ヒメアカタテハ

姫赤蛺蝶 (タテハチョウ科)


産付直後
ハハコグサ(キク科)
概要 食草の新芽や茎、若葉などに1個ずつ産み付けられる。
形質 直径0.6㎜、高さ0.8㎜程度。概形は背が高く、やや上部が狭いビール樽形。 表面には16本の縦隆起条が走り、上半部のみその間を弱い横条がつなぐ。色調は黄緑色で、強い光沢を帯びる。 孵化直前にはやや黒味を帯び、幼虫体が透けて見えるようになる。

幼虫

2齢 3齢
静止姿勢
ハハコグサ(キク科) ハハコグサ(キク科) ハハコグサ(キク科)
4齢 終齢 前蛹
ハハコグサ(キク科) ハハコグサ(キク科) ハハコグサ(キク科)
概要 終齢は5齢。集合性はなく全幼虫期を通じて単独で暮らす。食草の先端付近の葉を綴って袋状の巣をつく り、日中はその中にひそむ。主に夜間に巣から出て、周囲の葉を食べる。成長に伴って頻繁に巣を作り変えるので、付近には空の巣が多数存在することが多い。
形質 概形はほぼ等幅のイモムシ形で、断面形は円形に近い。中胸と後胸には左右2対、第1腹節~第8腹節には左右3対と背中線上に各1本、第9・10腹節には左右2対の多数枝分かれする棘状突起を有する。頭部と前胸には多数の刺毛を有するが棘状突起はない。色調は黒褐色で、側面はやや淡い。背中線は黒褐色で破線状、両側が黄白色に縁取られる。棘状突起は黄白色。

蛹化直後 安定期 羽化直前
概要 巣を出て食草の茎などにぶら下がっていることが多 く、食草群落を離れることは少ない。
形質 垂蛹。概形は楔形。前胸背面中央の大きな乳頭状突起が目立つ。腹部背面には各1対の小さな角錐状突起を有する。側面から見ると前胸と腹部第3節付近が最も高いが、その間のくびれはやや不明瞭。色調は黄褐色で一様だが、稀に光沢を帯びて金色となる個体もいる。中胸・後胸・第1腹節背面には1対の金色斑紋を有する。