ドウォーフ達は、メルコオルの悪気に負けないように
とても頑丈に創られていました。
そして、頑固な気質で、一旦心に抱いた友情や敵意は
いつまでも根強く持ち続ける性格でもありました。
もの言う他の種族に比べて飢えや苦痛にも忍耐強く、
長寿でもあり、人間よりはるかに長生きする種族でありました。
以前、中つ国のエルフたちの間ではドウォーフたちは
死ぬと、元々の姿である土と石に戻ると言われていましたが、
ドウォーフたち自身は死後は、ドウォーフのために特別に準備された
マンドスの館に、彼らがマハルと呼ぶアウレによって連れてゆかれるのだと信じていました。
そして、アウレの話によれば、七人のドウォーフたちは死後、
元締めによって聖められ、再び昔と同じ名を名乗り、
アウレの助けとなってアルダの再建に力を貸すことであろう・・
と言われていました。
エルフたちと最も親しくしていた、カザム=ドゥムのドゥリンはその一人でありました。
アウレは、ドウォーフ創りを他の神々には内緒にしていたのですが、
ヤヴァンナにだけはすべてを打ちあけました。
「ドウォーフってゆう名の生き物創って るんるんやったのに、
元締めに見つかってしもてな・・。
元締め、『俺より先に「子」作りおって!フライングや〜!』
ゆうて、えらいおこらはった・・。
せやけど、『ごめんなさい』ゆうてウソ泣きしたら許してくれたわ・・。ちょろいもんや!!」
(↑ セリフ記述に多大なる誤りがあるおそれあり!)
ヤヴァンナは言いました。
「元締めはええお方や!
それに比べてアンタはホントにしょうもないヤツや・・」
と呆れながら(← ??)
「あなたは わたしに内緒で(子らを)創ったのだから、
子らはきっとわたしの愛するものたちには心を砕いてはくれないのでしょうね・・。
彼らは地中を掘るばかりで
大地に生きるものたちにはきっと無関心でしょう・・。
彼らによって傷つけられる木を思うと
悲しくなります・・うわ〜ん(号泣)」
「それなら元締めの子らにも同じことが言えるだろう。
彼らだって ものを食べ、住まう家を建てるだろう。
彼らは アルダのすべてを利用して生活するだろう・・。
まぁ、もっともそれに対して 敬意や感謝の意を感じながら・・ではあろうが。」
アウレは(標準語で)答えました。
「メルコオルが邪気を撒き散らさなければね・・」
ヤヴァンナは悲しげに言いました。
悲観にくれたヤヴァンナは、
マンウェの館へ行へゆき、アウレのドウォーフ創りのことには触れずに
アルダの王(マンウェ)に聞きました。
「アウレが言うように、元締めの子らが現れたら、
彼らはわたしが苦心して作ったすべてを 好きなように利用するだろう・・
というのは本当ですか?」
マンウェ 「いえ〜す! いえす! いえす!!
しかし、何故、そんなことを聞く?」
ヤヴァンナ 「わたしは自分の作品を どれも心から愛しています。
なのに、メルコオルにさんざん壊されたあげく、その上まだ他の者に支配されるのですか?
それを逃れることは許されないのでしょうか?」
マンウェ 「では聞こうではないか。そなたは何を最も大事にお思いか?」
由左 「はい・・エルロンド殿でございます。」
ヤヴァンナ 「すべてです。」
由左 「すべてです。エルロンド殿のすべてでございます。」
ヤヴァンナ 「土から生えているオルヴァル(地中に根を張って育つもの)は
ケルヴァル(動物、生命あるもので動くもの)と違い、
飛んで逃げることもできません。
しかし、どれか一つと言うのなら、
長い時をかけて育っても、あっという間に切り倒されてしまう
「木」をあげます。
あぁ・・木に、ものが言え、虐げる者に罰を与えることができればいいのに・・・!」
由左 「誰か一人というのなら、
長い時を生きて、お〜っ!という程光り輝いておられるエルロンド殿をあげます。
あぁ・・殿がやさしいお言葉で、慕う者に愛を与えてくれたらいいのに・・・!」
<桃色の横レスは、すべてマンウェに無視されました・・・(TOT)>
ヤヴァンナ 「あなた(マンウェ)が天でウルモとともに雲を作って雨を降らせた時、
わたしは大きな木々の枝で、それを受けとめていました。
そのとき、木々の中には 雨風に打たれながら元締めをたたえる歌を
歌っているものもいたのです。」
マンウェは、元締めとともに音楽を奏でた時のことを思い出してみました・・。
そして、思い出したのです・・
つづく・・