森一鳳 嵐山春夜図 1幅  絹本著色 江戸時代
 森一鳳(1798〜1872)は、播州生まれの画家。大坂に出て近世大坂画壇における写生派を代表する森派の森徹山に学び、徹山のあと森派を継承した。写実的な画風に情趣を加味した画風で幕末の大坂で大きな支持を獲得し、その遺作も多い。

 遠方に渡月橋が見えることから、嵐山の春の夜の情景を描いたものであることがわかる。
 岸辺の松は、月明かりによって逆光になり影が濃い。その間に咲く桜は、逆に花弁に月の光が反射する様子に描かれている。光と影の対比が織りなす表現が見事である。
 
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