墨江武禅 山水図 1幅  絹本淡彩 江戸時代
 墨江武禅(1873〜1806)は、月岡雪鼎の門人で、美人画を描く一方、中国の水墨画に倣ったち密な描写による山水画も得意とした。また、彫金などの工芸の分野でも活躍したと伝えられている。

 墨の濃淡を強調し、明暗を際立たせる表現は、武禅の山水画にしばしばみられるものであるが、本図は、その特徴が際立っている。暗夜の中、建屋の中から淡い朱色の燈火が覗く様子が印象的である。
 武禅は、同じ構図の山水画を描かなかった画家と伝えられているが、本図は、関西大学図書館蔵の「山水図」と極めて類似する図様の作品である。
部分  落款・印章

戻る