ハネカクシの仲間

( Staphylinoidea / Staphylinidae )

　別に示したムクゲキノコムシ科､タマキノコムシ科､デオキノコムシ科､ニセマキムシ科､シデムシ類､コケムシ科､アリヅカムシ科などと共にハネカクシ上科(Staphylinoidea)を構成する｡
　鞘翅は小さく､腹部の上部を覆うのみで､普段後翅はその下に小さく折りたたまれている｡｢翅隠し｣の和名の所以である｡ただ､広げると非常に大きく､その翅で活発に飛翔するが､一般に飛翔は緩やかである｡鞘翅が小さいため､腹部の背板は基部２節を除いて角質化しており､上下左右に自在に動かすことができる｡
　一般には捕食性の種が多く､腐食性､食菌性､藻類を食べる食植性の種などが知られるが､高等植物のみを食べる食植性種は現在のところ知られていないようである｡生態的にも多様で､哺乳類に寄生する種やアリやシロアリの巣に寄居する種､ハサミムシ類のような子育て行動を行う種なども知られている｡ただ､膨大な未記載種を抱えるグループであるため､生態のはっきりしていない種もまだ多い｡また､海岸の砂浜や岩礁から高山にいたるまで幅広い環境に適応しており､他の鞘翅目が棲息するほぼすべての環境で見出されるが､一般的にやや湿度の高い環境を好むようで､乾燥した場所では種数も個体数も少ない｡
　熱帯～温帯を分布の中心とし､全世界で3,200属46,500種以上､国内でも800種以上が記録されているが､実際にはさらにその倍､あるいはそれ以上の種が生息しているものと考えられている｡現在のところ､鞘翅目の中でゾウムシ科に次いで種数の多い科であるが､毎年400種程度が新種記載されていることから､これを超えるのも時間の問題である｡起源も古く､中生代三畳紀の化石が知られている｡

現在日本で確認されているハネカクシ科は800種以上｡
そのうち下記の211種が千葉県で記録されているが､今後増加することは確実である｡

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