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やぁ、皆さん。「世に怪」にようこそ。案内人(ストーリーテラー)は、お馴染みの“M”です。
今回もまた、全国二万八千の「怪奇で脳漿がぶちまけるの会」会員の皆さんの為に、
思わずムズムズッとするような爽快なストーリーをお送りしたいと思います。
いつものように、テーマは皆さんのリクエストの中から選ばせていただきましょう。
随分とお茶目な方が多いから、びっくりするようなテーマが送られてくるんですよね。
「梅干し」の時には、さしもの私も、しばし考えねばなりませんでしたから。
しかし! そのお陰で、あの『地獄で鰻重、肝吸いが消えた!』を皆さんにご紹介できた
のですし、これこそ「世に怪」の醍醐味と言わねばならないでしょう。
平凡な毎日に倦怠し、脳のヒダの奥に、ちょこちょこっと痒(かゆ)いところがある皆さん。
私の指は、あなたの孫の手……。痒いところに手が届く。ちゃーんとホコリをほじくって、
気分スッキリにして差し上げますよ。えぇ、ご期待は裏切りません。勿論、お代も一切、
お受け取りしないことにしております。これは私のインテレクチュアル・ライフの一環、
いわば趣味のようなものですから。

さて、前置きが長くなりましたが、早速第一の話といきましょう。
さてさて、第一話のテーマは。

“旅”

……なるほど。話は幾らでも思い当たりますが、どれにするか。
どうせなら第一話は、ちょっと趣を変えたものが良いでしょう。そうだ、昔の話が良い。
ちょっとアナクロな場面設定も、「世に怪」には、案外ふさわしいものですから。
旅の男の話……時代は、いつでしょうねぇ。ずっと、ずっと昔なのか。
――或いは、ほんの少し前のことなのか。



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