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分布:北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、沿海州、中国東北部に分布する。低山地~山地が主で、中部地方以北では純林を形成することも多い。県内では房総丘陵の中腹およびそれ以上の地域に成育し、主として混交林を形成している場合が多いが個体数は少ない。基本的には寒冷期の遺存種と考えられる。
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樹幹:淡灰褐色~黒褐色。樹皮は縦にやや深く不規則に裂ける。表皮のコルク層は薄い。幹は直立する。 |
枝葉:単葉。葉柄はごく短く葉は互生する。長さは15㎝ 程の楕円状倒卵形、基部は楔状 もしくは耳状で先端はやや尖る。顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達し10対程度。側縁に大きく粗い鋸歯がある。 薄い革質でほとんど光沢をもたない。若葉は表裏に細毛を密生するが、後に表面は脱落し裏面のみに短毛と絹状毛が残る。晩秋に黄葉する。 |
花:単性の風媒花。花期は5月頃で萌芽とほぼ同時。雄花序は長さ4㎝~5㎝の尾状花序で黄褐色を呈し、本年枝の下部からぶら下がる。その上部の葉腋に雌花序をつける。 |
果実:堅果。直径2㎝程で卵状楕円形。殻斗は椀形、総苞片が瓦状で殻斗を覆う。春に受粉し,その秋に成熟する1年成。果実は地上に落下するとすぐに発根して冬を越すものもある。アク抜きすれば食用になる。動物散布型。リスなどの小型種のほかクマなど大型哺乳類も利用している。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木(高取)が可能。実生の場合、種子の保存性がほとんどないので、秋に採取した種子はすぐに植えつける。 |
保護:指定されていない。 |
その他:主に家具材や器具材。現在はこのほかにシイタケ栽培の原木としても利用されている。 |