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番外 03 前漢三傑

于吉(←やる気ナシ)「于吉とー」
雪蓮(←やる気満々)「お姉ちゃんのー♪」
2人『歴史ぱいずりコラムー』
于吉「……いい加減、このオープニングはどうにかすべきかと思うのですが」
雪蓮「例のおまけディスクにお姉ちゃんのパイズリが入ってほしいなぁ、という、書いてる雪男さんのヨコシマな欲望の現れよ。ホントに、困ったモンよねぇ」
于吉「いや、困ってますか? どー見ても楽しんでいるようにしか見えませんが」
雪蓮「まぁ、努力は認める、みたいな。知ってる? 努力と野望は、同じ末路が用意されてるのよ。成果なれのはてっていう」
于吉「鴨川会長が聞いたら鉄拳振るわれかねない発言ですね。で、今回は何です?」
雪蓮「はいっ。表題でもあった通り、今回は前漢の三傑についてでっす♪」
于吉「また、三国志とは別の方向に食指を伸ばして……」
雪蓮「時は三国志をさかのぼること400年。始皇帝の死により天下の覇権が宙に浮いていたその時代に、己もまた皇帝たらんと争った、三人の男がいた……ていうのが、項羽クンと劉邦さんのオハナシなんだけど、最終的な勝利者たる劉邦さんに天下を盗らせたのが、問題の三傑なのね」
于吉「ツッコんだ方がいいですか?」
雪蓮「後にして。えーっと、筆頭たるは、太公望とさえ並び称される、中国史における軍師の代名詞、張良クン」
于吉「中国史上最高の軍師と名高い御仁ですね」
雪蓮「ところで、始皇帝の巡幸を見た項羽クンは『どれ、アイツに取って代わってやろう』と云ったし、対照的に『あんな風になりてぇなぁ』と云ったのが劉邦さん」
于吉「両者のひととなりを云いあらわすエピソードとして有名ですね」
雪蓮「さらに、『笑ってやろう、あんな野郎はちっちぇちっちぇ』と云ったのが宋江クンで、『あの野郎、ブっ殺してやる!』って、弟の葬式もあげずに溜め込んだお金で買った巨大ハンマーを投げつけたのが張良クンそのひと」
于吉「露骨な宣伝行為は、モノができてからにしませんか? 3割くらいはまだキャラが立っていないはずですが」
雪蓮「3割で済むのかしらねぇ」
于吉「それはともかく、軍師にしては、かなり豪快な真似をしでかしやがりますね、張良は」
雪蓮「そーなのよねぇ。鴻門の会にも、呼ばれもしないのに乗り込んで場を仕切ったし」
于吉「いや、劉邦の軍師なのですから、ついていくのは当然では?」
雪蓮「いや、そうではナイって見方もできるのよ。当時の張良クンは韓(小国)の、事実上の宰相だったから。かなり無理すれば、漢楚いずれにも属さないニュートラルな立場って云えないコトもないの」
于吉「かなり無理ですね、その見方は。……まぁ、始皇帝にハンマー投げつける軍師がついていては、項羽としても気が気でないでしょうが」
雪蓮「続いては、次席の韓信クン。中国史上最強の名将……と、雪男さんが評価しているひと」
于吉「韓信を絶賛していますよね、あの雪男は」
雪蓮「司馬遼太郎氏が著作(『坂の上の雲』)で、世界史上の名将をランク付けしてるんだけど、上からチンギスハーン・ナポレオン・モルトケ・フリードリヒ大帝・源義経ていう面子なのね。雪男さんに云わせると、大ハーンとナポレオンはともかく、モルトケ(大)よりは韓信クンのが上ってコトだから、以来司馬遼太郎作品は読んでないんだけど」
于吉「どーにかなりませんか、あの雪男は……」
雪蓮「雪男さんが『私釈』の46回で見た通り、蒯通クンは劉邦さんから独立しろって韓信クンをそそのかしたんだけど、韓信クンはこれに乗らなかったのね。先に云った3人めが、実際このひとで」
于吉「……ですか」
雪蓮「で、劉邦さんが天下を盗ったあとで韓信クン、謀反の容疑をかけられて処刑されるんだけど、その時に『あぁ、蒯通の云う通りにしていればなぁ』って云い遺してるの」
于吉「大局を見る眼はなかった……ということでしょうか。権力争いに嫌気が差して、仙人修行をはじめた張良とは雲泥の差ですね」
雪蓮「まぁ、夜伽の女性にチ○ポ切り落とされて失血死した大ハーンとか、皇帝の座を追われて島流しにされたナポレオンとか、酔っ払ってユーフラテス川に放り込まれて死んだアレクサンダー大王とかよりはマシじゃないかしら」
于吉「面白い死に方だけ並べてどうしますか」
雪蓮「えへっ。さて、最後は蕭何クン。項羽クンは、秦に滅ぼされた楚の将軍の血筋だったんだけど、劉邦さんは極貧農家の末っ子でね。蕭何クンはその地方のお役人で、若い頃から面倒を見ていたのよ」
于吉「その因果がめぐって、中国を支配する帝国の宰相まで成り上がるのですから、ひとの縁は判らないものですね」
雪蓮「まぁ、反対意見も多かったんだけどね。戦場で武勲を立てた武将たちにしてみれば、戦場にも出ないで食糧・金銭の管理をしていた蕭何クンが行賞されたら、面白いワケないじゃない」
于吉「そういう地味な、でも必要な役割をこなせる人材は貴重なのですがね」
雪蓮「実史における孔明クンって、そういうキャラだモンねぇ。偉いのは劉邦さん。いきり立つ武将たちを諭して」

