スターダストレボリューション Stardust Revolution /Sion ■外見・形状 「――おまえも知っているはずだ この大いなる星屑にまきこまれたら誰も逃げのびることはできないということを」 突然ですがここの管理人は、シオンのこのセリフから始まる原作のスターダストレボリューションの描写が、技を放つ彼の背景に散った渦巻く大銀河と併せて、好きで好きでたまらなかったりします。雄大で美しくて、威厳に満ちて優雅。とんでもないスケールと迫力で、なのにどこか緻密さを感じて、シオンというひとそのものだと思います。 名前について、よくrevolutionを「革命」と訳しているのを見かけますが(なんか中国語版の翻訳にもそういうのがあるらしいのですが)、個人的にはそれは誤訳ではないかという気がします。ここでのrevolutionは「回転、旋回」の方です。断言してもいいです。 星屑の旋回。 だってそれってほら、シオンの背景の、あの渦巻く銀河のことなんですよ。 技に銀河の二つ名が付いているということからも、車田御大のこの技に対する思い入れようがうかがえますが、技の見た目も「星屑の旋回」そのもので、実は御大、この技にはかなり力入れてたんじゃないかと思います。敵のもとに放たれるいくつもの拳の軌道の、切り込むような曲線は純粋に美しいし。背景に浮かぶ銀河のイメージも、超越的な空間を音もなく流れる星々の、圧倒的で静かな旋回が感じ取れるかのようで、管理人は個人的に大好きです。 やっぱり教皇の技ということで、特別気合い入れたんでしょうかねえ。 ちなみにこの技、よく見ると実際の作用も文字通り「星屑の旋回」って感じで、何気にすごい凝りようだと思います。拳がヒットすると、敵の体はいくつもの光の円に取り囲まれて鋭くスピンしながら天空に舞い、錐揉み状態で急降下するのですが、星屑のような光に撃たれながらぐるぐるきりきり回転するさまは、そこまでやるかというほど技の名前にとことん忠実。(てーか怖え…) まあそんなわけで、スターダストレボリューションとはよく名づけたものだと、私なんかは思っているわけなのですが。たぶん車田御大的な順序としては「銀河」というところから技名、形状、と発想していったんじゃないかなあ。 ■機能・効果・特異性 この技は不思議というか、一風変わった印象があります。 手元からいくつもの拳が繰り出されているように見えることからも、またムウがパピヨン(卵形態)に用いたときのダメージの描写から見ても、瞬間的に繰り出された数多の光速拳が相手の体を直接撃っている……んだとは思うんですけども。 ただその拳が、ライトニングプラズマとか廬山百龍覇とかペガサス流星拳みたいな、ある意味単純な直線軌道を描かないところがおもしろい。むしろそれとは逆に、細めの光が美しい楕円軌道を描いて伸びるところなどは、なんというか緻密で繊細さすら感じます。 でもやはり同時に、特にシオンの場合はあきれるほどの力強さも感じるんですよね。打撃の威力は老師のふっとびようから見ても相当なもの。優美なのに豪快で力強いところは、シオンというひとのイメージとも重なるような気がします。 ちなみに効果・効能?としては、(1)技を放つ→(2)敵は拳に撃たれつつきりきり回転→(3)地面にもかなり痛げに激突、ということで、打撃技でありつつふっとばし技でもある、一粒で二度おいしい技……というか、受ける方の身になれば一粒で二度苦しむ恐ろしい技。クリスタルウォールといいこの技といい、見た目の美しさに加えて一度の動きで二重三重の効果を狙っているあたり、ほんとに使用者の恐ろしいまでの念の入れようを感じます。 ……職人ですな。 ■位置づけ 昔のパワーを取り戻した童虎の百龍覇に対抗して千日戦争覚悟で撃っているところから見ると、シオンにとってはおそらくこれが決め技として使用すべき最大奥義なのだろうと思われます。その最大奥義を託しているあたり、シオンにとってムウは愛弟子だったのだろうなあと私は思いたいいや思わせておいてくれ(プッツン)。 ……うんでも少なくともムウのほうは、この技をシオンから受け継いだということに対して一定のこだわりを持っていそうです(ムウの項参照)。 あと、なんとなくこれは、シオンのオリジナルの技じゃないかなあという気が私にはします。というのも、弟子のムウが自らの決め技としてはスターライトエクスティンクションを用いているあたりからも、シオン(とその継承者であるムウと)はいわば、一聖闘士一奥義主義なのではないかなあと思うんですなんとなく。受け継いだものの価値を引き継ぎつつも、自分の能力を最大限に引き出すものはそれとは別個に存在する、みたいな。 だって考えてみれば人にはいやでも個性というものがある以上、他人から与えられた既製の技よりも、自分のために自分で編み出したものの方が、自分の能力を最大限に引き出してくれるんじゃないかという気がするんですよね。(例えばそれがどんなに高価なブランド物のスニーカーだとしても、100メートル走の試合に他人の靴をはいて臨む人はいないと思う。)そういう「信頼しあった独立独歩」みたいな師弟関係って、管理人的には結構ツボなのですが。(←聞いてない) ええともかく、今までにもつらつら書いてきたようにこの技はとてもとてもシオンっぽい技だと私は思うのですが、やはりそのあたりからでしょうか、どうしてもシオンのために編み出された技という感じがしてしまうのです。 |