森周峰 鍾馗図 1幅  絹本墨画 江戸時代
 森周峰(1738〜1823)は、江戸中・後期に活躍した画家。父の森如寒斎、兄の森陽信は、いずれも大坂で活躍した狩野派系の画家であるが、弟の森狙仙が写実的な猿を得意とするようになった後、森派は、大阪を代表する写生派の流派となった。周峰も、中年期以降、弟狙仙に倣って写実的な動物画を描いている。

 鍾馗は、唐の玄宗皇帝の夢に現れたという神。熱病に侵された玄宗が、小鬼が宮廷内で悪戯をする小鬼を鍾馗が捕まえて食べたという夢を見、目を覚ますと、病が治っていたという。日本においても、鍾馗図は、疱瘡除けや魔除けに効果があるとされた。また、端午の節句においても飾られることが多かった。
 本図は、周峰の狩野派風の作風をよく伝える作品である。
部分   落款・印章

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