森一鳳 藻刈舟図 1幅  紙本著色 江戸時代
 森一鳳(1798〜1872)は、播州生まれの画家。大坂に出て近世大坂画壇における写生派を代表する森派の森徹山に学び、徹山のあと森派を継承した。写実的な画風に情趣を加味した画風で幕末の大坂で大きな支持を獲得し、その遺作も多い。

 「藻刈舟」は一鳳の代名詞となっている画題である。すなわち「藻を刈る一鳳」を「儲かる一方」とかけることで、当時の大坂商人から商売繁盛の縁起物として好まれたものなのである。一鳳は、生涯の間に多数の「藻刈舟」を描き、またそれは、本図のように簡略な描写によるものが多いにも関わらず、高値で取り引きされたと伝えられている。
部分図     落款・印章

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