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分布:北海道(渡島半島)、本州、四国、九州。南限は屋久島。国外では朝鮮半島南部に分布する。冷温帯下部~暖温帯に汎く分布する。低山地~山地に自生して主に混交林を形成する。県内では全域に自生して混交林を形成するほか、果樹園として植栽され純林を形成する。
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樹幹:淡黒褐色。樹皮は縦に浅く細く裂ける。表皮のコルク層はほとんど認められない。幹は直立する。 |
枝葉:単葉。葉柄は明瞭で葉は互生する。長さ10~15㎝程度で顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達し17対程度。狭長楕円形、基部は丸く先端は尖る。側縁には針状で小さくやや粗い鋸歯がある。晩秋に黄葉する。 |
花:単性の虫媒花。花期は5月中旬~6月上旬 で萌芽より遅れる。雄花序は長さ10~15㎝程度の尾状花序で黄白色 を呈し、本年枝の下部からやや上向きにつく。その基部に雌花が固まってつくが、結実するのは2個程度。独特の異臭がある。 |
果実:堅果。大きさはさまざまで平たく幅広の水滴形。殻斗は球形、総苞片が非常に細長い棘状(イガ)となり殻斗を覆う。概形はウニ状。春に受粉しその秋に成熟する1年成。食用として栽培されることも多い。動物散布型。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木(高取)が可能。実生の場合、種子の保存性がほとんどないので、秋に採取した種子はすぐに植えつける。 |
保護:指定されていない。 |
その他:俗に、野生種はシバグリ、栽培種はタンバグリと呼ばれる。材は主にシイタケ栽培の原木として利用されている。 |