■キャラトーク・アルデバラン編 必殺技といい人柄といい、「豪快」という言葉がとっても似合う人だと思います。 もっともこの「豪快」というのは、ただ腕力が強いことだけを指して言うのではありません。それ以上にもっと性質的なものや価値的なものをも含み込んだ言葉です。すなわち私が彼から受ける印象は「単なるパワー系」なのではなく、「後ろ暗いところが一切無い、威風堂々としたパワー系」だったりします。性格で言うなら、見ていて心が晴れるような、実に気持ちの良いすかっとした人柄。 そうつまりアルデバランという人は、裏表が無い人だと私は思うのです。例えばお隣の宮のアリエスの某さんのような「実は腹黒なんじゃないか」説が、ここまで似合わない男も珍しい。それはもしかしたら、タウラスの角を折った星矢のことを自らの前言通りにすっきりと認めて、豪快に笑いながら潔く道を譲っていた、十二宮編の描写から来るイメージなのかもしれません。 さらに言えば、彼は奇人変人つぶぞろいの黄金聖闘士共の中にあって、一番の常識人だという気がします。いや、例えば黄金聖闘士たちに、民間人に戻って戦闘以外の方法で世界平和に貢献せよという宿題を出したら、一番成績がいいのはアルデバランじゃないかという気がしませんか。というかアルデバラン以外の人々は全員、そんな無謀な試験には即刻落第するだろうという気がしませんか。しかし、私は思うのです。おそらくアルデバランならば、ブラジルなり何なりに戻って、現地の一般社会に立派に同化して生きていける!たぶん田舎に小さな農園なんか作ったりして、街中で拾ったホームレスとかにやんわりと働く場を提供してやりながら、雨の日などには彼らに勉強教えてやったりしている!そして間違いなく裏では私費を投じて、途上国に大量の小学校を立てている!ていうか自宅には絶対に身寄りのない子供らがどっさりと引き取られて、幸せそうにうろうろしている!その中心に巨躯を置いて、アルデバランはいつもワッハッハッと笑っている! ……ええとそのすみません。管理人の中でのアルデバランって、つまり、そんなイメージなのです。 ……うむう。しかしこれではまるで「おにいさん」と言うより、もはや「オヤジ」ですな。(「パパ」ではありません「オヤジ」です)……いやその。すみません。ここの管理人は彼についてはなかなかどうして、「20歳の初々しい青年」というイメージが持てないようです。なんかどうも、「おっさん」っていうイメージになっちゃうんです。すすすすみません。悪気は無いんです。 でもでも、同時にですね、そのイメージの根源にあるのはきっと、いい意味での単純さと、そこから漂う日なたの気配なのだと思うのです。あとそれから、ゲンコツの気配(笑)。だから、それって全然悪いイメージでは無いのですよ。むしろとても「良い」イメージなのだと思うのです。「孤独な寂しいアルデバラン」なるものの姿は、おそらく私にとって最も想像するのが難しい。 そしてたぶん、この影のない明るい豪快さこそが、彼の最大の魅力ではないかなあと、個人的には考えておるのです。(→もうちょっと詳しく) ちなみに私の印象では、アルデバランは家庭的な雰囲気とともに描かれることが多いような気がするのですが、もしかするとそれもこのような一連のイメージから来ているのかもしれません。独りぼっちで寂しく生きて行くという姿が全然想像できないような、彼のそういった雰囲気から。だからこそ、「おにいさん」ではなくて、「オヤジさん」みたいなキャラ像にもなってしまうのではないかしらん。(笑) ところで、今「オヤジ」でふいに思い出しました。アルデバランはブラジル出身ですが、実際、南米の男性ってたまに、信じられないくらい老け顔の人がいるんですよね。ええっそれで10代20代!?みたいな。(某国サッカー選手のテベスくんとかリケルメさんとかソリンさんとか。ご興味のある方は検索GO!)今思い返してみれば私もアルデバランのご尊顔には、いつも泣かされていたものです。そう、なぜかと言えば。 彼の顔を描くのには、非常に画力が試される。 明らかに輪郭と眼球と眉毛の組成が、他の黄金聖闘士と違っている。というか昔からいつだって私に黄金さん全員集合の絵が描けないのは、アルデバランがいるからだ。ええいこの。 そういうわけでリアルタイム当時の私にとって、アルデバランはそういう意味で鬼門だったのでした。そしてそのたびにアルデバランに対してうっすらと罪悪感を覚えていたのは、ここだけの秘密です。ごめんアルデバラン!みたいな。 ……ええと、私だけじゃ、ないですよね?ね?(←言語道断) あと、ごついと言えばもうひとつ。個人的にはタウラスの聖衣自体も、相当ごつくて微笑ましいです。アルデバランの聖衣といえば、ちまたではもっぱら角が折れたままだということばかりが突っ込まれているような気がしますが、私はどちらかと言えばあのごっついトゲトゲの方がはるかに非常に気になっています。黄金聖闘士の中で聖衣のデザインがひとりだけアンキロサウルスみたいだと思います。浮いてます。 ……いや何というか、あまりにもガチンコで「鎧〜!」って感じなんですよね。すんごい重そう。でもまあそれもアルデバランの個性だぜ!というわけで、愛着の対象になっているわけですが。 |
Written by T'ika/〜2005.12.12