2014.2.26 平塚洋二郎選手のタイ遠征記

【二度ある事は三度ある】

初めにお断りしておきますと、私はムエタイ信者ではありませんしムエタイが立ち技最強!と言うつもりも全くありません。
個人的な趣味と自分なりの空手を少しでも完成に近づけるための手段としてムエタイを勉強しています。
競技で勝つためというよりも護身的な意味合いの方が、私の中では強いかもしれません。
道場での稽古の意味をしっかりと汲み取って練習すれば大道塾流の稽古と自主トレで充分強くなれますので、仙南支部の皆さんは安心してください。


と言うわけで、三度のバンコク遠征で学んだこと。




・特別な練習方法は無い

どこのジムでもトップランカーでも子供でもやっている練習はほぼ一緒です。
走って、ロープ跳んで、首相撲やって、シャドーやって、ミットやって、マススパーやって、サンドバックやって、補強やるという流れでした。
強いて挙げるとすれば、練習量とミット持ちの技量の違いといったところでしょうか。



・反復練習の境地に達している

首相撲にしてもミットにしても身体が勝手に反応するレベルまでとことんやり込んでいるので、小手先の技術は通用しません。
ひとつひとつの練習時間も長く、ミットはインターバル無しで平気で10分以上やったりします。
しかし彼らはその動きが『日常』になっているため、ミドルを何連打しようが何10分首相撲をしようが動き続けることができます。



・フィジカルは大事

ラジャのチャンピオンと首相撲した時、何度もこかされて投げられました。
蹴りをキャッチされたり片足立ちになったとき瞬間的に投げられるのでこちらは全く反応できず、身体に染みついた無意識のその動きには脱帽しました。
ただ、体格差を利用して力ずくで押し倒したり投げたりできる場面が何度かありました。
当たり前ですがフィジカルトレーニングは疎かにしてはいけません。



・ナックムエも人の子

彼らも練習大好きという訳ではないようです(僕は練習大好きですよ、師範!)
練習中たまに、と言うかよくサボります。
ランニングはいつの間にか日本対タイのフットサル大会になってましたし、ラジャチャンピオンは首相撲中リングのロープが背中に擦れて痛いからやめる、膝蹴った時日本人の肘が腿に入って痛いからやめると言って、その都度監視に来ていたお父さんに叱られていました。ちょっと親近感です。




1月はいい!

さすがのバンコクも真冬は気温が下がっていて過ごしやすかったです(と言っても日中は30℃以上でしたが…)
初めて行く人は暑さと湿度で練習どころではなくなるかも知れませんが、1月なら乾季ですし仙台からの直行便もある時期なのでオススメです。



・欧米人カップル要注意!

前回も今回もカップル風の欧米人にお金を盗られそうになりました。
しかも今回はブアカーオのジムの中で(詳しくは齋藤さんの遠征記参照)。この手の人達は最初は凄く親切に友好的に接してきます。
親切なんて裏があるに決まっています!
他人を信じてはいけません!←こんな大人になってはいけません。



・野犬、ヤバイ

ほんの出来心だったんです。
朝のランニング中、暇だったので私がちょっと野犬にちょっかい出してみたんです。
そしたらマジギレされまして、猛追されたので3人とも猛ダッシュで交差点の中央分離帯に逃げ込みました。
人間追い込まれると信じられない力を発揮するもんです。
これが黒崎先生が仰っていた必死の力,必死の心というものでしょうか。
周りの野犬達がみんな集まって来てこっちに向かって吠えてた時は本当にビビりました。
塚原さん、齋藤さん、ご迷惑をお掛けしました。




ほんの1週間ほど海外に行って練習したからといって、強くなったとはこれっぽっちも思っていません。
私にとって大事なのはあちらの選手がどのような練習をどのくらいこなしているかを見ることによって自らを戒めることであり、仕事の電話もかかって来ない場所で余計な事は考えずに集中して練習できる幸せを噛み締める、言わば現実逃避です。
あとは単純にムエタイが好きなのです。
私の趣味にお付き合いいただいた塚原さん、齋藤さんには本当に感謝しております。
ありがとうございました。


さて、我々の戦いもそろそろシーズンインです。残りあとわずか。がんばりましょう!



 
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