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クリスのお手紙

Chris' letters


クリスは僕は僕なんだということを現在の心境としてみんなに伝えたかったのかな。
繰り返し聞いたという♪微笑はアルバム「旅情」に収録されてます。
文中に出てくる霑叔とは作曲家の黄霑(ジェームズ・ウォン)のこと。可愛がってもらっていたのに、彼に曲を書いてもらえなくて残念。私も是非クリスに彼の曲を歌って欲しかったです。ちなみに彼は2004年に他界してます。
手紙の最後のフレーズですが、レスリーの♪我という曲を思い出しました。

第三十三封信 2009.12.4
湯呑み茶わんの中、波立たせることもできる。飲み終わってしまえば、空の茶わんにはただ、いろんな味と痕跡が残るだけ。

今朝、繰り返し何度も"微笑"を聞いた。普段は自分の曲をかけて思いをはせる習慣はないんだけど、今日は例外だ。その声を聞いていると、過去を思ったけど、未来のことは考えなかった。 

言いたいことはもう全部言ってしまったみたいだね。でも実のところ、人にわかってもらおうとしてないんだ。ただ、井戸に向かって、独り言を言ってるみたいなもんなんだ。ずっと僕は自分がすべきことをしてきただけ。誰かのご機嫌を取るためにやってるわけじゃない。自分のためですらもない。ただ、僕が僕であるにすぎない。

ははは、突然霑叔の"問我"を思い出したよ。その年、映画「跳灰」が公開されていて、失業した僕のお父さんは同級生がマネジャーをやっていた黄金劇場で、座席案内員のアルバイトをしていた。その時のスクリーンの挿入歌で、「跳灰」のサントラに収録されていたのが"問我"だ。

霑叔は僕が大好きな人だ。ある年、僕の誕生日に、テレビ局の控え室で、彼が走ってきて、僕にキスをしたんだ。

その後、霑叔は自分から僕に曲を書きたいと言ってきた。何度も話をして、曲を出す時には絶対に彼にお願いしようと思っていた。彼は僕にピッタリ合わせた曲を書こうとしてくれていた。でもその時、僕のマネージメントは僕にそうして欲しくなかった。

またその後、いろいろとあって、僕も機会がなくなってしまった。それから数年後、彼はこの世を去った。僕が評価する人で、僕を評価してくれるであろう人は、いったい他にどれだけいるだろうか?

人生とは、こういうもの。

当時はよく考えもしなかったけど、あとになってから永遠に過去形になってしまったことに気が付いた。

まだ覚えている。ファンたちがラジオ局の門の前で寒さに耐えながら僕を待っていたこと。ファンたちがレコード会社のレコーディングスタジオの前で夜遅くに待っていたこと。ファンたちが大專會堂の出演者休憩室の前のガラス窓を覗き込んでいたこと。ファンたちが演唱會の時に僕に誇りに思わせてくれたこと...

いくつもの雨風を経て、人生とは、こういうもの。

僕は、それでも僕、それとも....?

そう、僕は、それでも僕

黄凱芹
2009年12
月4日


茶杯裡、可以起波瀾、茶打翻了、空杯一只、也殘留百般滋味和痕跡。

今天早上、反覆聽了很多遍"微笑"、平時都没有放自己唱片來緬懐的習慣、今天有點例外。聽著那聲音、思前、但没有想後。

要説的、好像都曾經説過了。其實、不求人明白了解。只是有些像對著一口井、自説自話。一直以來、我做我的事、不是為了要討好甚麼人、甚至自己、而只不過是因為、我是我。

哈、突然想起霑叔的"問我"。那一年、電影「跳灰」推出、我PaPa失業、暫時在老同學做經理的黄金戲院當帯位員、銀幕上的電影挿曲、已是這張「跳灰」原聲唱片裡面的"問我"。

霑叔是我很喜歡的人、有一年、我生日、在電視台的化粧間裡、他pao過來、給我一個吻。

又之後、霑叔主動要給我寫首歌、幾番叮嘱、甚麼時候要出唱片、我一定要找他、他要為我度身訂造一首歌、但那時候、経理人不要我那樣做。

又之後、經歴了許多事、我也没有機會了。再過了幾年、霑叔離世了。我欣賞、而又會欣賞我的人、到底還有幾個?

人生、如此。

當事時、没考慮的、往後、才知道是永遠的過去式。

還記得。一些朋友在電台門口找我寒喧、一些朋友在唱片公司録音室半夜守望、一些朋友在大專會堂的演員化粧休息室的大玻璃門外窺看、一些朋友在演唱會時令我自豪...

幾許風雨、人生、如此。

我、還是我、還是....?

是、我、還是我。
  

黄凱芹
二〇〇九年十二月四日