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番外 01 呉越同舟

于吉(←やる気ナシ)「于吉とー」
雪蓮(←やる気満々)「お姉ちゃんのー♪」
2人『歴史ぱいずりコラムー』
于吉「……って、伯符殿。今、何か変なものが挟まっていませんでしたか?」
雪蓮「やぁねぇ、パイズリってそもそも『変なモノ』を挟むことじゃない♪」
于吉「……例のアレにあなたはほとんど登場しませんでしたが、こういう性格でいいのでしょうか」
雪蓮「どぉなのかしら? さて、いつも通り雪男さんが、突発的に書き始めたこのコーナー。『私釈』では拾えないような歴史イベント・故事などを取り上げちゃおうというコトらしいんだけど」
于吉「何で私とあなたが司会進行役を勤めなければならないのです」
雪蓮「水面下で書いてるモノの続きじゃないかしら。何しろ雪男さん、私のことを『雪の字がついてるお姉ちゃんには宿業を覚える』とか世迷言をほざいてたから。正直ノーサンキューなんだけど」
于吉「小雪のせいで頭がおかしくなっているのでしょうね。まぁ、それはともかく。やるならやりますか」
雪蓮「はい、いい子いい子♪ お姉ちゃん、キミに花マルあげちゃうわよ〜♪」
于吉「……で、お題は何です」
雪蓮「はいっ。続くのかまるで判んないけど第1回は、メンマ……ていうか、竹の子について」
于吉「ゲーム中で、趙雲殿が馬食……もとい、ご愛用されていたアレですか。発酵させた筍を乾かし、戻して味付け、でしたかな。しかし、当時の食文化についてはいずれ1回を割く予定では?」
雪蓮「いえいえ、そっちではできない裏話なのですよ♪」
于吉「メンマについての?」
雪蓮「はっきり云っちゃいますと、シャオちゃんはともかくレンちゃんがアレを見たら、どういう反応をしていたのかなーって、雪男さんは悩んでいた次第で」
于吉「あの雪男、ナニを考えました」
雪蓮「唐突だけど、呉人と越人の仲の悪さはご存知?」
于吉「有名ですな。"孫子"でそれを例に挙げて『仲の悪いこの連中でも、同じ船に乗り合わせ、その船が沈もうとしたら協力しあう。統率とは、兵をそのような状況に追い込むことを極意とする』みたいな記述をしていたかと」
雪蓮「世に云う『呉越同舟』ね。つまり孫武……孔子とほぼ同時代のひとなんだけど、その頃からすでに呉越の仲の悪さは有名だったのね。……さて、その原因はご存知?」
于吉「いえ? 江東地方の覇権を争い、累代に渡って互いに恨みを積み重ねていたのでは」
雪蓮「実は、筍が原因じゃないかってオハナシがあるの」
于吉「新説ですか?」
雪蓮「むかーしむかしあるところに、呉人と越人がおりました」
于吉「呉人は呉に、越人は越にしかいないかと思いますが」
雪蓮「とっても仲良しなおふたりで、ある日越人は呉人を招いてお食事を振舞っちゃいます。出されたご飯を、呉人とっても美味しい美味しいって食べる食べる」
于吉「仲が悪いという設定はどこに行きましたか」
雪蓮「食べ終わって呉人はふと聞いてみます。『ヘイ、ブラザー? いまおいらが喰ったのは何だったんだい?』越人にっこり応えたね。『竹じゃよ』」
于吉「ナニ人ですか」
雪蓮「ご機嫌ホクホクな呉人は、おうちに帰って、そのお料理を再現してみようとします。つまり、竹を編んだ籠を煮込んで食べようとするんですけど、もちろん喰えたモンじゃありません」
于吉「当然です」
雪蓮「呉人、ブチ切れ声を上げました。『サノバビっ! あの××××、おいらをだましやがりました! 生かしちゃおかねェぜ!』というわけで呉越は憎みあうようになったとか〜」
于吉「それが原因だと思い込める、雪男とあなたの頭の中身を見てみたいものですね」
雪蓮「もぉ、于吉クン! あんまり非道いこと云うとやぐらに乗せて下から火をつけて、降りてきたところを斬り殺すわよ!? 演義でやったみたいに!」
于吉「別にかまわないのですが、同時公開の『私釈』は、それこそあなたと私が死んだ辺りのオハナシでしたね。というか、本心ですよ。どうしてそれで、呉越が相争うようになるのです」
雪蓮「だって、信憑性があるじゃない」
于吉「ありませんよ……。ツッコミ入れるのもバカバカしいのですが、敢えてツッコみましょう。その呉人と越人の名でも、伝わっているのですか?」
雪蓮「呉人の名は諸樊、越人の名は允常!」
于吉「……また、ひとことで否定はできないような名を挙げますね、あなたがたは」
雪蓮「諸樊の孫が"臥薪"こと呉王夫差、允常の息子が"嘗胆"こと越王勾践ね」
于吉「まぁ、信憑性はともかく、そのふたりがそんな真似をしでかしていたら、確かに呉越は争いましょうが……夫差は勾践に敗れ、自害していますよ?」
雪蓮「だから、レンちゃんは、メンマを見てどう思うのかしら、って雪男さんは思うのよね。筍のせいで越と戦って、呉は滅んだわけだから」
于吉「……考えすぎにも程がありますね」
雪蓮「お姉ちゃんもそう思わなくはないわねぇ」
于吉「まぁ、いつも通り突発的に書き始めたものですから、それほど史料的裏づけを求めませんが」
雪蓮「そんなこと云っちゃダメよぉ。あの雪男のコトだから、そンなコト云われたら何か探し出してきかねないわ」
于吉「ないと云い切れないのが怖いですね……」
雪蓮「というわけで、歴史コラム第1回、これにてお開き〜♪」

于吉「……それで、パイズリはどうしたのです?」
雪蓮「お姉ちゃん、知らないわよ」

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