分布 |
国内: |
土着地は本州太平洋岸の暖地以南、南西諸島。成虫そのものは北海道南部以南のほぼ日本全土。 |
県内: |
晩春以前は南部のみ。夏以降には市街地を含めて全域に広がる。 |
国外: |
アフリカ北部、欧州南部~中国大陸南部、東南アジア~豪州北部、南太平洋まで汎く分布する。 |
変異 |
形態: |
少なくとも国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
土着地では比較的明瞭。低温型(春秋冬)と高温型(夏)が知られる。 |
性差: |
異型。♀は翅表の黒褐色部が♂より広い。 |
生態 |
環境: |
田畑の周辺を中心に、日あたりのよい開けた環境を好む。 |
発生: |
多化性。土着地では年5回~6回程度、南西諸島では周年発生している。それ以外では夏に姿を現し、晩秋には姿を消す。県内では安房地域南部が土着地として知られ、夏には県北部でもやや多く見かけるようになる。 |
越冬: |
不定だが、成虫より寒さに強いため、幼虫であることが多い。齢数は決まっていないようである。暖地では成虫で越冬する場合もある。 |
行動: |
昼行性。飛翔は敏速で、一旦飛び立つとなかなかとまらない。移動性が強く、イチモンジセセリやチャバネセセリなどと同様に気温の上昇に伴って発生を繰り返しながら棲息地を北に広げる。ただし、晩秋の気温低下と共に土着地以外では死滅するというサイクルを繰り返す。夏の午前中や低温期の日中は、地面や地表付近の草上で翅を開いて日光浴することも多い。地上で吸水したり汚物に集まることはない。産卵は食草の花芽などに1個ずつ行われる。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/花・蕾・若果。マメ科栽培種のフジマメ、ダイズ、アズキ、エンドウ。中でも特にフジマメを好む 。他にハギ、クズ 、ヤブツルアズキ、ノアズキ、ノササゲなどのマメ科野生種も知られる。 |
成虫: |
食植性/花蜜。訪花性は強く、タンポポ類、ヒメジョオン、オカトラノオ、ハギ類、ツルボ、キク類、センダングサ類など多くの花で吸蜜する。 |
類似種: |
アマミウラナミシジミに似るが、県内には分布していない。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
越冬可能な土地は、年平均気温が12℃以上の無霜地帯であることが知られる。 |
天敵 |
捕獲: |
幼虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のAplomya metallica (Wiedemann)、ヒメバチ科チビアメバチ亜科のツバメシジミチビアメバチ(Melalophacharops everese (Uchida, 1957))、ヒメバチ亜科のウラゴマダラシジミヒメバチ(Anisobas artopoetese Uchida, 1956)、ツバメシジミセアカヒメバチ(Neotypus nobilitator iwatensis Uchida, 1930)、Neotypus taiwanus Uchida, 1929、ヒラタヒメバチ亜科のイチモンジヒラタヒメバチ(Pimpla aethiops Curtis, 1828)、ヒメキアシヒラタヒメバチ(Pimpla disparis Viereck, 1911)、マイマイヒラタヒメバチ(Pimpla luctuosa Smith, 1874)、シロワヒラタヒメバチ(Pimpla turionellae (Linnaeus, 1758))が知られる。 |