このHPは1024x768(全画面)以上を推奨いたします。



水冷システムを試す!(テスト編)


前頁ではインストールレビューをいたしましたが、これから水冷システムの能力テストの結果をまとめます。
テストは二日間にわたり同じ条件に恵まれましたので良い結果が得られたと思います。

一体どれ位の能力があるのか?、以前仕様のマシンとの比較で検証して見たいと思います。

同じような構成でも水冷システムを導入すると必ず以下のような結果になるとは限りません。





< PC構成 >
CPU
AMD Athlon64 3000+ & リテールクーラー
VGA
GeForce FX 5900 LX ver & ZALMAN ZM80C-HP
マザーボード
GIGABYTE  GA-K8N PRO (チップセットファンレス化
電源
OWLTECH SS-400AGX
ケース
標準的ATXタイプ (前面・背面8pファン付き
メモリ
PC3200 512MB CL2.5 x2( Samsung Chip )
HDD
Maxtor 6Y080M0 80GB x 2 (SATA150/7200rpm) RAID構成
音源
M Audio AUDIOPHILE 2496
Intel PRO/1000 MT Desktop Adapter
ドライブ
Pioneer DVR-A05-J
OS
Windows XP Pro sp1

以上が水冷導入前の構成となっています。
水冷システムではCPUクーラー・VGAクーラーをそれぞれ水冷ヘッドに交換しております。
その他構成は同じままです。



< エアフローと熱源配置図 >

(空冷仕様時)

●CPUクーラーはリテールファンを8cmファンで冷却(ファンコン未使用)
●ケースのサイドパネルからCPUに直接ダクトを設置して外気冷風を引いています。
●各8cmファンはファンコンを使用し50〜70%に回転数を抑えています。
(備考)8cmファンはすべて1600rpmの物を使用しています。

◆    ◆

(水冷仕様時)

●メインユニットのファンはLOWレベルで固定して実験をしております、又2ndコアの8cmファ
ンはデフォルトでの使用。
●サイドパネルの通風孔はフィルターを付けただけで塞いでおりません。
●ストレージベイは空のカートリッジを使用して排熱口として使用。




< テストの結果・考察 >

上記の構成等を踏まえていただいてテスト結果をご覧下さい。


● 測定環境 ・外気温  24℃ (空冷・水冷測定時共に)
● 測定条件 ・アイドリング 起動より1時間
・高負荷状態 「ゆめりあベンチマーク Version 1.2」 により1時間のランニング
( 上記ベンチの測定オプションは、1024x768・最高 )
● モニタリングソフト CPUは「 NVIDIA System Utility 」
GPUは純正ドライバー付属機能




●アイドル時のCPU温度の差はほとんど変わりがありませんが、GPU温度の差がかなり出て
います。
GPUは冷却水のフローでCPUの後になっているにもかかわらずこの差が出ると言う事は、「フ
ァン+大型ヒートシンク」のキャパシティーより水冷の方が優れていると言う事でしょう。
水のキャパシティーと水冷ヘッド・比較的大型なコンデンサーの冷却性能を考えれば当然の結
果でしょうか。
ハイパフォーマンスなVGAは設置場所の問題でどうしても空冷式で大型・大風量(大音量)のク
ーラーを搭載せざる終えません。 水冷式が使用できるのなら、これが一番恩恵を受けるので
はとも思います。

●高負荷時では水冷式が空冷式に比べ非常に好成績になっています。
発生した熱は媒体(水)で運ばれてコンデンサーで排熱されるため、空冷式のようにケース内
部の温度の上昇が少なく長時間の高負荷にも安定した性能を維持できます。
空冷式、特に吹き付けタイプはマザーボードに排熱が干渉して熱を持ち、ケース内に熱をこも
らせる原因になります。 これが長時間続くとなればPC全体のダメージになります。
実際に空冷でのテスト時にはマザーボードはかなり熱を持ち、ケース内部温度は50℃近くまで
上昇してしまいました(ケースの排気をもっと強力に行えば回避できたのかもしれません)。

●ブラウジングや軽作業時も測定しましたが、殆ど温度の変化は無い状態でした。
これから考えるとブラウジング等軽度な使用なら空冷で十分といえるでしょう、ただ長時間の使
用となるとケース内の換気に気を付けなければなりません。 高速なCPU程この傾向にあると
考えられます。

●水冷式の利点の一つには、比較的小型のケースでも設置できると言う事がいえます。
これは高速なCPU・GPUになればなるほど言えるでしょう。
3.0GHzクラスを空冷で冷やすには大型のヒートシンクは必須です、また大風量・高速ファンも
必要です。
水冷の場合、物にもよりますがヘッド部分は1U用のヒートシンクと同じ位の大きさでその上に
ファンは必要ないのでケース内に空きが出来ます。 冷却水の通路であるチューブが何本も通
ってはいますが直径6o程度なのでエアフローの邪魔にはなりません。
小型で静音・ハイパフォーマンスなPCには持って来いな冷却システムと言えます。


これらの結果・考察からハイパフォーマンスマシンを使用するヘビーゲーマーやエンコード職
人の方なら、もはや必須な冷却アイテムだと断言できます!。



< 総評 >

水冷式冷却システム(Evercool WaterCooler)は
非常に効果の高い冷却方式と言う事が言えます。
ハイパフォーマンスなマシンには必須といってよい程です。

しかし価格の面では空冷式に比べ高価であり、
導入も自作PCの上級者向けというハードルがあります。
又、水を使うと言う事での多少の危険性も秘めています。

組み込みに関して言えば
興味のある方なら手順を踏まえて慎重に行えば
問題無く行えます。

どちらにせよ「Evercool WaterCooler」のみならず
水冷式冷却システムは優れたパフォーマンスをもっています。


ここまでお付き合い頂きありがとうございました


次の頁に静音へのアプローチを行ったした「改造編」があります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。



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