男さん他のお姉ちゃんへの愛がスタッフに通じた証よね!」
于吉「ゲーム発売前からツッコむのもアレですが、あなたの背後に死亡フラグが見えるのは私だけですか」
雪蓮「もう1回やぐらに乗せて火ィつけるわよ!?」



雪蓮「では、こんなタイミングで更新するわよー」
于吉「そうしてください……」
雪蓮「あら、何で疲れてるの?」
于吉「あなたの知らないところで、いろいろありましてね……。えーっと、今回はハオプロユニットの陣……ですか。ドS組(曹操・関羽・趙雲・呂布)とドM組(諸葛亮・趙雲・孫権)が登場ですね」
雪蓮「S組に愛紗ちゃんいらないでしょって思ってたら、その通りの内容だったしね。同時発売なんだけど、例によってお姉ちゃんも于吉クンも出ませーん」
于吉「というか、私は『真・恋姫』にも出るのか判ったモンじゃありませんからね。で、S組からですか?」
雪蓮「書いてる雪男さん、レンちゃんにつられてM組から聞いて、ちょっと混乱してたものね。ドラマのタイトルは『以逸待労』、えーっと……勝戦に属する第四計ね」

 困敵之勢 不以戦 損剛益柔

于吉「敵の勢いに困るなら、戦わずに……えーっと?」
雪蓮「剛を損じさせ柔を益せよ。相手が疲れるのを待てってコトだけど、ドラマの内容は前回の『偸梁換柱』こそ相応しかったように思えるわね」
于吉「相変わらず手厳しいことで。ドM組は『瞞天過海』……確か、第一計でしたね。コレも勝戦に属する」
雪蓮「こんな具合」

 備周則意怠 常見則不疑 陰在陽之内 不在陽之対 太陽 太陰

于吉「備えが周到なら意識は緩む、常に見ているものは疑わない。陰は陽のうちにあれども陽の対ならず……ですか」
雪蓮「聞いてて判る通り、後半が『三十六計』の前文に近い内容になってるのね。壇道済さんがいちばん云いたかったことなのかしら。……まぁ、ドラマの内容とはアレなんだけど」
于吉「意味判って云ってンのか、とツッコミ入れたくなりますからねェ」
雪蓮「ていうか、第一計が出たってことはCDこれで終わりかしら」
于吉「……どうでしょうね。アニメ版のCDなどは出そうですが、この三十六計シリーズが続けられるかは」
雪蓮「それならまた、孫呉のメインヒロインたるお姉ちゃんの出番もあるわねー♪」
于吉「どうせ私は出ませんよ……」

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