敵のこと
メルコオル・・
「力の顕著なる者」という意味を持つ名前でしたが、
この名前は剥奪されました。
そして、エルフの中で、一番彼に苦しめられたノルドオル族は、
彼を、モルゴス・・・「世界の暗黒の敵」と呼びました。
最初、元締めは彼をマンウェの兄弟として作り賜われました。
「メルコオル」は、他の神々の力を少しずつ併せ持つ力のある神でしたが、
彼は、アルダと そのすべてを手に入れる事に終始し、
同輩の作った国を支配すべく、もてる力を駆使したのでした。
彼はその傲慢さゆえ、破壊的 かつ、無慈悲な悪霊へと転落していったのでした。
物事を何でも 自分に都合よくねじまげてゆき、
強く欲していた「光」が手に入らないとわかると、憤怒して「大暗黒」へ下ってゆきました。
そしてアルダではいつも この暗闇で悪しき事を繰り返していたのです。
遠い昔、マンウェらと戦ったメルコオルは、しばらくアルダを支配していた事がありました。
この時、メルコオルと共に戦い、彼の助けとなっていたマイアアルが何名かおりました。
メルコオルの威光に引きつけられるか、彼に堕落させられた者達ばかりでした。
その一人、「恐怖の悪鬼」と呼ばれた 「火のムチ ヴァララウカアル」は、
中つ国ではバルログと呼ばれていました。
そして、エルフ達から「残酷なるゴルサウア」と呼ばれていたサウロンは、
元はアウレ(大地創造の神)の力ある助言者でした。
ですが、サウロンは、アルダでのメルコオル・・すなわち「モルゴス」の数々の
悪業のすべてに力を貸す悪霊となり果てたのです。
後の世、彼、サウロンもモルゴスのごとく、破壊の道をたどり、
虚空に去ってゆくのでした・・・・・。
ヴァラクウェンタはここに眠る終わる・・・・・