朝4時半起きして成田空港に向かう。友人からもらったクリスの記事を何度も読み、アルバムのジャケットでしか知らなかった彼の現在の顔を何度も眺める。今まで彼の動く姿などほとんど見たことのなかった私にはいったいどんなコンサートになるのか全く予想もつかず、それだけにすごく緊張していた。
予定通りに香港の空港に降り立つ。急いで友人宅に向かい、挨拶もそこそこに外出。銀行で両替を済ませ、その足ですぐにコロシアムの楽屋口に向かう。平日のせいなのか、寂しく1人で入り待ちをしてると、10分ぐらいして、ぱらぱらと2人の女の子が来た。
「クリスを待ってるの?」と聞かれうなずく私。どうやらその2人もそれぞれ1人で来たらしい。私に声をかけてきた子は3時ぐらいから待っていたという。この時すでに4時50分ぐらいだったと思う。今度は2人でもう1人の子のところに行き、「クリスを待ってるの?一緒に待ちましょう」と声をかけ、ちょっと(かなり?)寂しいけど3人で待つことにした。日本にもちゃんとファンがいるといるんだよということを知らせたくて、待っている間に「実はたった今、日本から来たの」などと話をしていた。
5時15分ぐらいだろうか、1台のワゴン車が楽屋口に到着した。まさかクリス?と思いつつ、何せ生で本人を見たことがない私にはよくわからなかった。でもキャップ帽をかぶり、長そでのTシャツを着た男性が降りてきた。やっぱりクリス?と思いながら、横にいる2人の香港人を見ると、彼女たちも半信半疑の様子だった。そのうち1人が「あ〜入っちゃった!」と言ったので、「えっ?彼なの?クリスなの?」と驚いて聞いた私。でもその時はもう遅くクリスは楽屋口に消えてしまっていた。あっという間のことだったので、私は後ろ姿を見送っただけで、写真を撮る暇さえなかった。
3人してため息をついていると、1人の子の友だちがやってきた。
「えっ?!もう入っちゃったの?何で大声で呼び止めなかったの?」と3人とも怒られてしまった。(^^;)
この遅れてやってきた彼女とここで知り合ったことがのちに私に大いなる幸運をもたらすことになるとはこの時は思いもしなかった。この時、彼女から前日の公演の曲目表を作ったからメールで送ろうかと言われて、アドレス交換をしただけだった。でも別れる時に彼女は「有縁、再見!(縁があったらまたね!)」と言い残していった。彼女たちはそれぞれに帰ってしまったけど、私はチケットを買ってくれた友人との約束までまだ時間があったし、もれ聞こえてくるリハーサルの音を聞いていたかった。それにもしかしてそのうち出てくるかもしれないと淡い期待を持ちつつ1人で待つことにした。
5時半すぎになると、1人の男性ファンが来た。「クリスを待ってるの?」と聞かれ、「そうだけど、もう彼は入ってしまったよ」と教えてあげると、「何だ、サインが欲しかったのになあ」としきりに悔しがっていました。楽屋口に立っていたセキュリティのお兄さんを呼んで、用意してきた手紙とプレゼントを渡してもらうようにお願いをしたのだけど、「そのうち出てくるかもしれないから、自分で渡しなさい」と断られてしまった。しかたなく時々男性ファンと話しつつ6時半まで待っていた。友人との約束の時間だ。もう一度セキュリティのお兄さんを呼んで、まだ出てこないのかと聞いてみた。
彼は親切にも「聞いてきてあげる」と言って本当に中に入って行った。戻ってくると「彼はまだ忙しいみたいだ。もう少し待ってみたらいいよ」と言うので、友人に待ち合わせに遅れることを連絡した。
相変わらずリハーサルをしている音が聞こえる。この分だとなかなか出てきそうにない。時計の針も7時を回ったので、もうこれ以上は友人を待たせるわけにもいかないし、仕方なくセキュリティのお兄さんを三たび呼んで、手紙を渡してくれるようもう一度お願いしてみた。今度は彼は可哀想だと思ったのか、「渡すだけでいいんだね?」と何度も念を押した上で引き受けてくれた。
友人と慌ただしい食事をし、チケットを受け取ったあと、急いでまた会場に戻ると会場の外では新譜の「LONG TIME NO SEE」がポスター付きで売られていた。早速それを買い込み会場の中へ。初めての彼のコンサート、本当に緊張していた。
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入り待ちの時にちゃんと見れなかったので、コンサート終了後に出待ちをすることにしました。さすがに終演後なので待っている人はたくさんいました。クリスは楽屋口から出てくるとすぐには車に乗らずに、車の前に歩み出て、ファンに向かって深々と何度もおじぎ。う〜ん、確かに入りの時に見たのと同じTシャツだわ。やはりあれはクリスだったのね。ファンの間からは「行かないで〜」「いつ帰ってくるの?」と声がかかる。静かに車は去って行ってしまいました。
初めての彼のコンサート。それはそれは素晴らしいものだった。今まで見た他の香港人のコンサートとは違い、とにかく聞かせるコンサートだった。ダンサーたちとの群舞なんていうのもなくて、クリスは3時間歌いっぱなし。7年ぶりのコンサートだというのに、歌唱力も維持していたし、生で聞く歌声は本当に素晴らしかったです。本当に感動しました!