「あのなぁ、お前ら……。猟犬が獲物を取ってきたとする。犬と飼い主、獲物はどっちのモンだ?」
「そりゃ、飼い主でしょう」
「云ってしまえば、お前らは犬で、蕭何は飼い主だ。ガタガタ騒ぐな」

雪蓮「……とまぁ、それくらい劉邦さんに、信頼されていたのね」
于吉「そんな説得をするから、気に入らない武将(雍歯)を侯に封じることになるのですがね……」
雪蓮「劉邦さん、ひと遣いがアレだからねぇ。この辺り以外にも、劉邦さんの下には色物・傑物が目白押しよ。アストロツインの盧綰クンとか、『オレも皇帝になりたいだけだ』って叛乱起こした黥布クンとか、湖賊あがりの彭越さんとか」
于吉「盗賊上がりくらい、あの時代いくらでもいたでしょうに」
雪蓮「ちなみに、彭越さんが挙兵した湖は、千年くらいあとには梁山泊と呼ばれたとか♪」
于吉「……中国は、狭いですね」
雪蓮「時代は下って後漢の三傑……馬援・馮異・ケ禹ってのもいるわね。馬援さんいうのは馬超クンのご先祖サマで、馮異クンは軍師格、ケ禹クンは人事主任みたいな役柄かな」
于吉「察するに、馬援が韓信、馮異が張良、ケ禹が蕭何に相当しますか」
雪蓮「はい、あながち間違ってはいない評価です♪ では問題、蜀漢の三傑、挙げてみて」
于吉「……蜀?」
雪蓮「うん。劉備クンの配下の、三傑。さぁさぁ♪」
于吉「えーっと……? 聞いてこともないな。主将に軍師に宰相……孔明と、関羽、ですか?」
雪蓮「はい、そのふたりはせいかーい」
于吉「最後……軍師か。龐統か法正か……いずれも早死にですね。意表を突いて李厳とか?」
雪蓮「実わ、張飛クンなのですよ」
于吉「は? いや、何でその面子? 蜀漢だけ、武官ふたりですか?」
雪蓮「だから天下を盗れなかったんじゃないのかしらねぇ」
于吉「私に呪い殺されたあなたに云われたくないでしょうが……おや? その3人は……」
雪蓮「気づいたわねー。蜀漢の三傑が誰か、理解できたところで思い出してみましょう。問題の『恋姫†無双』において、個別のエンディングがあったのは、果たして誰と誰と誰だったのか、を」
于吉「はぁーっ……。弟君どころか兄上殿までが『しかし、何でこいつらしかエンディングねーんだ?』などと云っていたようでしたが、さすがは雪男と云うべきか、何と云うか」
雪蓮「まっとうな三国志ファンにはちょっとアレですけど、意外と時代考証がなってるのよね、あのゲーム」
于吉「考証を云々するなら、そもそも根っこが捻じ曲がっている気がしますが」
雪蓮「はいはい、野暮は云いっこナシね。というわけで歴史コラム第3回、まっとうにお開き〜」
于吉「……まぁ、今回はまっとうですか」

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