分布 |
国内: |
本土全域と主な周辺離島、吐喝喇列島以北の南西諸島全域。日本産はかつて別亜種(ssp. ladonides de l'Orza)とされたが、現在は原名亜種に含められている。 |
県内: |
市街地を含めほぼ全域に棲息する。 |
国外: |
ユーラシア大陸北部~中部、アフリカ北部、北米大陸西海岸~中米山岳地帯に分布する 。原名亜種はユーラシア大陸~日本までの広い範囲のものをさ し、標式産地は「イギリス」。 |
変異 |
形態: |
国内での地理的変異は知られていない。 |
季節: |
やや不明瞭。春型(第1化)と夏型(第2化~)が知られる。 |
性差: |
異型。♀は翅表の黒色部が♂より広い。 |
生態 |
環境: |
樹林や田畑周辺、草原などさまざまな環境で見られるが、比較的林縁に多い。 |
発生: |
多化性。通常年4回~6回。暖地では3月下旬、寒冷地でも4月には出現する。暖地では8月ごろ一時姿を消すことが多い。 |
越冬: |
蛹。幼虫は秋に気温が下がると食草を下り、地上の落ち葉の隙間や石の下などで蛹化して越冬する。 |
行動: |
昼行性。飛翔は比較的緩やかだが、一旦飛び立つとなかなかとまらずに飛び続ける。夏型の♂は占有性を示すことがある。産卵は食草の葉裏などに1個ずつ行われる。 |
食性 |
幼虫: |
食植性/花・蕾・若果・葉。基本食草はマメ科のクララ。典型的な広食性の種で、他のマメ科、ミズキ科、バラ科、ブナ科、タデ科、ヒルガオ科、ミカン科などきわめて多岐にわたるが、季節や場所によってほぼ一定しており、ある地域、ある季節において種をまたがって食べることは少ない。主に花や蕾を食べるが、食草によっては葉も食べることがある。 |
成虫: |
食植性/花蜜。訪花性は強く、タンポポ類、シオン類、ウツギ、イボタノキ、クリ、イタドリ、オカトラノオ、キク類などいろいろな花に集まる。♂はとくに吸水性が強く、しばしば湿地で吸水集団を作ることがある。また、獣糞などの汚物にもよく集まる。 |
類似種: |
スギタニルリシジミと酷似するが、県内には分布しない。 |
保 護: |
指定されていない。 |
その他: |
普通種で個体数も多い。 |
天敵 |
捕獲: |
虫はアシナガバチ類、スズメバチ類、サシガメ類、クチブトカメムシ類、ハエトリグモ類、ハナグモ類。成虫は、ヤンマ類、トンボ類、ヤブキリ、ウマオイなどの捕食性キリギリス類、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどの大型カマキリ類、造網性クモ類、ハナグモ類など。 |
寄生: |
ヤドリバエ科のサンセイハリバエ(Aplomyia confinis (Fallen))、アワハリバエ(Cadurciella tritaeniata (Rondani))、ヒメバチ科チビアメバチ亜科のツバメシジミチビアメバチ(Melalophacharops everese (Uchida, 1957))、Barichneumon tanakai Kusigemati, 1989、ヒラタヒメバチ亜科のチビキアシヒラタヒメバチ(Pimpla nipponica Uchida, 1928)が知られる。 |