映画「マラソン」を観て



  先日、養護学校のママ友達と韓国映画「マラソン」を観て来ました。
自閉症の青年と、その母親の話で、韓国で大ヒットしたそうです。日本での前評判もなかなかだったので...

  まず心を魅かれたのが、最初のシーンで出て来た詩でした。主人公チョウォンのお気に入りのTV番組「動物の王国」の中に出てくるらしいのですが。

   

アフリカのセレンゲティ草原には数十万頭の草食動物が群れを作って暮らしています

動物は毎年つがい相手を見つけ子供を産みます

向こうに生まれたばかりの子供と母親のシマウマが見えますね

これから子供に野生で生きていく方法を教えるのです

野生で生き残るのは簡単なことではありません

子供達の周りにはたくさんの危険が待ち構えているからです

でもセレンゲティ草原は地球上に残された数少ない野生動物の天国です

その中で動物の母親は子供に自由に草を食べさせ、走らせることができます

遠い昔は地球全体が野生の草原だったのでしょう



 自閉症の子どもと、その母ですから、多くの場面で笑ったり泣いたり、感情を共有できました。
私は、彼女のように一生懸命療育に励む母ではないので、途中、心配になったくらいです。
 弟が危ないよ!お兄ちゃんばかり見てちゃダメだよ!
 旦那がつらそうだよ!

 私はどちらかというと、きょうだいの都合にすばるを合わせることが多かったので。

 感じるのは「孤独」でした。
  母の愛情を渇望してるのに得られなくて、非行に走りそうになる次男
  妻が長男にかかりきりで家を出てしまう夫
  一生懸命育てているのにむくわれることが少なく、社会から冷たい目で見られる自分(母親)
  心の支えだった長男も、自分から離れて他人(コーチ)を慕って走ろうとしている...

 けれど、それは愛情の裏返しで、こんなに求められているんだから、決して孤独ではないんですよね。

 そして、すべての孤独感や絶望を打ち消し、癒してくれるのはチョンウォの笑顔「スマイル!」なんです。

 みんなに幸せを与えてくれる、壊したくない、壊されたくない、大切な大切な宝物、それがチョンウォの「スマイル」

 今までは、大好物のチョコパイにつられて苦しいことも耐えてきました。
 でも、チョンウォはチョコパイを捨てて走り出しました。
 自分の意思で、好きな「マラソン」を続けることを選んだのです。

 爽やかな感動が残る映画でした。
 ビデオになったら、ぜひ、家族で観たいと思っています。